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幻覚・妄想

幻覚・妄想と併記するような粗雑な精神病理学はもう信用しないほうがいい。
この言葉を見たとたんに、わたしなら不信を抱く。
古いイディオムを反復するだけの人なのだと分かる。

幻覚は主に幻聴を指しているのであって、
幻視はアルコール症などの器質性病変を考えさせる。
他の幻覚はいずれにしてもマイナーであり、
幻聴がなんと言っても主である。

その幻聴は時間遅延理論の主なターゲットであり、
それはさせられ体験や離人症と同じ系列の症状に属する。


一方、妄想は、内的世界観と外部世界のズレの問題であり、
この系統のものとしては性格障害が典型的である。

ズレを検出しないか、検出しても、訂正しない脳の機能不全があることを示している。

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これくらい違う症状であるなのであるから、
幻覚と妄想を、陽性症状としてひとまとめにしている病理学は信頼性がないと考えている。

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陽性症状と陰性症状という意味については、
単純に「ないはずのものがある」と「あるはずのものがない」を言いかえたものと見る考え方と、

ジャクソニスムに従って、
脳の機能停止により、欠失した症状(陰性症状)と
脱抑制により突出した症状(陽性症状)とを区別する考え方がある。


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