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もしもワクチンが効くのなら

インフルエンザで学級閉鎖など、ニュースが届いている。

インフルエンザ対策として、うがい、手洗いなどが勧められ、
外出して電車のつり革につかまったら、その手で目をこすってはいけないなどと
細かなアドバイスが書かれている。

そして、心配な人は、ワクチン接種をするようにと勧められている。

ところが、ワクチンは、保険適用外である。
うっかり「ついで」に、ワクチン接種をしたら、混合診療である。

こんなにも普通の医療行為としてニュースでも勧められていながら、
自費扱いというのは、どうしてなのだろう。
どうして自費なのか、不思議ではありませんか?
こんなときこそ、国民皆保険を有効に機能させればいいのではないですか?
「もしもワクチンが効くのなら」

予防は治療ではないから、自費であるというのだろうか。
効果的に治療費を削減できるなら、積極的に策を施すべきである。
経済学の根本である。自明。

インフルエンザをこじらせてクリニックにやってきて、
注射をして、ついでに点滴をしたりして、それは全部保険だとしたら、
大きな無駄である。ついでにタミフルで異常行動が出たりして。

もしもワクチンが効くのなら
そして、
タミフルが怖いのなら、
ワクチンを打ったほうがいいよね。

ワクチンは保険がきくようにして、
ワクチンをしていない人が、インフルエンザにかかった場合、
全額自費で払ってもらうというのなら、話としては、分かる。
ところが、そうなってはいない。逆なのである。

たとえばの話ですが、
ききもしないワクチンを宣伝して、製薬会社と開業医に儲けさせる。
効かないのだから結局インフルエンザになって医者に行き、
医者は二度儲かる。
ワクチンをしたのにインフルエンザになったのは、
不完全な治療だと文句をつけたとして、
不運でしたねでおしまい。
社会保険庁が保険点数を上げないことを許してもらうための作戦か。
自費接種を宣伝するのだから、社会保険庁は痛くない。
これも、話としては、分かる。

以前は子供には全員に接種したものだ。
問題があって、全員接種は取りやめになった。

今、テレビニュースで勧めているということは、
その問題はクリアできたということなのだろうか。

問題はあるけれど、自費で受けるので、自己責任となり、
だからいいのだろうか。
なにがいいのか全く分からない。

子供に全員接種していたころも、やはり学級閉鎖はあった。
やっぱり効かないのか。
おまけにてんかん発作まで起こった。
効かないのに副作用があるなら、やめたほうがいいな。

しかし現在、
なによりワクチンは厚生労働省が認可しているのだ。
問題ないに違いない。

問題ないのなら、インフルエンザの感染の特性上、
誰でも感染源となりうるものなのだから、
全員にいっせいにやったほうがいいに決まっている。

現に、子供に大量発生して、学級閉鎖になっている。
これでもまだ、自費による自発的ワクチン接種を勧めるのだろうか。

実は効かないんですよというのなら、
厚生労働省の態度も納得できる。
効かないものに保険適用は出来ない。

好意に解釈すると、
本当は効くけれど、
全員に接種する費用と効果、
自費で自発的に接種してもらって、インフルエンザ発症後に保険適用で治療する費用と効果、
それを対比した結果、全員に接種することは無駄と結論したのだろうと推定できるのだが、
果たしてそんなことがあるだろうか?人命がかかっているのだ。

後遺症比較で言えば、
インフルエンザ脳症の発生と、
ワクチン後遺症の発生の重症度と発生率の対比ということになるだろうか。
てんかん発作が起こったら、確かにいやですね。
インフルエンザ脳症は解熱剤の選択の問題ともいわれていて、
一時は神経質になったものでした。

こうした方面に関心の高い家庭では、
うがい手洗いなどこまめに指導するだろうし、ワクチンも考えるだろう。
しかし、関心の低い家庭では、何も対策しないだろう。
その場合、親の関心が低いというだけで、こどもがインフルエンザに感染してもいいのかという、
共同体の側の問題。
そして、そのような子供が感染源となり、
どこかの子供やお年寄りが死んでしまうかもしれないという、共同体の問題。

個人の選択の問題ではないところがある。公共の福祉が優先する典型例だと思う。

一部の後天性のエイズは自分の責任ともいえるけれど、
インフルエンザは、学校、職場、電車などの環境、人ごみでのマナーなど、
個人の責任ではない部分が大きいと思う。

もしもワクチンが効くのなら、感染防止は自費接種をニュースで勧めるよりも、
もっといい方法があるし、
学級閉鎖は起こさなくてすむはずだ、よね?
普通に考えて。

それをしないのは何故なのだろう。

会社などでは、ワクチン接種の補助をしているところもある。
よく考えた結果なのだろうか。
もしもワクチンが効くのなら、それでもいいけれど。
しかしそれなら、さっさと、保険診療の範囲内に含めて、国民皆保険を生かすべきではないか。

*****
長々と、
「もしもワクチンが効くのなら」
と、意地悪を書いてみました。

ヨーロッパの専門家グループは、成人にインフルェンザワクチンは有効であるが、「安全性と生活の質を加味した場合には、インフルエンザワクチンはあまりにも有効性が低く、局所反応の頻度が高い(注:副作用が多い)ので好ましくない」、「健康成人において最も費用対効果比の高いインフルエンザ対策は、どんな行動もとらないことだ」としています(「Vaccine」18巻957頁・2000年)。
まあ、もっともな意見ですね。evidenceは語る、です。

子供の頃は、一つ一つの感染症を経験して、
免疫を獲得していくのがひとつの仕事なんですけれどもね。

今の子供は栄養もいいし、環境も清潔、加湿器まである。
まあ、だから、集団発生するともいえるのだけれど。

昔は現在のような人間の移動がなかったので、感染症の拡大も、少なかったはずです。
しかしまた、昔の感染症の拡大も、人の異動だけでは説明できないとの報告もあり、
気流が運んだとか、いろいろ説がありました。
確かに、人が移動するよりも、インフルエンザは早く移動しているようでした。
現代では飛行機で移動しますから、人の移動を考えるだけで、説明は出来るようです。
しかし古いデータは、別なことを示唆しているようでもあります。

まとめると、
効いて副作用がないのなら、全員に予防接種。
効かなくて副作用があるのなら、宣伝をしないこと。
効くけれども副作用が心配で、保険適用にはできないというのなら、
きちんと説明すること。
じゃないでしょうか?



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