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ショッカーとウルトラマン

少しだけショッカーのことを書いたが、
ついでなのでウルトラマンとの対決のメモを。

当時、ウルトラマンが仮面ライダーに先行して
地位を築いていた。
ウルトラマンは組織を相手にせず、単発の企画で
興行を継続した。それでも対戦相手に窮することはなかった。
いまなら大晦日のK1みたいに、一年に一回くらいがせいぜいだろう。
しかし当時は世相が違った。

実は、東京タワーの補修費の一部が、ウルトラマンおよび悪役怪獣に流れていたらしい。
ウルトラマンは原則として週に一回、東京タワーを壊してしまう。
当時は破壊したものが補修する制度はなく、国と東京都で費用を分担した。
当時の美濃部都知事の名前の入った領収書が大手ゼネコンに残っている。

その領収書の金額を算定してみると、
ウルトラマン発足の当時からすれば、
中盤に向かって、補修費は増大して高止まりしたことが分かっている。

ゼネコンで仕事を割っていた。
週に一度、建て替えが必要といっても、いつも同じものを作るのだから、
だんだん要領が分かってくる。
どうせ来週壊れるものを入念に造るはずもない。
工事はなあなあで進められ、
安全面で問題になりかけたが、それは表面化しないで済んだ。
そのかわり、工事費も、予算のちょうど100%で済ませていた。

東京タワーのすぐ近くで営業している老舗、野田岩のある店員は、
当時、近所の人は、東京タワーは危ないとうわさになっていたが、
地方から来る人は知りようもないので、かわいそうなことだとうわさしあっていたと語る。
東京タワーのエレベーター事故も、ウルトラマン戦の巻き添えとして報告された。

美濃部都政は対策を考えた。
大手ゼネコンよりは一段格下の某工務店が参入を希望していたので、許可し、
工事にあたり、被害の状況を詳細に報告させた。
すると、ウルトラマンと怪獣の仕業ではない、工事の手抜きの現状が明らかになった。

これには大手ゼネコンもあわて、抜きの改善に着手した。
腹立ち紛れに、某工務店の仕事の問題点を詳細に報告し、
自分たちの技術力を誇示したこともあった。
当時、技術力の差は歴然としていたらしい。

当然、ここで工事費は跳ね上がり、高止まりになった。
しかし、依然として、設計作業もいらず、図面も同じものを使えばいいので、
少し金が余った。

ウルトラマンはそこに目をつけ、ゼネコンに金をせびった。
その金のおかげで、ウルトラマンは興行の人気をあまり気にしないで済むようになった。

新規土木事業によって道路や観光拠点を作り、周辺地価を押し上げ、
地元住民を豊かにし、政治家、役人、土木業者、農民のすべてが儲かる仕組みが
中心だった時代に、
ウルトラマンは、「開発が終わってしまった時代に、どのようにして税金を持ってくるか」の
ノウハウを蓄積していった。
これから日本でも盛んになるだろう、「建て替え型」の土木事業である。
アメリカで起こった橋の崩落事件は記憶に新しい。
あれと同じことを、ウルトラマンは実行し、間接的に公共事業費を受け取っていたわけだ。

そんな中で、後発の仮面ライダーは、というより、主にショッカーが、
東京タワー利権に食い込もうと策略した。

仮面ライダーは他人を巻き込まない場所での対戦が多かった。
ライダーキックの都合もあって、切り立った岩壁があったりすれば、よかった。
砂浜で対戦した結果、漁業に支障が出て、休業補償を求められたこともあった。
残念なことに、公共事業費に食い込む余地はないと思われた。

仮面ライダーに、安価に、腕力だけで、東京タワーを壊してもらえないか、
野田岩でうなぎを食べながら検討を重ねたが、無理だと分かり、
野田岩の請求書を踏み倒したことも記録に残っている。

しかし当時考案された、「着ぐるみ作戦」は、後になって役立った。
これは、仮面ライダーが大きくなることはできないので、
大きな相手が来たときには、操縦席に座り、大きなロボット兵器を動かすというものだ。
ウルトラマンが地球に招いた怪獣の連絡先や
最近の興行成績までチェックは終了していたらしい。
後の、ガンダムなどの流れにつながる。


ウルトラマン側は、ここでは東京タワー利権を死守したものの、
その後は、破壊者再建責任法の施行にともない、衰退してゆく。



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