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直感と合理性

通俗的な理解では、
直感は、合理性に反し、かつ、合理性を超えるものだとされることがある。

しかしそんなことはない。
まず直感にいろいろな種類がある。
簡単に言えば、正しい直感と間違った直感がある。

正しい直感とは、合理的な思考と結果が一致しているもののことである。

従って、合理的判断とは、ひとつひとつ合理的判断を積み上げてゆくことであり、
正しい直感とは、すこし途中段階を多少スキップしながら、それでも、結果としては合理的な判断というわけである。
だとすれば、正しい直感は実に有用である。

ただ、正しくない直感に頼る多数者が存在することも事実で、
それゆえ、世界は混乱している。

わたしは正しい直感を擁護したい。

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拘束は誰のために必要なのか

千葉県の老齢者介護施設で
虐待の疑いという。
拘束したり、「おり」のようなものを使った疑いとのことで、
拘束については一部認めている。
さらに職員がテレビインタビューに応じ、
(正確ではないが、概ねを言うと)
「これを虐待といって非難されるなら私たちはどうしていいか分からない」
といった意味の、報道に対する抗議を述べていたようだ。

こういった場合、二つの側面がある。

1.
あってはならない事態が起こっていた可能性。
代替方法があるのに、職員・施設の都合で勝手に「拘束・監禁」の方法がとられた可能性。
これは許されないことである。

2.
代替方法はなく、やむを得ない場合。真実やむを得ない場合であれば、それは社会として受け入れなければならない。家族も理解しなければならない。

これについては、そのような、「やむをえない」という場合はないのであって、
どんな場合でも、職員を増員しつつ対応に工夫を重ねることで対処できるはずであるとの考え方がある。
特に家族の感情としては、非人間的「虐待」など、許せるはずがない。

また一方、ケースによっては、そのような緊急処置が必要な場合があるのであって、特に他の多数の入所者のにも配慮した場合、適切な妥協点があるはずであるとの考え方もある。

厳格に「非人間的処遇」は間違いだと言い切ることはたやすい。
施設としても、そのような対処困難なケースを引き受けなければよいだけである。
あるいは、家族を呼び出して、付きっきりにさせて、対処する仕方もある。
それが果たして「施設側の防衛的対処」なのか、「人権に配慮した処遇」なのか、判断が難しい面もある。

もし、施設を改善し、職員の質と量を高めることで対処できるなら、それは一面では行政の問題でもある。
充分な報酬を保証しないで、施設と職員の確保を指導することはできないはずである。

一部経営者によれば、
処遇困難な入所者にたいして、薬剤大量投与、拘束、監禁をしてはならないので、「公的機関」を用意して、一定以上の介護を要するケースは、公的機関で面倒みて欲しいとの、強い要望が繰り返し出されている。
つまり、世間から疑わしくみられ、しかも、お金もかかり、しかも、
他の利用者を不安にさせるようなケースは、扱いたくないと言うわけである。

今回の告発も、元職員によるというもので、
内部告発である。

以上、多彩な論点があることを踏まえて議論が深まればよいと思う。
千葉県知事のコメントは、まったく表面的なもので、
事態を理解していない市民に対して、一時的に取り繕うだけの発言である。
行政の長として、軽い気持ちで非難するなら、本腰を入れて考えてみてくださいと、言いたい。
解決は簡単ではないはずである。

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映画「いちげんさん」

京都の景色、日本の風光が美しい。
こんなにも「美しい国」に住んでいたのか。

目の不自由な女性という設定で、
聴覚や触覚、さらには言葉の表現まで、
あれこれと考えさせられる。
雨が葉に当たる情景。
これを目で見ないでどう感覚しているのか。
さらに男性はスイス人であるから、
なおさら日本語表現について考えさせられる。
画面に映っていること、人物が体験していることを、
日本語でどう表現したらよいのか、
スイス人男性の気分で考えさせられる。
面白かった。

雨の描写がすばらしい。
考えてみれば、雨は、あたり一帯をぬらしてしまうのだ。
表面という表面を洗い流してしまうのだ。

また、雨が降る一瞬手前の、水分で飽和した空気も好きだ。

映画の中の場面を、
原作の文章ではどんなふうな言葉で語っているのだろうと、
興味がわく。
そうしてみれば、映画の情報量は大きい。
しかし一面でもどかしい。
この輝く一瞬を、言葉で「仕留めたい」と思う。

雪の降る夜、銭湯に行くのは、いま考えると少し億劫だが、
当時は億劫とも考えなかった。若かったんだな。
そして雪の中を銭湯から帰る。
帰ったんだ。

中田喜子さんはカザルスホールで見かけたことがある。小柄な人だ。きれいだった。

外国人が疎外を感じる様子がよく描かれていると思う。

安部公房「砂の女」を朗読していた。
再読してみようと思った。何年ぶりになるだろうか。



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大相撲名勝負

昨日深夜、テレビでデーモン木暮が解説、
大相撲名勝負。

まず、大相撲の歴史において、花田家の貢献を褒め称えた。
そして先代貴乃(の、かもしれない、ときどき変えたようだ)花と輪島の、
大関昇進直前の場所の、千秋楽、7分以上にわたる、
水入りの熱戦を紹介していた。
外国人大型力士の全盛となる前の相撲であり、
筋力と技を最大限振り絞る、見るものを感動させる、一番である。
見ていて力が入ってしまった。
最近は、立ち合いがあって、一瞬で勝負が決まるような相撲が多いように思う。

プロ野球界を支えたのは長島親子。
大相撲を支えたのは花田一族。
そう考えると、政治の世界もそんなものかもしれない。
二世三世ばかりが多くて。
中には神奈川選出の、河野親子のように、親子で現役で、衆議院議員をやっている人達もいる。
殿様だね。

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