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水なき空に波ぞたちける 紀貫之

さくら花ちりぬる風のなごりには水なき空に波ぞたちける(古今89)
紀貫之

きわめて理知的な技法によって耽美を極めた一首であり、古今集和歌の美の一極致をなす。

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あづさゆみ春の山べをこえくれば道もさりあへず花ぞ散りける(古今115)
紀貫之

春の山を越えて来ると、よけきれないほど道いっぱいに花が散り敷いているのだった。
志賀の山越えで、女性の集団に出逢い、贈ったという歌。相手は顔見知りの女官であろう。道で出くわした女たちを散り乱れる美しい花に喩え、挨拶としたものと思われる。

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春の野に若菜つまむと来こしものを散りかふ花に道はまどひぬ(古今116)

春の野に若菜を摘もうとやって来たのに、散り乱れる花に道は迷ってしまった。

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やどりして春の山べに寝たる夜は夢のうちにも花ぞ散りける(古今117)

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風吹けば方もさだめず散る花をいづ方へゆく春とかは見む(拾遺76)

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実に見事


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