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摂食障害系文献集2011-1-24

年末年始に集中して読んだ
今のところの印象としては

1.やはり疾病単位としては分解すべきだ。
この見解については長い論争がある。無食欲についても過食についても、それぞれに伴う排出行為についても、非常に典型的な経過をたどるものがあり、その範囲内ではやはり疾患単位として当然なのかと思うこともあるのだが、こうして、まとめて勉強してみると、やはり、解体されるべきだとの見解にたどりつく。

2.背景には強迫性障害を強く仮定するもの(たとえば下坂幸三。古いが、やはり、学ぶべき点が多くある)、対人恐怖の病理を仮定するもの(これは日本の伝統の蓄積があり、醜形恐怖とか肥満恐怖とかの切り口で考えると有益であることがある)、解離性障害を背景としてみるもの(これは日本ではやはり流行しない)、先天性異常を仮定するもの(これが思ったよりも多かった)などがあり、個人的には強迫性障害との関連を示唆する症例に多く遭遇していると感じている。これは場所柄でもあり、経済的条件も加わっていると思う。

3.松木邦裕「摂食障害というこころ」では食行動の異常ではなくその背景にあるものを読み取るべきであり、脳の病気ではなく心の病気であると積極的に定義している。すばらしい記述であるが、同時にそれが限界でもある。クラインやビオンの軽い導入になっている。

4.対人関係療法は最近の焦点である。水島広子著の本はどれもすばらしい説得力がある。しかし表面的にみると多少の矛盾のもないわけでもない。個人的な立場としては、摂食障害についても、うつ病と同様に、原因については態度保留、しかし実際の障害としては対人関係場面で現れるので、そこに対処していくことで人間を支えられるし、その延長で疾患に対しての援助も出来るという立場を支持する。つまり、対人関係障害によるストレスが原因ではないと積極的に言うのがよいと思う。しかし水島氏の著作では一部は対人関係の問題が根底にあり、コミュニケーション障害が「原因」で、摂食障害になるとの意見であると受け取ることが出来る部分もあり、混乱を招くのではないかと、個人的には思う。

4-2.対人関係療法は日本の対人恐怖症研究・臨床の土壌には馴染みやすいと思う。

5.切池信夫「摂食障害」は内科系のお医者さんにも納得しやすい著作だと思うが、たぶん、そのせいで平板であり限界がある。エビデンスに基づいて語るにはこうなる必要があるのだろう。しかしエビデンスによれば、言えることはただ、治りにくいということだけである。

6.より内科学的な切り口、たとえば血糖値がトリガーとなり脳内状態が遷移するなどの意見が少ないのは片手落ちだと思う。わたしはその意見を言ってみたい。

7.解離性障害、およびスプリッティングについては、やはりさらに掘り下げが必要だろうと思う。解離性障害が文化依存的な症状であることは論をまたない。その症状の発現のしかたが、当初は神経性無食欲症であったし、その後になって過食嘔吐が増大してきた歴史がある。また、アンビバレントの現代的な悩み方が過食嘔吐であるとの考えを提案してみたい。サイクロイドからスキゾイドまで摂食障害の背景になると考える。脳内状態により、アンビバレントとサイクロイドの往復をする症例があると思う。

8.性差は明白であるが徐々にその垣根も取り払われつつある。

9.クレペリン的な立場に立ち、経過により論じるとすれば、やはり強迫性障害の経過と似ている場合があると思う。また循環性に消長を反復するケースもある。シュープを反復して長期に崩壊するものもあり、崩壊から免れているものもある。免れる方法が摂食障害であるのかどうか、についても意見がある。とはいうものの、強迫性障害そのものがすでに解体再編されつつあり、躁うつ病についても統合失調症についても同様である。

10.いずれにしても『病理標本』がないのに病気が何かを決定するのは間違いであるという原則的な立場を採りたい。

11.その上で文化依存的な表面を考察したいのであるが、これも容易ではない。

12.最近の趨勢としては、病理の背景に発達障害を考える場合があり、重要である。しかし発達障害の概念自体が拡散しつつあり、輪郭は決定し難く、中核も手探りである。

13.アレキシサイミア、家族内力動、機能不全家族など、また境界性人格障害などの切り口があるのだが、あまり有効ではない。

14.経過で見れば強迫性障害に類似している。また、対人感覚の一面で見ると嗜癖者によく似ている。この類似を指摘されると納得せざるをえない。Alcohol嗜癖、薬物嗜癖、人間関係嗜癖など。隠蔽のためには平気で嘘を付いたりするのも似ているし、それを嘘とも思わないし、そのことがよくないことだともちっとも思っていないのも似ている。また、スプリッティングがどうしても気になる。さらにアレキシサイミア。アンヘドニアとか離人症も隣接している。

15.特有の思考法がある。これは一般化できないのだが、それぞれの人に特有の思考の癖があり、形を変えて何度も出現するので観察しているこちらが、なにか勘違いしているかと、当惑するくらいだ。

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神経性過食症(bulimia nervosa)の外来治療
牧野真理子
牧野クリニック
心身医学, 49(8) : 925-931, 2009.

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日本人の摂食障害姉妹発症例における生涯病型, 代償行動, ならびに体重の関連性の有無について
後藤直子*1, 小牧元*1, 安藤哲也*1, 伊澤敏*2, 石川俊男*3, 大隈和喜*4, 岡部憲二郎*5, 黒川順夫*6, 小西貴幸*7,
高宮靜男*8, 武井美智子*9, 傳田健三*10, 冨田和巳*11, 長井信篤*12, 長峯清英*13, 西園マーハ文*14,
本間一正*15, 町田英世*16
*1国立精神・神経センター精神保健研究所心身医学研究部, *2佐久総合病院心療内科, *3国立国際医療センター国府台病院心療内科,
*4湯布院厚生年金病院内科, *5天理よろず相談所病院心療内科, *6黒川内科・黒川心理研究所, *7市立旭川病院小児科,
*8西神戸医療センター神経科, *9武井内科クリニック, *10北海道大学大学院保健科学研究院生活機能学分野,
*11社団法人大阪総合医学・教育研究会附属こども心身医療研究所・診療所, *12医療法人司会野上病院, *13スザカ心療内科クリニック,
*14東京都精神医学総合研究所, *15富山赤十字病院小児科, *16医療法人まちだクリニック
心身医学, 49(5) : 373-381, 2009.

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12年来の過食症に対し, 絶食療法が著効した1例
石川元直, 樋口裕二, 柴山修, 佐貫一成, 佐藤亜貴子, 福島一成, 竹内俊明
藤枝市立総合病院心療内科
心身医学, 48(4) : 308-309, 2008.

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『行動制限を用いた認知行動療法』により発達障害の並存が明らかとなった神経性食思不振症の2例
岡山征史朗, 白石愛, 林たみ子, 深尾篤嗣
洛和会音羽病院心療内科
心身医学, 48(10) : 904-905, 2008.

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家族とのトラブルを繰り返す男性に対する認知行動療法
田中恒彦
徳島大学病院精神科・神経科
行動療法研究, 34(2) : 210, 2008.

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『行動制限を用いた認知行動療法』が症状の改善に有効であった転換性障害合併神経性食欲不振症遷延例
岡山征史朗, 藤井康子, 関口 敦, 間島富久子, 太田百合子, 川田まり, 苅部正巳, 石川俊男
国立精神・神経センター国府台病院心療内科
心身医学, 47(1) : 52, 2007.

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自己資源(リソース)の再発見と活用を通した摂食障害の治療の1例
石橋 玄, 湯川直紀, 奥村匡敏, 藤内真一, 今出 徹
国保日高総合病院精神神経科
心身医学, 47(2) : 136, 2007.

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統合失調症の前駆期にみられる摂食障害の諸特徴について
中村晃士, 沖野慎治, 石黒大輔, 小野和哉, 森 美加, 黄 菊坤, 中山和彦
東京慈恵会医科大精神医学講座
心身医学, 47(5) : 348-349, 2007.

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過食・嘔吐を繰り返す女性との治療過程
松本啓輔, 加藤正
あらたまクリニック
日本行動療法学会大会発表論文集, 33 : 372-373, 2007.

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摂食障害の人格傾向と臨床症状との相関‐ロールシャッハ・テストの結果から
佐藤晋爾1), 山口直美2), 太刀川弘和3), 小林純4), 朝田隆3)
1)筑波記念病院精神科, 2)子の花クリニック, 3)筑波大学臨床医学精神科, 4)茨城県立友部病院
臨床精神医学, 35(8) : 1127-1132, 2006.

→結局、多様な疾患の一つの表現型であるとしたら、共通点は表現経路だけである。何を測定しているのか、立ち止まって考えても良いと思われる。

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高次脳機能障害を伴い治療困難と思われた神経性食欲不振症(むちゃぐい・排出型)の1症例
前村和俊, 鷺山健一郎, 中村竹男, 村永鉄郎, 長井信篤, 成尾鉄朗
鹿児島大病院心身医療科
心身医学, 46(4) : 337, 2006.

→ときに高次脳機能障害と呼ぶべきような変化が見られる。脳波、知能検査、MRIなど検査する。
低栄養が原因となっているのか、最初に脳機能障害があり食行動異常となるのか、不明確である。
摂食障害では月経停止、骨粗鬆症などが起こるなど、体を巻き込む事態が発生しているので、脳に影響が及んでも不思議はない。
→高次脳機能障害がいつから発生しているかを考えることで、発達障害の関連にたどり着く。

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心身医学的治療を同時期に行った神経性過食症の姉妹例
長井信篤1), 佐藤祐美1), 村永鉄郎1), 増田彰則1), 中村竹男1), 前村和俊1), 鷺山健一郎1), 中原敏博2),
兒島真哉2), 安原大輔2), 成尾鉄朗2)
1)鹿児島大病院心身医療科, 2)鹿児島大大学院社会・行動医学講座
心身医学, 46(4) : 338, 2006.

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(JACT) うつ病に対する対人関係療法の効果研究 -研究プロトコール紹介-
小山康則1), 内田知宏2), 松本和紀3)
1)東北大学大学院医学系研究科精神神経学分野, 2)東北大学教育学部, 3)東北大学病院精神科
日本行動療法学会大会発表論文集, 35 : 165, 2009.

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“対人関係”に焦点を当てた摂食障害の集団療法の試み
水田一郎1), 植月マミ2), 鈴木朋子3), 渡辺洋一郎2)
1)神戸女学院大学心理・行動科学科, 2)渡辺クリニック, 3)甲子園大学
臨床精神医学, 37(2) : 205-214, 2008.

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対人関係療法(IPT)
水島広子
水島広子こころの健康クリニック(対人関係療法専門)
Modern Physician, 27(6) : 837-840, 2007.

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対人関係療法(IPT)
水島広子
精神療法 vol23-1 p25-p32 1997
→「感情表現を勧める」とのタイトルがあり、アレキシサイミアと関係付けていると思われる。
→感情表現を妨げている原因について考察している
→コミュニケーション・パターンを認識する
→重要な他者との関係を再考する

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共感と教育
水島広子
水島広子こころの健康クリニック(対人関係療法専門)
臨床精神医学, 36(11) : 1401-1405, 2007.

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慢性うつ病の精神療法CBASPの理論と技法
中野有美, 古川壽亮
名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学分野
医学のあゆみ, 219(13) : 1098-1102, 2006.

→技法としてこれからの成熟を待つ

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対人関係療法
水島広子
水島広子こころの健康クリニック(対人関係療法専門)
臨床精神医学, 35 : 461-465, 2006.

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日常的な診療で必要となる支持的精神療法を学ぶ
藤内栄太, 西村良二
福岡大学医学部精神医学教室
臨床精神医学, 34(12) : 1639-1644, 2005.

→基本的であるし示唆に富む

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慢性疼痛に対するマインドフルネス技能訓練の試み 患者・治療者にとって取り組みやすい簡易な訓練法の開発
有村達之1), 久保千春2)
1)九州大学大学院医学研究院, 2)九州大学病院
日本行動療法学会大会発表論文集, 34 : 386-387, 2008.

→マインドフルネスがどのように発展するのか、見守る。現状では受け取り方も一定していない。

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高度肥満難治症例の中から発見した解離性同一性障害(多重人格)の症例
岡崎順子1, 夏井耕之1,3, 宮脇尚志3, 松尾孝彦1,2, 村田雅弘1, 菅原照1,3, 中尾一和3
1大阪府済生会中津病院内科, 2つるはしクリニック, 3京都大医学研究科臨床病態医科学・第2内科
心身医学, 37(7) : 532-533, 1997.

→解離性障害との関連は一貫して私の関心の中心にある。

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7. 嗜癖としての摂食障害-アディクション・アプローチの試み-
溝部宏二
追手門学院大心理学部
心身医学, 50(5) : 409, 2010.

→このアプローチは特に大切。治癒像として、治癒や寛解が目標ではなく、生き方を変更することによるゴールという設定になる。食行動というプロセスしへきととらえ、アディクション・アプローチを行う。
→単行本「しへき問題と家族関係問題への専門的援助」で描かれている。行為が習慣化しプロセスが自動化する。注目されているのが仕事依存症である。これは社会的に肯定される行動しへきであるため、難治性である。
→一次しへきを否認するための二次しへきの要素がある。つまり、対人関係能力の欠損があり寂しさに基づく対人関係しへき、つまり一次しへきが生じるが、それを否認するために、否認や認知のゆがみが発生し、二次しへきに至る。摂食障害の一部は二次しへきと考えられる。
→対策としてはグループ療法があり、有力である。
→しかしながら、すべての摂食障害がこの説明で解釈できるわけではない。
→性格と一体となった根深いものという点でしへきは有力な視点である。脳内報酬回路の誤動作。

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中枢性摂食異常症 わが国の現状と問題点
鈴木(堀田)眞理
政策研究大学院大学保健管理センター, 東京女子医科大学内分泌疾患総合医療センター内科, 東京女子医科大学女性生涯健康センター内科
Pharma Medica, 27(10) : 53-56, 2009.

→身体と精神の交差点であることが問題である
また年齢から言って、性的成熟と関係している

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1. スポーツ医学における精神医学―摂食障害について―
上原徹
群馬大学大学院医学系研究科神経精神医学
日本臨床スポーツ医学会誌, 17(3) : 460-466, 2009.

→痩せないと得点が上がらない競技はたくさんあるようで、問題。
さらにたとえばクラシック・バレエでは、指導者が『無月経は当たり前、アスリートだから』と語る例もある。
→スポーツ医学では、無月経、骨粗鬆症、摂食障害をFemale athlete triad と呼んでいる。
→自己誘発性嘔吐は当然自明の行為であり、体重管理にむしろ必要な行動として認知されている。
→自分の身体に関しての判断ができない状態に至る。
→西洋文化を共有する多くの国で大きな問題となっている。生涯危険率0.2から4.2%。
→死亡率も精神疾患の中では最も高い。10%前後。
→女性アスリートの摂食障害発症危険率は一般人口の3倍。クリニックでの治療を始めるほどではない程度の嘔吐や下剤使用を含めるとアスリートの65%。
→オリンピック競技者では、痩身アスリートの9%がかつて摂食障害。
→男性アスリートでも摂食障害の増加。
→体操、新体操、フィギュアスケート、バレエ、チアリーディング、マラソン、ノルディック・スキー、柔道、レスリング、ボクシング、ボート、重量挙げ
→指導者は、無月経が最適パフォーマンスであり、体脂肪が少ないほうがパフォーマンスが上がると信じてきた
→競技に伴う不安が、身体イメージ不全感や過食につながるらしい
→患者さん用のパンフレットの見本が載っている
→完璧は、続けられないから、完璧である
→平凡を受け入れられないジレンマ
→禁欲と強迫性を持続するためには自己肯定感と周囲からの期待が大きな要素を占める。
→過度のハードトレーニングが嘔吐や下剤の代わりになる。過度の不安を過度のハードトレーニングで解消していることもある。




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神経性食欲不振症と神経性大食症のクリニカルパス(心療内科)
波夛伴和, 河合啓介, 高倉修, 森田千尋, 瀧井正人, 久保千春
九州大学医学部心療内科
臨床精神医学, 37(11) : 1449-1457, 2008.

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P2-42 女子大学生の否定的なボディイメージと自己志向的完全主義傾向が過食傾向に及ぼす影響
竹田真理子1), 金澤潤一郎1), 森伸幸2), 坂野雄二2)
北海道医療大学大学院心理科学研究科1), 北海道医療大学心理科学部2)
日本行動療法学会大会発表論文集, 34 : 326-327, 2008.

→ボディイメージについては最近はあまり強調されていない
→映像氾濫の時代になり、望ましいボディイメージについては変遷したと思う

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経過と予後
上原徹
群馬大学大学院医学系研究科 脳神経精神行動学
Modern Physician, 27(6) : 849-852, 2007.

→近年はむちゃ食い・排出型が増加している。またEDNOSが増加している。
→過食症の経過と予後に関しては、BNの7割が比較的良好であり、精神科む合併症がある場合には不良であるという報告がある。一方、BED(binge eating disorder:気晴らし食い)は比較的良好、しかしBNは持続しやすいとの報告もある。
→BNP排出型過食症の場合、精神障害が80%、大うつ58%、薬物使用障害36%、境界性人格障害9.5%、これは非常に高率である。
→multi-impulsivivityがあり、薬物依存やトラウマ障害を呈する。
→排出行動は嗜癖と考えられるが、食行動は結局毎日避けることができないため、困難がある。

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摂食障害-神経性大食症-
切池信夫
大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学
臨床精神医学, 35 : 173-178, 2006.

→切池先生がBNについて論じたもの。BNはむちゃ食いしてそのあとに嘔吐や下剤使用により排泄、体重は正常範囲内で変動し、過食後には無気力感、うつ、自己卑下を伴うことがある。しかし伴わないこともある。また、うつになったときに過食になることがあるので症状の順序は慎重に判断する必要がある。
→うつとBNの併存は46-63%と高率。うつからBNへ、逆にBNからうつへの両方が観察されている。
→強迫との併存は4-43%と高率。食べ物に関するものの他に確認強迫や清潔強迫がある。
→不安は、体重増加恐怖、肥満恐怖など、不安や恐怖が中核にあるとする観察も多い。GA,Panic,SADなどの併存も高率である。
→理論としては、このように、うつ、強迫、不安との高率の併存を説明できなければならない。しかし、脳が不全を起こしたときの共通経路としての症状がうつ、強迫、不安、過食などであると考えれば、理論上の説明必然性はなくなるのだが、当然、そのように考える人は少数であると思う。
→失感情症(アレキシサイミア)をしばしば認める。なぜか。
解説の一つとしては、『知性と情動の交流が遮断され、情動に対する気付きとその表現が失われた状態をいう。BN患者において、喜怒哀楽や心的葛藤を言語化できない、感情の気付きと表現が抑制されている失感情症をしばしば認める。』となる。しかしながら、知性と感情をこのように分離して考え、お互いの間に交流がないとかの考え方は多分に『神学的』である。知性の側が情動を言語化する訓練をすれば解決するのだろうか?と当然考えられる。しかしそれが最終的な治療であるとは提唱されていない。『昔話』『神話』の一つであったかと思われるが、どうだろうか?
→明らかに通常よりも速く大量に食物を摂取するのであるが、『自制できない感じ』を伴うとされる。しかし、『自制できない』
と感じることさえなく、『無我夢中』で過食の時間は過ぎるように思われる。自制できないと意識しつつの行動は強迫性であるが、それとは異なるように感じられる。
→夕食から就寝までの間に多い。一日暇な人ならばいつでも可能であるが、スケジュールとしては、やはり夜の時間になる。少数ではあるが、会社で、菓子パンなどをトイレに持ち込み、トイレで猛スピードで食事摂取して、その場で吐くというタイプの人もいる。そのときトイレの中で泣きながら食べている。
→過食の持続時間は平均で1.2時間。15分から8時間まで。
→頻度は平均で12回/週。
→内容としては炭水化物と脂肪分の多いデザートやスナック。
→チューイング(Chewing)では嚥下せずに噛むだけで吐き出す。
→問題行動として、経済的困難が生じて、万引きをしたりもする。経済的に困っていない場合でも万引きが認められる。万引き常習は、クレプトマニアと呼ばれる。ギリシャ語のクレプト(盗み)。盗む前には緊張が高まり、落ち着かなくなるが、盗みを行うと、快感が生じ、緊張から開放される。しかし、快感は長くは続かず、すぐ後悔し、罪の意識に悩む。ある女性が店に入ったところ、置いてあるブラウスをみて、急に落ち着かず、いてもたってもいられなくなる。そのブラウスは、彼女の好きな色でも、趣味でもなく、なおかつ、サイズもあわない。しかし、欲しさのあまり衝動的に、買い物袋にいれて盗みを働く。こうした衝動性とリンクしている場合がある。そらに衝動的な行動全般が観察され、それは人格障害の類型、たとえば、境界型人格障害につながる。
→下剤乱用は見られ、通常量よりも遙かに多く、下剤を200錠など用いる例がある。これは排泄を目的としたものではなくて、下剤を乱用すること自体が目的化して快楽化していると考えられる。また自己浣腸が習慣化している患者もいる。
→栄養不良、電解質バランス不良が起こりやすく、身体に、特に脳に不可逆の変化を生じている可能性がある。そのせいで慢性化しやすいし難治性となる可能性がある。
→活動性について、ANでは活動性亢進することが有名。逆にBNではうつに傾きやすいとの報告が多い。しかし実際の臨床では様々な例があり、一定しない。うつになれば過食もしなくなる例もある。
→リストカットは一般に多い。
→薬物による自殺企図も多いので三環系抗うつ剤については慎重投与が必要である。
→アルコール乱用を併存する患者も多い。特に日本の環境では多いと思う。
→万引きについてはある施設で、過食の30-40%との高い数字の報告がある。
→低カリウム血症では心臓停止する場合がある。
→浮腫はしばしば認められる。
→唾液腺腫脹が起こり、持続する場合がある。味覚低下が生じる場合があり、これがさらに過食の維持に加担している場合がある。
→過食であるかどうかは、食事量とかカロリーの問題ではなく、『途中で止められるかどうか』が決め手である。全部食べないとやめられないという人が多い。
→不適応思考の認知療法的改善が図られる
→患者・治療者の間の信頼関係を築き、『動機付け』の強化と維持を図る。
→強迫的傾向や嗜癖傾向を有しているので、そのつもりで長期に支える必要がある。
→挫折することは必然であるが、それでも、また、治療を始めることができる。その点では嗜癖、典型的にはアルコール嗜癖に似ている。
→NABA:日本アノレキシア(拒食症)・ブリミア(過食症)協会などが自助グループとしてある。有効か否かは患者による。
→対人関係療法が有効な例もある。認知療法、行動療法で、行動記録や食事記録をつける。家族療法が有効であるとする論者が多い。精神分析的には幼児期の体験に原因還元されるはずで、そうなると家族療法に行き着く。たしかに有効である場合が多いが、治療のメカニズムとしては、トラウマの改善とか、機能不全家族とか、そのような特定の名前のつくものでない例もあり、さまざまである。
→過食しそうになったときの代替行動法を心理教育する
→認知療法では自己認知の訂正が主要なテーマとなる
→慢性化しやすい。1997-2002の調査では、回復・部分回復が47-73%、不良が9-30%、致死率0.57-2.33%、死因としては、自殺、事故死、心不全、など。予後の悪い例は、長期慢性例、物質関連障害の合併、人格障害の合併などが言われている。
→こうして読んでみて思うのだが、これだけのデータが蓄積されるほどの、患者数の多い疾患に現実になってしまっているのだ。
→身体をコントロールする意味では嘔や下剤などで調整できる面もあるのだろうが、結局、骨の発達がよすぎて骨盤が愛されるには大きすぎた場合など、美容整形としてもどうしようもないレベルもある。その場合、自分を支配している規範とか理想がなぜ規範であり理想であるのか考える必要があるのだが、そのような思考を受け付けないので、病気として、身体を病んでいる面がある。

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3.神経性大食症の治療法の検討-大うつ病性障害を合併した1例の治療経過からの考察-
石堂考一, 藤原裕矢, 河合啓介, 野崎剛弘, 瀧井正人, 久保千春
九州大心療内科
心身医学, 46(4) : 333-334, 2006.

→一方で大うつ病との合併例あり、また統合失調症の初期症状と解釈されてものあり、さらには脳高次機能障害とか脳萎縮を指摘された例あり。

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摂食障害の疫学的解析と将来展望
中井義勝
鳥丸御池中井クリニック
Pharma Medica, 24(3) : 43-46, 2006.

→なぜ増え続けているのか、謎である。
→摂食障害は1980年から20年の間に約10倍に増加した。1992から1998では4倍増えている。
→1999年にAN:BNは6年前の3:1から55:45に変化していてBNの増加が著しい。理由については不明である。私見では、強迫性障害や性格障害が症状同一回路として『摂食障害』とくに『過食症』を持っているものと考えられる。
→ANは10-19歳、BNは20-29歳が多い、そして90%以上が女性である。近年では若年発症や結婚後の発症も増加している。このあたりは病理の推定をさらに困難なものにしている。
→発症後10年以上を経過した遷延例が15%と出ていて、決して例外ではないことが分かる。
→病気であることを否定したり、診療を拒否したりするのがANの特徴である。
→体重低下、便秘、無月経、低血圧、徐脈、低体温、うぶ毛密生、毛髪脱落、乳房萎縮、柑皮症はANに多い
→唾液腺腫脹、歯牙侵食、吐きダコはANBPとBPNで多い。
→歯牙侵食はインプラント後も侵食が続く。
→脳MRIなどで脳萎縮、WAISでは知能低下が観察されている。
→精神症状としては、強迫傾向、対人関係不良、過剰適応、抑鬱などが多い。これは従来の指摘と同様の報告である。
→肥満恐怖、痩せ希求、体型への異常意識がやはり従来同様に指摘されている。
→うつ、不安、強迫、人格障害は摂食障害発症後に多く出現していた。どうも摂食障害の『結果』であるらしい。
→最近のイギリスの報告(2005)では1988から2000までANの頻度は一定、しかしBNについては1996まで増加し、その後は減少していた。このことから、ANは遺伝的要因が強く、BNは環境要因が強いのではないかとの考えが提出されている。イギリスでは1997以降BNが減少しているのか、診断方法の変更や医療制度の変更などが関係しているか、検討が待たれる。
→最近の調査では、EDNOSが多くなっている。
→歴史を見ると、西欧では1870年代にANが登場した。日本では1960年ころである。その後1970年代からBNが注目されるようになった。否定形型や不全型が論じられEDNOSが論じられ、診断基準そのものの変遷もあった。
→現代人の食生活そのものが乱れている現状の中で、摂食障害とは何かが改めて問われており、診断基準の運用によってはEDNOSが過半数となり、EDNOSの一部はやはりANやBNに含めるのがよいと提案されたり、色々な動きがある。
→日本でのAN報告の歴史は50年になるが転帰調査は多くない。再発しやすい。しかし具体的な数字には乏しい。
→ANRは増加していない。増加しているのは「やせ礼賛とダイエットブーム」によるものと、「うつ、不安、人格障害などの精神科疾患併存例」である。
→西欧での病型変化を日本も時間差を持ってなぞっている。これは主に「下部構造」のゆえなのか「上部構造」のゆえなのか、議論がある。時差をどのように説明できるのか。症例の一部分は欧米留学時に発症しているので、そのような例では、時間差なく発生していると考えるべきなのか。
→日本食そのものがダイエット食なのであるから、文化の差は明らかにある。

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セロトニンニューロン系と摂食障害
野々垣勝則, 齋藤佐知子
東北大学大学院医学系研究科COE・分子代謝病態学分野
Pharma Medica, 24(3) : 47-53, 2006.

→この分野はレプチンとかセロトニン、ドパミン、グルタミン酸など様々な切り口があり、一定の見解はない。英文の詳細な論文がある。http://www.radcliffe-oxford.com/books/samplechapter/2447/01_Wonderlich2008_D1-15d05720rdz.pdf

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15.摂食障害
水田一郎1), 井上洋一2)
1)神戸女学院大学人間科学部心理・行動科学科精神医学研究室, 2)大阪大学健康体育部カウンセリング学部門
臨床精神医学, 33 : 324-341, 2004.

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摂食障害と知的機能
西澤章弘1), 井原裕1), 稲葉裕2), 新井平伊1)
1)順天堂大学医学部精神医学教室, 2)順天堂大学医学部衛生学教室
臨床精神医学, 33(1) : 77-87, 2004.

→摂食障害の場合に残遺状態を呈する場合がある
→1980年代から摂食障害の認知機能異常が報告されている。神経性無食欲症だけではなく過食症においても同様。
→WAIS-Rでいくつかの特徴

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摂食障害の心理特性に関する検討
山口利昌1), 守口善也1), 志村翠2), 大場眞理子3), 棚橋徳成4), 大川昭宏1)
1)国立精神・神経センター国府台病院心療内科, 2)国立精神・神経センター精神保健研究所心身医学研究部,
3)福島県立医科大学神経精神医学講座, 4)九州大学大学院医学研究院心身医学
臨床精神医学, 33(7) : 931-938, 2004.

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「精神科外来における摂食障害に関する臨床研究」研究報告書
紫藤昌彦1)2), 大塚明彦1)3), 松下昌1)4)
1)日本外来臨床精神医学会, 2)紫藤クリニック, 3)大塚クリニック, 4)西落合診療所, 4)帝京大学
日本外来臨床精神医学, 2(1) : 92-93, 2004.

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摂食障害の遺伝子研究
篠原学
山梨大学大学院医学工学総合研究部精神神経医学
分子精神医学, 3(3) : 191-195, 2003.

→遺伝子がやっぱり関わっていそうという報告
→むちゃ食い+排出型のあるタイプにはSSRIが有効であり、その説明しとして、セロトニン系の振る舞いがかんけいしているはずということになり、セロトニン系の遺伝子が調べられている。
→問題は、症状として何を拾い上げるのかという点にある。摂食障害の下位分類が妥当であるか、食行動の特性分類が妥当であるか、問題になる。
→痩身願望と強迫観念がある領域でシグナルとして検出できている。
→BNとBPDの合併については、特に遺伝子との関連が言われている。
→摂食を減少させるものとして、5-HT,DA,CRH,Estrogen,Leptin,MSH,POMC
→食欲を増加させるものとして、AGRP,Galanin,NPY,Orexin
→Melanocortin 4 receptor が関係しているとの報告
→Estrogenに関しては、EDの発症ピークが思春期であることにより、大いに疑われているのだが、多少の報告はあるものの、多分、患者群、症状群の分類のがまずいのではないかとの疑いがある。

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さまざまなセロトニン関連疾患について-強迫性障害,月経前不快気分障害,強迫買い物症を中心に-
大坪天平
昭和大学医学部精神医学
分子精神医学, 2(3) : 284-286, 2002.

→強迫性障害,月経前不快気分障害,強迫買い物症、さらに過食の症例は実際に経験していて、その場合に、セロトニンは余り効果的ではなかった。

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長期にわたる過食と嘔吐がfluvoxamineにより消失した中年男性の1症例
住谷さつき, 谷口隆英, 大森哲郎
徳島大学医学部神経精神医学教室
臨床精神医学, 31(3) : 307-312, 2002.

→フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、さらには他のSSRIとSNRIで効果があったとの報告があるが、どのような場合にどれが効いたのか、効果予測できる段階ではない。

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11.摂食障害における病型変化の時代的変遷について
中井義勝
京都大医療技術短期大学部
心身医学, 42(6) : 397, 2002.

→中井先生はこの話題で何度も書いている専門家。

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2.システムズアプローチによる神経性大食症の治療の1症例
森田千尋, 早川洋, 久保千春
九州大心療内科
心身医学, 42(8) : 535, 2002.

→システムズ・アプローチは家族療法のようなもの。

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摂食障害の臨床像についての全国調査
中井義勝*1, 久保木富房*2, 野添新一*3, 藤田利治*4, 久保千春*5, 吉政康直*6, 稲葉裕*7, 中尾一和*8
*1京都大学医療技術短期大学部, *2東京大学医学部心療内科, *3鹿児島大学医学部心身医療科, *4国立公衆衛生院疫学部,
*5九州大学医学部心療内科, *6国立循環器病センター動脈硬化代謝部, *7順天堂大学医学部衛生学,
*8京都大学大学院医学研究科臨床病態医科学
心身医学, 42(11) : 729-737, 2002.

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摂食障害の時代的変遷
中井義勝
京都大医療技術短期大学部
心身医学, 42(11) : 753, 2002.

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摂食障害
中井義勝*
*京都大学医療技術短期大学部
診断と治療, 89(5) : 772-776, 2001.

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中枢性摂食異常症 わが国の現状と問題点
鈴木(堀田)眞理
政策研究大学院大学保健管理センター, 東京女子医科大学内分泌疾患総合医療センター内科, 東京女子医科大学女性生涯健康センター内科
Pharma Medica, 27(10) : 53-56, 2009.

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18. 12年来の過食症に対し, 絶食療法が著効した1例
石川元直, 樋口裕二, 柴山修, 佐貫一成, 佐藤亜貴子, 福島一成, 竹内俊明
藤枝市立総合病院心療内科
心身医学, 48(4) : 308-309, 2008.

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34. 強迫性障害(OCD)を合併した神経性食欲不振症(AN)の1遷延例
辻裕美1, 権藤元治1, 山田祐1, 森田千尋1, 河合啓介1, 瀧井正人1, 久保千春1, 乾明夫2
九州大病院心療内科1, 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科行動医学分野2
心身医学, 48(9) : 822-823, 2008.

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6. 初診時の面接指導1回で過食嘔吐が消失した摂食障害の1例
大隈和喜1, 乾明夫2
湯布院厚生年金病院内科1, 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科行動医学分野2
心身医学, 48(9) : 823, 2008.

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22. 『行動制限を用いた認知行動療法』により発達障害の並存が明らかとなった神経性食思不振症の2例
岡山征史朗, 白石愛, 林たみ子, 深尾篤嗣
洛和会音羽病院心療内科
心身医学, 48(10) : 904-905, 2008.

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11.『行動制限を用いた認知行動療法』が症状の改善に有効であった転換性障害合併神経性食欲不振症遷延例
岡山征史朗, 藤井康子, 関口 敦, 間島富久子, 太田百合子, 川田まり, 苅部正巳, 石川俊男
国立精神・神経センター国府台病院心療内科
心身医学, 47(1) : 52, 2007.

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I-4.統合失調症の前駆期にみられる摂食障害の諸特徴について
中村晃士, 沖野慎治, 石黒大輔, 小野和哉, 森 美加, 黄 菊坤, 中山和彦
東京慈恵会医科大精神医学講座
心身医学, 47(5) : 348-349, 2007.

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14.強制退院となったあとも治療関係を継続できた摂食障害の1例
和田教義1, 岡山征史朗1, 奥見裕邦1, 深尾篤嗣1, 黒川順夫2, 中井吉英3
洛和会音羽病院心療内科1, 黒川内科2, 関西医科大心療内科学講座3
心身医学, 47(7) : 664, 2007.

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摂食障害の病態進展と治療:最近の話題
大隈和喜
湯布院厚生年金病院内科
Pharma Medica, 24(3) : 55-58, 2006.

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26. ひきこもりから逸脱行動へと変化した青年期摂食障害男性例の入院治療-SSRIと否定的同一性選択の治療的役割について-
柴田敬祐1, 岸本智数2, 和田良久1, 山下達久3, 福居顯二1
京都府立医科大大学院精神機能病態学1, 大阪府済生会吹田病院精神・神経科2, 舞鶴医療センター臨床研究部3
心身医学, 46(3) : 251, 2006.

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【シンポジウム1】2.摂食障害:生物学的背景
成尾鉄朗1), 前村和俊1), 兒島真哉1), 中原敏博1), 安原大輔1), 村永鉄郎1), 中別府良昭2), 中條政敬2)
1)鹿児島大大学院社会・行動医学講座, 2)鹿児島大大学院放射線治療学講座
心身医学, 46(4) : 329-330, 2006.

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13.高次脳機能障害を伴い治療困難と思われた神経性食欲不振症(むちゃぐい・排出型)の1症例
前村和俊, 鷺山健一郎, 中村竹男, 村永鉄郎, 長井信篤, 成尾鉄朗
鹿児島大病院心身医療科
心身医学, 46(4) : 337, 2006.

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35. 精神科閉鎖病棟への数日間の入院が行動化の著明な改善の契機となった神経性食欲不振症(むちゃ食い/排出型)の1例
原健, 阪中明人, 松林直
福岡徳洲会病院心療内科
心身医学, 46(5) : 396-397, 2006.

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36. 炭酸リチウムと塩酸パロキセチンを主体とする薬物療法と母親の協力のもと一定量の食事摂取を図ったことが有効であったと考えられる一摂食障害患者の治療例
安田弘之
やすだクリニック心療内科
心身医学, 46(5) : 397, 2006.

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6.離婚を契機に症状の改善をみせた2例
流王雄太, 太田順一郎, 山田了士, 黒田重利
岡山大大学院精神神経病態学教室
心身医学, 45(1) : 68, 2005.

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摂食障害の経過と予後
西園マーハ文
東京都精神医学総合研究所児童思春期研究部門
脳21, 7(4) : 425-428, 2004.

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19.衝動コントロールが困難であった神経性食欲不振症の1例
加藤直子1, 山岡昌之2, 一條智康2, 森下 勇1
九段坂病院心理1, 九段坂病院心療内科2
心身医学, 44(8) : 614-615, 2004.

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消化性潰瘍と円形脱毛症が共有され,一方にBulimia nervosaがみられた青年期双生児例 ―同胞間葛藤とAlexithymia再考―
佐野信也1), 宮原明美2), 山本泰輔1), 菊地秀明1), 中山道規3), 野村総一郎1)
1)防衛医科大学校精神科, 2)青山渋谷メディカルクリニック, 3)中山クリニック
臨床精神医学, 32(11) : 1401-1409, 2003.

→この論文はアレキシサイミアについて考察した貴重なもの。Bazinのstate-alexithymiaとtrait-alexithymiaとを対比させるというあまり有名ではない話。確かに患者さんたちの中にアレキシサイミアの傾向は見て取れるように思う。心身症とアレキシサイミアは1973年Sifneosの論文で述べられていて、結構古株の論議で、最近は全然流行ではない。しかし現在も無視できない。Sifneos,Nemiah、Freyberger,Bazinなどの名前が挙がり、trait-alexithymiaをプライマリー・アレキシサイミアとし、state-alexithymiaをセコンダリー・アレキシサイミアとして、それぞれ遺伝性・持続性と、外傷性・一過性・反応性と分類している。
→Corcosがtrait-alexithymia、プライマリー・アレキシサイミア、遺伝性、持続性のものは、心身症と関連し、種々のしへき行動とも関連性が高いと論じている。Corcosはプライマリー・アレキシサイミアがある人は、無症状から依存・しへきを経由して心身症に至ると書いているようで、なぜそんなことが言えるのか、私には分からない。
→葛藤を論理とか行動で処理するとアレキシサイミアだとかいうのは極端すぎる。葛藤の象徴化の障害とか言われるわけだが、そのことと疾病がどうつながっているか、不明。
→感情をぶつけ合えば偉いわけでもないが、隠していてもいいわけでもない
→結局家族内葛藤に還元されるいつもの議論
→心身症としては消化性潰瘍と円形脱毛症なんですが、さて、それは心身症なのかどうか。
→双生児例ということで価値がある。しかしアレキシサイミアの論点は深まりを欠く。といっても、どうしたらいいのか分からないが。

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摂食障害の1姉妹例―家族内の力動的観点から―
大中俊宏, 大林正博, 井出雅弘
自治医大附属大宮医療センター総合医学I心療内科
心身医学, 43(3) : 207, 2003.

→結局家族内力動を語るわけだ。しかし結局治ったかどうかは長期経過を見なければならない。長期経過はやはり楽観できない。

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69.戦略的エリクソニアンアプローチが有効であった境界例を伴う摂食障害の1例
松原慎*1, *2, 西方宏昭*2, 玉川恵一*2, 河合啓介*2, 野崎剛弘*2, 瀧井正人*2, 久保千春*2
*1南福岡病院心療内科, *2九州大心療内科
心身医学, 43(9) : 630, 2003.

→従来、衝動性コントロールなどの点で境界型人格障害との合併、異同が論じられた。最近は境界型の症例は多くないように感じ、これもまた文化依存的な論じ方であったのかと思わざるを得ない。

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26.拒食と過食を頻回に繰り返す摂食障害の1例-喪の作業の遷延化
坂梨小枝子*1, *2, 安東龍雄*2, 忠井俊明*1
*1立命館大応用入間科学研究科, *2安東医院
心身医学, 43(11) : 791, 2003.

→経過としては循環性障害を考えさせられる

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心身症外来プライマリ・ケアにおけるナラティブ・アプローチ
斎藤清二
富山大学保健管理センター教授
綜合臨牀, 51(5) : 1067-1070, 2002.

→ナラティブ・アプローチは実践としては大いに学ぶべき点がある。しかし論文としては、なんとも形になりにくい。

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パロキセチンが奏効したと思われる過食症の1例
室谷民雄
名古屋第二赤十字病院精神科
Pharma Medica, 20(10) : 91-94, 2002.
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長期にわたる過食と嘔吐がfluvoxamineにより消失した中年男性の1症例
住谷さつき, 谷口隆英, 大森哲郎
徳島大学医学部神経精神医学教室
臨床精神医学, 31(3) : 307-312, 2002.

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ボクシングの減量計画を自ら試みた神経性食欲不振症の男性例-チャンピオンへの同一化にみられた男性性の確立不全について-
山下達久1), 有井一朗2), 名越泰秀3), 岡本明子4), 加嶋晶子4), 和田良久4)
1)国立舞鶴病院臨床研究部, 2)社会保険神戸中央病院精神科, 3)京都第一赤十字病院精神科, 4)京都府立医科大学精神医学教室
臨床精神医学, 31(11) : 1351-1357, 2002.

→これは症例報告としては顕著な特徴がある。

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森田療法的外来指導が有効であった神経性過食症の1例
林吉夫, 斉藤麻里子, 村手恵子, 荒木靖子, 平林由香
林内科クリニック
心身医学, 42(2) : 144-145, 2002.

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15.摂食障害女性への内観療法-心理的変化を中心として-
中尾弘志1, 堀井茂男1, 壼内昌子1, 久郷亜希1, 元木郁代1, 佐藤創一郎1, 石津秀樹1, 黒田重利2
慈圭病院1, 岡山大精神神経科2
心身医学, 42(9) : 625, 2002.

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食行動と嗜癖
横田直美
阪神漢方研究所附属クリニック
PROGRESS IN MEDICINE, 21(2) : 438-439, 2001.

→食行動の異常を明確に嗜癖と定義して話を進める人は多くはないのだが説得力がある。この人も。
→体型と食行動の内実は一致しない。従って、普通程度の体型なので、食行動の異常を発見出来ないままで見逃すことがある。自分で申告しない限りは見つからないことがある。
→受診動機としては不定愁訴であることが多い。典型的な拒食症例は減少しており、マイルドな過食・嘔吐が増加している。
→仕事で活躍していて出産もして子育てをしている人もいる。ますます発見しにくくなっている。10~40と年齢分布も広くなっている。
→患者は、医者に相談すべき病気だと思い至らずに、エステ、健康器具、健康食品、無責任な指導をするある種の人たち、美容整形などに多額の出費をしている人も多い。食行動以上がマーケットとして大きくなっており、同時に体型を気にするように誘導するビジネスが成立していると考えられる。この点では、男性をも巻き込んでの「洗脳」プロセスが進行しているのだろう。「痩せビジネス」「ダイエット産業」と言える。低成長で仕事がなくなりつつある現状の中で、「痩せビジネス」は宣伝を維持すれば需要を喚起できる業界のようだ。女性雑誌の後半部の何ページかは、そのような産業関係者が総出演しているようである。
→日本の現代少女たちの思春期環境が問題である。大人の女性のモデルを描きにくい。ファッションモデルやタレントが登場して、少女たちを洗脳するのであるが、それは大人の女の生き方ではなくて、どの商品を買えばいいかだけである。商品カタログでしかない。生き方を学ぶ場所がない。それが現代日本少女の不幸である。
→母親が少女のモデルになっていない。お手本にならず、むしろ、否定的な材料になる。
→学力の高い女子は男子以上の能力を発揮する。専門職を目指し、医師、薬剤師、法律家、会計士、などの免許のある仕事を目指し、親も娘を応援する。結婚した後で、夫の理解があるので仕事が可能なのではなくて、経済的に不足があるので、妻は否応なしに働かなくてはならないことになる。特に現代の消費社会を享受するためには妻も働く必要がある。ただ、その中で、妻も社会の中で認められるというおまけは付く。今後はお年寄りも、働こうという運動が広がるだろう。70さいまで、あるいは75歳まで働こうと宣伝される。その際のメリットの提示は、妻が社会進出した時と同じ文言となるだろう。
→女子の学歴競争は昔は限られたものであったが、今後、お嬢さん学校の条件は進学校になるだろう。
→学力で選別される環境が激しくなる一方で、さらに細く、身長は高く、手足が長く、胸は大きく、恋愛に積極的で、性愛を厭わず、そのような女性がもてはやされる。それはまさにおじさんの好みである。会社にいる、セックス可能な、部下。それはそれでつらいのであるが、そのポジションをつかめるのは一部のみである。それ以外の女性は自分の自己愛を保護するために、独自の島宇宙を作り出し、そこに一時的に引きこもる。同人誌、やおい、コミケ、おんなオタクの世界。ネット社会は格好の培地である。そしてダイエットという島宇宙も何のとりえもない少女たちの心を引きつけてやまない。
→摂食障害は食行動の嗜癖である。ボディイメージの歪みや特有の思考パターンが指摘されるのであるが、結局のところ嗜癖と考えれば最も理解しやすい。
→少女たちは自信がないので「食事を制限して痩せた」という体験は自己否定傾向から自分を救い出してくれる心の安らぎであり、ファンタジーである。痩せると他人は賞賛してくれるし自分でも達成感が嬉しい。その延長で脳は低栄養状態が持続する。さらに腸管は萎縮し、内臓系の自立神経失調症が現れる。このことがさらに摂食障害を固定化する。ある時点で拒食から過食への転換が生じる。嘔吐や下剤乱用により体重を維持するので一見普通の定形を維持する。
→拒食症では、冷え、腹満、便秘が三大症状である。これが受診動機となる。ついで無月経、脱毛、むくみが多い。
→医療機関にかかりたくない彼女らが内科女性漢方医を求めて受診する。したがって、ファーストコンタクトの役割は大きい。

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薬物療法の可能性
切池信夫
大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学
臨床精神医学, 37(11) : 1465-1470, 2008.

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精神医学の臨床現場で見る成人の発達障害
牛島定信
臨床精神医学,39(9):1239-1243,2010
→衣笠の言う「重ね着症候群」が典型的な例
→プレコックス・ゲフュールに対して「発達障害ゲフュール」と表現して独特の感じに対しての注意を喚起している
→精神症状の背景にある発達障害の特性
→状況反応型の病態であると注意を喚起
→ミンコフスキーがシゾイドとしているものとの違い。シゾイドは過敏と鈍感の2因子により規定された自閉。成人発達障害はコミュニケーションの不器用さによるもの。過敏さがない。
→自己表現の拙劣さ、コミュニケーション技術の幼稚さ、社会性の未発達は現代の若者の特徴とさえなっている
→こうした「自己表現の拙劣さ、コミュニケーション技術の幼稚さ、社会性の未発達」は、アレキシサイミアと通じる面があるのではないかと思う。
→うまくいかない原因を指摘してうまくいくようになるものでもない。対応の仕方にコツがありそうである。
→摂食障害の背景にこうした発達障害の背景を読み取ることができる例もある







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