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ピンチで力が出る原理

カロリー制限で中高年の記憶力向上

【ワシントン=増満浩志】健康な中高年が摂取カロリーを制限すると、記憶力が向上するという実験結果を、独ミュンスター大学の研究チームが26日、米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

やせ過ぎていない50~79歳の男女49人を3グループに分け、19人にはカロリー摂取量をふだんより30%減らしてもらった。別の20人は認知症の予防に役立つという説のある不飽和脂肪酸の摂取をふだんより20%増量し、残る10人は従来の食生活を続けた。

実験前と3か月後に言葉を覚えるテストを行った結果、カロリーを抑えた19人の点数は約20%も上昇。他の2グループは成績に変化が見られなかった。カロリー制限によって、体内の血糖値を調整するインスリンが効きやすくなった人ほど、成績の伸びが著しかった。

(記事提供:読売新聞)

*****
こんなレポートはいつもネタになっていて、
人間の他にいろいろな動物でカロリー制限が長寿になったり
生殖率が上昇したり
作業能率が上昇したりなどあって、
理屈としても危機反応で分かりやすい。

企業が、業績を上げるために、職員を危機状態に置くことの理由にされなければいいがと思っている。



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グリーン、ホワイト、ブルー、グレイ

ホワイトカラー、ブルーカラーに対比させて、
グリーンカラーという言葉がある。
単なる言葉の綾、レトリックでしかないけれど、
新しい響きではある。

環境・エネルギー関係の未来型産業について、
政府主導で誘導すればいいというのだが、どうだろうか。

現状で石油100円のところ、太陽エネルギー1万円として、
政府が補助を9900円出せば釣り合うことになる。
9950円の補助が出るなら新エネルギーを選択することになる。

しかしこのタイプの誘導は行政単位にとどまる。
政策転換があると無駄になる。
国際競争力を維持できるかといわれると難しい。

規制も補助もグローバルな場合に意味がある。

本質的には新技術に投資して太陽エネルギーが100円で手に入るところまで技術開発を続ければ
あとは問題ない。
補助で下駄を履かせているわけではないので本質的な変革である。

それができるのか、怪しい。
それができなければ、人類の未来はないといわれるけれど、それも、怪しい。

軍事はグレイカラーと言ってもいいのかもしれない。
結局それが経済を調整するには役立つらしい。

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真理絶対主義と真理相対主義

真理絶対主義と真理相対主義

真理というのは人間がどう考えても考えなくても元々そのようにあって今もそのようにあってこれからもそのようであり続けるもの

人間の知性はそれにだんだん近づいていけるとするのが
真理絶対主義

人間の知性は真理には近づけないだろう
むしろ個々の文化の枠組みの中で、しかもそれぞれの発達段階の中で、
相対的にのみ真理であるというのが
相対主義

たとえば哲学科の先生も倫理学科の先生も
肺炎になると抗生剤の点滴を受けて
高血圧には降圧剤を飲み
そのようにして生きていながら
なんとなく科学に冷たいのはなぜなのか不思議である

科学というのは真理絶対主義
先日のノーベル賞でも理論屋と実験屋がいて
理論屋が理論を組み立てて実験屋がそれを実際に実験で検証して
それが確認されてからノーベル賞が与えられる
何が科学的理論に適格であるか、それが真実であることを確認するにはどのような手続きがあればよいかについては一応の了解事項があり
それに則って真実が積み上げられる
たまに間違うこともあるがそれにも理解できる理由があるのであって
人間は自分たちの理性を信じていいと感じられている(やや楽観的に)

科学は日々絶対主義の体系を築きつつある

その典型は大きなものでは天体力学とか小さなものでは素粒子論とかになるのだが
規模が桁外れになると人間の常識がなかなか通用しないので直感とは、ずれた感じになる
人間の直感がちょうどうまく当てはまるのがニュートン力学であり、
偉大な成功であり、なにしろ微分法という数学上の魔法のような操作が
現実世界の秘密と関係していたのであるから
もう興奮してしまう

わたしはこの興奮を高校生くらいを対象にして何度でも教え歩きたい気分である

実験できる領域では、いろいろな意見が出たところで、
考えを整理して、実験でこのような結果が出たらどれが正しいだろうというようなことになる

実験できない領域については
理論ということで留保がついている

最近の遺伝子研究のようなことは
いずれ誰かが見つけるにきまっているはずのものを
先陣争いをしているだけで特に知的な興奮はない

ただ特許の関係があるのでお金があるうちに特許を取ってしまおうとしているだけだ
先行者利益の確保である

真理絶対主義でいうと
先進文明と後進文明は絶対的真理への近さによって測定されることになる
そして時間がたてば理性を備えている限り
必ず絶対真理に近づくという考え方になる

物理学はそのような営みであって、
最終的には神なしで全世界をすべて説明したいと願っている

しかし神学の側では、物理学がすべてを説明したとしても、
神がそのような物理学を用意したのだといって、
神を物理学の上位に置く世界観を提示できるので
何も困らない
むしろ物理学がすべてを説明した時点で神学とほぼ対等に話ができるといった程度である。

ニュートンに代表されるような物理学的世界観の影響力は大きかった。
当然自由意志の存在は疑問が持たれ、
ひいては安易に無神論が言われたりした。
しかしもちろん実験的な裏付けがあるわけではなく、
無神論を言うに当たってもまだまだ神学的領域である。
無神論を神学的に言ったのでは説得性はない。

真理絶対主義では暗黙の内にヨーロッパ文明が先頭であることが前提とされ
キリスト教が先頭であることが前提とされるようだ

アメリカが民主主義と自由を普遍的真理だから全世界に広めるなどと公言しているのもこの流れである

プラトンのイデア論とか遠く離れてドイツ観念論なども、
人間の外に客観的絶対的真理があり、
人間はそれをどのように知ることができるか、どのようになったとき知ったと確信できるかなどについて議論された。
読んでも余りよく分からない議論は、結局できの悪い議論なのだと考えて差し支えない。
超越論的直感などというのであるが、結局、理性はそれが真実であることが「超越的直感によって分かる」というのであって、まともな議論ではない。
相手にしなくていいし、最近は誰も話題にしない。

そんな議論が分からなくてもよく生きられるし、
せっせと働いた方が幸せになれるからだ。

現実に医学が世界の貧しい子どもたちの命を救っていることは大切だと思う。
哲学も大切だとは思うが。

わたしの考えは真理絶対主義で人間は間違いながらも真実にだんだん近づいているのだろうと思う。

宗教などどちらが正しいのかという議論になる。頭のいい人たちは、宗教的真理相対主義をとっていて、富士山に登るのはどちらの口から上っても、頂上は一つだろうと説得する。
各宗教は、登り方が違えばそれは違うことなのであって、頂上が同じだからいいというものではないという。それはそうだ。
たとえば、悪の道を究めて善を悟る方法があるとして、それがいいこととも思わない。プロセスが悪い。

では各宗派で優劣を決めようという話にもなり、
昔空海が仏教とその頃の各流派を比較して論じた比較宗教学の始まりのようなものがある。

それは実験で決められないので、決着はつかないが、説明する理論はあって、マルクスにさかのぼる。
マルクスは、人間の考えというものは、人間が実際に存在する諸条件によって違うものなのだといい、それを下部構造が上部構造を規定するといった。

風土を書いた和辻哲郎とか風土がどのように人間の精神に影響しているかということで、一種の、下部構造を通して上部構造を理解する試みであると言える。

たとえばもキリスト教内部でも、ユダヤ教、原始キリスト教、カトリック、そしてその内部の変遷、異端派との戦い、プロテスタント、新宗教、等々、時代によってあらゆる動きがあった。
これをただ次第に進歩しているととらえれば新しいものほど真理に近いことになりそれは暴論に違いない。
「なぜそれらの宗教が起こり、廃れたか」を説明することができるので、それは、人間の暮らしがどのような条件にあったかを考えればいいというのである。マルクスは生産関係というような言葉を使うのだと思うが、人間がすぐ死んで祈るしかなかった時代、食べ物もなかった時代、食べ物はあったが殺し合う時代、伝染病が蔓延した時代、鉄器が成立、食料の保存、農耕の開始、貨幣経済の開始、奴隷制の開始、税金の仕組みの開始と変遷、荘園の成立、そのような下部構造の変化と精神構造の変化を関連づけて、主に下部構造の変化に応じて上部構造は変わるものなのだというのが史的唯物論なのだと、史的唯物論のきわめて一面を切り取ってもいいだろうと思う。
批判されているのは、そうだとすれば、生産関係というものは、第一次産業革命など、画期的な構造変化を遂げているわけで、精神構造はその後を追って変化するしかなく、実に無力で自律性のないものといわざるを得ないことになる。そして実際そのようだということになる。

アメリカがグローバルスタンダードだとか他人を高飛車にテロリストだと指定したりするのは、こういった視点が根底にある。あるいは、こういった視点を暗黙の内に利用している。

*****
こうした一連の大きな流れに逆らって出てきたのが相対主義的な考察である。
構造主義の人たちなどは世界の人々のいろいろな生活を調べると、単に発展段階としてくくるには無理なほどの、膨大な細部があるのであって、ヨーロッパ近代理性主義と拮抗して存在するに足るだけの中身があるのだと主張して、それは説得力もあり、何より、偉そうにしていたエスタブリッシュメントたちをやり込めるのに利用された。
簡単に言えば田舎の人たちに喜ばれた。ヨーロッパ近代理性主義は何しろ極端に自分中心主義なので、たとえば黄色人種が何か言っていても、オリエンタリズムであり、理性の範囲外の神秘主義なのであった。時間がたてば西欧に追いつくだろうと思われていただけだ。それが、ヨーロッパ近代理性主義に対してのプロテスタントとして、構造主義的な論調は利用され、日本人などもややそれの方が都合が良かったと見える。
もちろん、中央アカデミック論壇は良き伝統を続けていて、特に動じることもなく、それらの田舎ものの珍しがりを眺めているのだ。
地方がいいとか縄文時代がいいとか、田舎ものは酔っぱらっていうものである。中央穏健派は特に反対もせずにいわせておく感じだ。

これは簡単に言うと、世界観に優劣はなく、それぞれ独自でまとまりがあるものであって、それぞれにいいというものだ。たしかにうちのおばあちゃんは、あまり勉強をしなかったが、自分の世界観を整合的に過不足なくまとめ上げていた。なぜ生きてなぜ死んで死んだらどこに行くのかはっきり納得していた。むしろ我々の方が何も知らないのである。

ある特色ある原始的文明が、外部の文明と接触してどのように変化するのかも詳細に報告されている。おもに富の分配と性の統制が軸になっている。輸入品と女性を交換したりしてびっくりしている。

比喩的に言えば、文化は、球の表面を任意に分割する行為であり、どのように分割しても、あまり変わらないだろうというものである。

もう一歩比喩を進めると、事柄を脳のどの部分で処理するかは、文化によって任意であり、脳の処理能力がさして変わらない以上、機能をどのように分割してもさして代わり映えしないことになる。
ある方面で細かく考えている人たちは、別の方面では簡単に済ましておくしかない。脳の情報処理能力には限度があるから。



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親からもらったもの

親から不動産や株をもらって裕福に生きている人たちがいます。
嫉妬されますから、そんな人たちはあまり大きな声で言わない。
でも、私など、自分で稼ぐしかない人間にとって見れば、
夢のようなご身分である。
もちろん、中には可哀想な人もいる。
知恵にふさわしくない財産をもっていると、悪い人が寄ってくる。
そしてあっという間に不幸なことになる。
財産を失うだけならやり直しもできるが、
配偶者を失い、結局のところ健康を害した人もある。

ある弁護士さんはとても優秀、かつ、勤勉。
人柄も温厚、謙遜。言うことはない。
ここで考える。これはその人の苦労の賜物なのだろうか、
それとも、親からもらった物なのだろうか。
多分、親からもらった知性と感情が、現実の人生の中で鍛えられて、
こうなったには違いない。
これだって、不動産を相続したのと同じようなものだ。
あるいは、どうせ相続するなら、
知能と人柄の方がいいと誰でも考えるだろうか。

その人は、苦しんで自分を律して、その結果立派というのでもない。
ただ自然にその人らしくしていて、周囲の尊敬を集めている。
そんな人だ。

志を立てたとしても、誰でもそうなれるはずもない。
その人はやはり恵まれているのだ。
恵まれた人は自然と円満に幸せになる、ように思える。

だとすれば、結局、人生は途方もなく不平等だということになる。
こんなことでいいのだろうか。
これは私のひがみなのだろうか。

昔から哲学者は、すべてのことは帳尻が合うようにできているのだと説明する。
宗教者はなおさらだ。
そして現世で償いがつかないことについては、
あの世で神様が調整するのだとも言う。
そうであったらいいですな。是非。

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恵まれていることを頑張ったに置きかえちゃうと

頑張った、頑張らないもそれは重要だからモラルハザードは起こさないようにしなければいけないんですけど、恵まれている人が、恵まれていることを頑張ったに置きかえちゃうと非常に危険だと思うんですね。

たまたま自分はいろんな意味で運がよかったからいい思いをしてるのを、自分が頑張ったからだと勘違いすると、非常に冷たい社会になる。



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睡眠不足で肥満と糖尿

睡眠が5時間未満だと肥満リスクが高く、
寝不足でも寝過ぎでも糖尿病になりやすい。

睡眠時間が5時間未満だった人は5時間以上だった人よりも肥満発症リスクが1.36倍に、
高血糖発症のリスクが1.27倍に高まった。
肥満の人は睡眠時間が短くなりやすかった。

別のデータの分析では、
睡眠が6時間未満か8時間以上の場合、7―8時間睡眠の人より高血糖のリスクが最大4.96倍で、
女性では睡眠時間が短すぎても長すぎでも高脂血症になりやすかった。

*****
5時間を切ると、健康に本当に悪いらしい。

起きている時間が長いと、多分、あまり動き回ることはできず、
つまみ食いとかして、太る。
寝ないということ自体がストレスだから、
対抗しようとして、何か食べる。

精神病院に入院して、
いっそのことずっと寝ていれば、一時的にはやせることが知られている。
病院食のカロリーでは、
寝ているだけでもやせるということだろう。

今回は、寝すぎても、糖尿病、高脂血症のリスクが高まるとしている。
これは、入院しているわけではないので、
睡眠時間が長くても、日中はよく食べていて、
寝る分だけ、カロリー消費が少なくなるのだろう。

寝すぎてもだめ、寝不足でもだめというのは、
常識に合った結論で、受け入れやすい。
寝すぎだとカロリー消費が落ちて、
寝不足だとカロリー摂取が増えるらしい。

最近のサラリーマンさんは5時間は少ないが、6時間は多い。
7時間だと、ゆっくり寝ているほうだと思う。

*****
用があってコンビニに行ったのだが、ついでに一回りして、
私の欲しいものは何もないことに驚く。
みんなが欲しいものの最大公約数のはずなのに。



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耕し続ける 心も畑も

懸命に努力を続けない限りは
現状を維持することができず
ただ生きるためにも必死の努力が必要だった

それが人間の現実だった

物語文学にしても歌日記にしてもさらに軍記物にしても
ただ生きるための必死の努力とは
別の戯れ言が描かれていて
宮廷のお姫様の暇つぶしに使われたものだろう

現代はたぶん昔の宮廷のお姫様と同じくらい
退屈な日常なのだ

技術は圧倒的に進歩しているのに
コンテンツはずっと変わらない

これが人間の限界なのだろうと思う

こんなにもすばらしい技術があっても
報道されるのはくだらない詐欺事件なのだ

音楽教育は進歩した
すばらしい演奏家がいくらもいる
NHKの演歌の番組でバックでバイオリンを弾いている
これもおかしなことと思う

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ネットと自己愛のまとめ-3

ネット社会における脳の直列配列と並列配列

過労とうつ

ネットのいいところ悪いところ対策

匿名性と全能感 賞賛と匿名

もうネットなしでは生きられない人たち

マジな議論をする場所がない

インターネット依存症の存在する地域

MMORPRG:Massively Multiplayer Online Role Playing Game

ひきこもり群の細分化対応

自己愛の成長プロセス「高さ+安定性」

性格構造と最近のうつ

学校裏サイト

新時代の新対他配慮

ガラスのハート 親はどうする

キミが勉強する理由

自尊心の過剰と過少

信号のない情報ハイウェイ

ネット社会の実感

ソーシアリゼーション不全

サディストとナルシスト

中国のサッカー ナルシスティック・イレブン

心理的距離

リアルとバーチャルの境界

ネット空間における誇大感

挫折を体験している17歳が多い 人生を投げずに生きている

連帯と孤立と携帯

17歳の写真に写っている 自己愛

ウェブサーフィンは高齢者の脳に刺激を与える

信頼やお互い様

甘ったれの役立たず

ネットとの心理的距離

ネット社会と嘘とイマジネーション

ネットは是非、マスコミを反面教師としよう。

共感性

約二十人に一人が仮想空間を利用 でも実際は?

バーチャル世界は単純簡単早い

グーグルストリートビュー

対他配慮から自己防衛的配慮に?

星野さん ネット社会と小選挙区

中学生のメールの使い方

読書離れは実は中高年らしい

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米ファイザーがワイス買収 6兆円

米ファイザーがワイス買収 6兆円、製薬最大手固める 競争力強化で、業界再編も

2009年1月27日   提供:共同通信社

 

 

 

 【ニューヨーク26日共同】製薬業界で世界最大手の米ファイザーは26日、同業の米ワイスの買収で合意したと発表した。買収額は680億ドル(約6兆円)。両社の2007年の売上高を単純合計すると700億ドル規模に達し、最大手の地位を固める。

 世界的な景気後退の影響で、米国では安価な後発医薬品が増加、経営を圧迫されているファイザーは規模拡大で競争力を高め、巻き返しを図る。

 両社の統合でフランスのサノフィ・アベンティス、英グラクソ・スミスクライン、スイスのロシュなど欧州勢や日本の武田薬品工業などは規模の面で大きく水をあけられることになり、業界再編を促す可能性がある。

 統合手続きは年内に終える予定で、3年間で40億ドル規模のコスト削減効果を見込んでいる。両社の統合で、医薬品の米国での市場占有率(シェア)は12%、欧州では10%、日本では6%に達する。

 製薬業界では新薬の開発費が高騰する一方、医療費抑制に向けて医療機関などが後発薬を積極的に使用。短期間で投資を回収しつつ、コンスタントに新薬を投入していく必要が強まり、規模拡大が課題となっている。

 ファイザーは最近、大型新薬の投入がなく、先行きに懸念も指摘されていた。有望な新薬を多く抱えるワイスを取り込むメリットは大きいと判断したもようだ。

▽世界の製薬業界

 世界の製薬業界 米ファイザーは2007年の売上高が486億ドル(約4兆3000億円)。性的不能治療薬「バイアグラ」が有名で、医薬品売上高で世界最大手。ワイスは07年売上高が224億ドルで、リウマチ薬、抗がん剤などに強い。約150年前の南北戦争当時に開業した薬局が起源。医療品、日用品なども含む売上高では米ジョンソン・エンド・ジョンソンが世界首位だが、今回の統合でファイザーが上回る見通し。国内最大手の武田薬品工業の07年度売上高は1兆3748億円。

*****
さすが。



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私の生きる場所 私をはぐくむ場所

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単に大量の情報を消費しているこの生活は
やはり正しくないと思う

草に露が
なんてきれいなの

それでおしまい

情報に一瞬接して
生命に危険なものではないと判断し
また次のターゲットに向かう
貪欲というべきか
鈍感というべきか

刻々と捨てられる情報と性がパラレルなものとして私には見える

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あなたを独占する

嘘をつく人があなたで
嘘をつかれるのが私で
傷つくのが私だとしたら
それで私はうれしいのよ
あなたを独占できるのだもの

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わたしは保守主義者なのか?

朝日新聞で保守とは何かの記事で、
英国人スチュアート・ボール氏にインタビュー。
その中での言葉。

*****
保守主義にはキリスト教が説く「原罪」の考え方が深く関わっている。
人は善をなすよりも、はるかに悪に染まりやすい。
人間という存在のもろさ、甘い誘惑への弱さに対する冷徹な観察が、保守の根底にある。
理想主義的な改革者や左翼急進派の人たちは、人が善意に満ち、だれもが進歩できると考える。
保守主義者たちは、なるほどそれは素晴らしい考えだが、簡単に実現できないナイーブな夢想だと考える。現実世界に対する悲観的で懐疑的な見方だ。
人間の本性がすぐには変わらないのと同様、社会も緩やかにしか変化しないし、現在の秩序には合理性があるという考えが基本に置かれるようになる。
英国と異なり、米国の保守主義の根底には清教徒や原理主義的プロテスタントの、より厳格な伝統が横たわっている。

*****
なるほど。
人間は愚かで卑屈で信用できない。こういった否定的な感覚から出発すれば、保守的な考え方になるらしい。
わたしはこれに賛成。

そして、一見したところ、いかに矛盾に満ちていると見えようとも、「現在の秩序には合理性がある」はずだ、長い間の妥協の結果なのだと考えることができるはずだ、ということらしい。
わたしはこれにも賛成。

腐敗した世の中だと新聞は報道するが、それしか社会のありようはないのだと納得している。
腐る必要があって腐っているのだ。
無論、浄化の努力は必要である。しかし偶然腐っているのではないのだ。
そのような諦めにも似た達観が必要ではないか。

多分、いじればいじるほど、もっと悪くなる。

たとえば、ある制度や法律に関しても、制定の趣旨があり、制定までの経過があり、さらに運用の歴史があり、さまざまな注釈があり、そのようにして、一見したところ素人には分からないものになっており、それが素人には不合理で妥協的な産物に見え、ときには担当者の怠惰と映るらしい。
しかしそうではない。それは現実の知恵の積み重ねである。
理想的な人間にふさわしい理想的な制度を考えることはできるが、人間をどこまで信じたらいいものか、はかりかねるのだ。
まず暫定的にスタートしてみて、徐々に実績が積み重なり、理想と現実の妥協点はどこにあるかが了解されるようになる。

たとえば、コンピューターのソフトでさえ、そうだ。歴史を帯びてくれば、潜在的なバグは想定すべきであり、拡張した時に、そのバグが障害になることもあり、従って、他の経路を探さざるを得ないこともあり、そのような一時しのぎが、次の障害になる。根本的に新しい設計で挑むならいいのだけれど、なかなかそうはできない。やっとの事でつぎはぎして間に合わせている。間に合えばまだいい方で、冷や冷やである。

長い年月を生きて、人間同士のどうしようもないせめぎ合いに曝されれば、
理想主義は鈍らざるを得ない。

理想は、理念の中にしかなく、
現実は、妥協の産物である。

立派な人も中にはいる、という程度である。

というわけで、わたしはシニカルな保守主義者に分類されるだろう。
昔は確かに理想的進歩主義的人間であった。
共同体のために、人間の未来のために、汗することを厭わない人間だった。
しかし報われないままに時間は過ぎて、
人間の嫉妬や悪意に曝されて、
結果として挫けた。
そんな現状を「保守主義者」についての解説はよく説明してくれている。

***** *****
人間は信用するに値しない。信用するに値しない存在になってしまったことについても理由がある。

現実の矛盾にも腐敗にも理由がある。

この二点から出発するしかない。



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京浜ホテル廃業

街を一回りして帰ってきたら結構汗をかいていた。

事務所の近くの
京浜ホテルが廃業するらしく、
駅前で労働組合が解雇反対と訴えていた。

そういわれてみると
国道沿いに並んでいる飲食店が閉じている様子だった。

リーマンのことと関係しているような話を
車の屋根の上でユニオンの旗を立てて怒鳴っていた。

時は早い。
すでに来年のカレンダーを見かける。

新しいバイオをさわってきた。
どれもいい。思ったより速い。(2008-9-26)

*****
2008-10-23追記

(2008年10月20日)
 高輪の老舗宿泊施設「京品ホテル」(港区高輪4、TEL 03-3449-5711)が10月20日で廃業し、137年に及ぶ長い歴史に幕を閉じた。

 同ホテルは、1871年に旅館として開業。1930年、品川駅高輪口正面に現在のホテルを建築し、4階建てで総客室数は52室。宴会場、会議室、レストラン、居酒屋コーナーを完備。夏にはビアガーデンも行っていた。経営は京品実業(同)。

 廃業は2年半前から検討しており、今年の5月に同社の小林誠社長が10月20日の廃業と全員の解雇を告げた。廃業の理由は、建物が新しい耐震基準に耐えられないのと、高輪の都市計画区画に入ったこと。

 小林さんは「京品ホテルは、元々個人事業ではじめた旅館。後継者もおらず建て直しは困難と考え、今回廃業を決意した。従業員には退職金を40%アップし、その90%以上は再就職先が決まっている。品川の方々、利用者の方には長い間お世話になりました」と話す。

 売却先は、経営破たんした米証券大手リーマン・ブラザーズの日本法人子会社のサンライズファイナンス(2008年9月、民事再生法の適用を申請)。同ホテルの跡地利用については未公表。

*****
正しくは京品ホテルのようです。

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一階にレストランがいくつか入っています。
ホテルに宿泊する外人さん目当てのようで、
客単価は高いようです。
さが野は何度か食べました。少しだけ高め。
写真には写っていないもう少し横の並びに立ち食いそば屋も
あり、そこはかなり安くて、中国人が常連のようになっていました。
夜11時頃になっておしまいだよと断られて悔しがっている中国の人を何度も見かけました。
わたしはそのあとまた事務所に帰って残業をしていました。
ホテルそのものは覗いたことがないのですが、
何しろ、自動車でうるさいと思います。
とても古そうで。イメージで言うと、横浜グランドホテルとか箱根の富士やホテルとか、そんなイメージ。

端っこにはにぎり寿司の店があって、タイムサービスで一人千円。
そうはいっても、向かいのスーパーで買って家で食べた方がいいとわたしは思った。

レストランはプリンス系、京急系、東武系のホテルの中にたくさんあって、
わたしはどれも好きではないけれど、利用者としては、
とりあえず、ここの第三京浜沿いのレストランが閉まっても、特に問題はない。

解雇撤回、雇用継続を要求しているようだが、どんな再建計画が可能だというのだろう。
しかも、高輪の都市計画区画に入ったこともあり、周辺の再開発計画との関係も出てきている。
それについては実際には進行していないらしい。
しかしこのホテルのように、まず営業中止して、再開発をしばらまく待つという態度でいるならば、
行政としても、また、この地域の大地主としても、何か考えようかということになるかもしれず、
そのときに優先入居権が発生するとしたら、それは逃したくないはずで、
まったく当てずっぽうで言うだけだけれど、いろいろな思惑もあり、
どん欲なものから、勘違いしたものまで、入り乱れている様子だ。
元々の計画が完成してしないし、着工決定でもないのが動きにくくしているのだろう。
東京オリンピックとなれば、当然新しいホテルで、値段も上げて商売したいだろうけれど、
そうでもないなら、中国人相手に、また新人缶詰研修を相手にして、しばらく稼いでいればいいじゃないかということになる。

首切り組と残留組が別れるのでもなく、とにかく閉院と言うらしいので、仕方がないだろう。
むしろ職人さんは、調理の腕があるのだから、どこでも食べて行かれる感じがするけれど、そういうものでもないのだろうか。

同じ区域でも、シンガポール・シーフード・リパブリックやロイアルホストとかオーバカナーレは集客がいいし、それぞれのそ客層にアピールして、土地の価値を高めていると思われる。それに比較すると京品ホテルのこれらのレストランはレトロな代物で、品川港南口のスケールメリットには完全に負けている。
従業員には退職金を40%アップし、その90%以上は再就職先が決まっているというのなら、いいではないかとも思えてくる。
新しい耐震基準に合格しないと言われてみれば多分そうかもしれず、仕方がない。

高輪の都市計画区画に入ったことで、肝心のその計画はどうなっているのか、なかなか伝わってこない。

*****
2008-1-25 追記

自主営業の京品ホテルで強制執行、元従業員ら立ち退かせる 大揺れ雇用

 昨年10月の廃業後も、元従業員らが自主営業を続けている東京・JR品川駅前の「京品ホテル」を巡り、東京地裁は25日、元従業員らを立ち退かせる強制執行をした。

 同ホテルの経営会社「京品実業」(東京都港区)が、自主営業を支援している労働組合「東京ユニオン」を相手取り、ホテルの明け渡しを求めた仮処分申し立てで、同地裁は今月15日、「従業員に(営業の)再開を求める権利はない」などとして明け渡しを命じる決定をしていた。(2009年1月25日12時04分  読売新聞)

人情はともかく、法律ではそうなることは明白と言えば明白であり、
それなのに数ヶ月とはいえ一部の人の再就職を遅らせて「運動」に駆り出してきた人たちの
考えはどうなのだろうかとも思う。

報道ネタにはなったけれどそれだけで
現実に資金を出す人もいなかったし知恵を出す人もいなかったわけだ。
新聞で数行、テレビで数秒、たったそれだけのために企画されて、それはそれでその人たちにとっては成功だったけれど、
なにしろマスコミの一部を占領することは大変に大きな価値があるのだから、たいしたものだが、
一方で、こんなはずではなかったのにと割り切れない思いをしている人もいるのではないかと思う。



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一番ひどいPTSD

一番ひどいPTSDは
一番信頼している親に裏切られること。
たとえば、親からの性的虐待。

またたとえば、軍隊で他人を射殺するとき。
殺される側は命を落とすが、殺す側は心を殺す。

たとえば、殺す側と殺される側が、
目と目を合わせて、じっと見つめあい、
その上で殺すことができるだろうか。
それでも殺すことができるなら、
その心はどこか壊れている。

目と目を見詰め合うとき、
人間の脳の中の、ミラーニューロンが働いて、
今相手は何を考え、何を感じているのだろうかと、
推定する。そして相手の恐怖を理解し、相手にも生きるに値する未来がある事を発見する。
同胞である事を知るのだ。
ジハードだと割り切るのは、人間としての共感を、中絶することだ。

アメリカで戦争をするたびに、
アメリカ人兵士はPTSDに苦しむ。

アメリカの子供は大人たちから受けたPTSDに苦しみ続ける。

東南アジアの子供たちは貧しさゆえのPTSDを苦しむ。

一方、日本では、ゲームが子供に与える、PTSD効果について議論されている。
ゲームを指定ても、テレビを見ていても共感が育ち、
自分の感情を客観的にとらえ、
他人の感情の相似物が自分の感情の中にあると発見できるように、
母親が一緒にゲームの画面を見て、感情反応を見せる、
母親が一緒にテレビを見て、感情反応を見せる、
そうすることによって、子供は自分の中にどんな感情が起こるべきかを知るし、
他人と自分の間に流れている共感を確認することができる。
それを感じることができるなら、
ゲームでもテレビでもアニメでもかまわないらしい。

ーーーーー
お岩の場合、求婚者が父を殺して、その事を秘密にしているのだから、
一番大事な人が一番大事な人を殺し、秘密にしているという、
実に悲惨なPTSDである。

http://jp.youtube.com/watch?v=w0gkl_8CgvY&feature=related

 



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神宮外苑花火大会 お岩さん PTSD

明日木曜夜に神宮外苑の花火大会
躁状態の人ははずせないイベント。

*****
今夜、東海道四谷怪談のお岩さん。

お岩さんは、毒薬で殺されたというメインの話と、
伊衛門はアルコール症で小動物を見たというサブの話があるけれど、
考えてみれば、お岩さんは
「病弱+親を夫に切り殺されて秘密にされる+産後の負担+浮気をされる+按摩さんに性的暴行を受ける」といった具合で、
まさに複雑性のPTSDっぽいのだし、
これだけあったら、やはり、恨んでもいいと思う。

伊衛門にしても、お家とりつぶしで、傘張り職人をしていて、いろいろといざこざもあり、
さらにおきまりのアルコールもあり、
なによりいい友人が一人もいないというのも特徴で、
けんかは強かったようだし、何かといえば切って捨てるタイプのようで、
現在の状態で言えば、性格障害の要素があるけれど、
生育の歴史を辿ればやはりPTSDの要素もあるように思う。

登場人物はどの人も不幸であり、
不幸ゆえに精神的な不調を抱え、
さらに不幸を招き寄せてしまうようで、
そのあたりは鶴屋南北の設定がうまいと思う。

*****
恨と書いて思い出したが、
先日韓国についての話があって、
韓国で「恨」というときは、
個人から個人への怨念というよりは、
あるべき状態に自分がないという、自分への悔恨を込めて「恨」というのだと言っていた。

*****
大人と子供で言えば、
子供は圧倒的にPTSDになる危険があるのだし、
女性と男性で言えば、女性がPTSDになる危険が高いと思う。
世の中の仕組みで言えば、
「偉い人の子供」などというものは、
親を恨んだり羨んだりする気持ちが、
その子供への虐待につながらないでもなく、
偉い人の子供も、それなりに大変なのだと思う。
大人の男同士でいっても、やはりそこには虐待の要素は埋め込まれていて、
最終的にPTSDから免れているのは、
世の中の少数部分だと思う。

虐待は世代間で連鎖するもので、
あるいは、一世代ジャンプして後世代にジャンプして伝わることも多く、
(たとえば、おばあちゃんが孫を陰険にいじめて、PTSDにしてしまう)
人の世は簡単ではない。

PTSDになっても、「立ち直る力」がどのくらいあるかで、
未来はかなり違うのだけれど、
そのとき、「仲間」「友人」の力は大きいと思う。
あるいは「おじさん」「おばさん」の力が大きいこともしばしば言われる。

PTSDの物語になると
本当に人間であることが悲しくなってしまうような物語が多い。

絶望はしないようにしよう、
連帯しよう、
世代間の連鎖をくいとめよう、
などが思い浮かぶ。

端的なPTSDは性的なもので、
その場合は、子供と女性、そして一部の男性が被害者になる場合が圧倒的だ。
力関係というものは、性的な力関係によくあらわれるのだと思う。

http://jp.youtube.com/watch?v=w0gkl_8CgvY&feature=related

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東海道四谷怪談

リンク切れが心配なので
採録。

*****
東海道四谷怪談 
   1959・新東宝 


原作:鶴屋南北
監督:中川信夫
美術:黒沢治安
撮影:西本 正
音楽:渡辺宙明

出演:天知 茂
    若杉嘉津子
    北沢典子
    江見俊太郎
   池内淳子

 物語

夜道を行く二人の武士の前に現れた浪人風の男。男は地べたに手をついて懇願した。
「お岩殿との先の話し、今一度お考えくだされ」 男の名は民谷伊右衛門(天知茂)。
「貴殿のような身持ちの悪い者に、岩はやれぬとお断りした筈ではないか」 伊右衛門を冷たく突き放したのはお岩の父、四谷左門である。そして、なおも言い寄る伊右衛門に対し、左門は悪態をついて言葉の限り罵った。
堪忍袋が切れた伊右衛門は抜刀し左門と従人を斬った。
さらに、目撃者である提灯を持っていた下男をも斬ろうとした時、「おっと、待った、旦那、えらいことをしちまいましたね。あっしにいい考えがありやすぜ」 下男の名は直助(江見俊太郎)。

四谷家の仏壇の前にお岩(若杉嘉津子)とその妹お袖(北沢典子)。そして、伊右衛門と直助がいた。
「仇は顔の真中に傷があったことから、近頃、御金蔵破りを押し切った者に間違いありません」 直助が言った。お岩とお袖は直助の言葉を信じた。そして、伊右衛門と直助、お袖の婚約者、与茂七とともに父親の仇を討つべく出立した。

直助はお袖に惚れていた。与茂七が邪魔でならない。直助は伊右衛門に左門殺しを自分の胸に納める代わりに与茂七の殺害に手を貸すよう条件を出したのだった。
そして、旅の途中、直助は与茂七を滝壷に突き落とした。

江戸の長屋に住み着いた伊右衛門とお岩の間に乳飲み子が出来ていた。
お岩はもともと病弱な体だったが、最近ますます弱っている。
「仇はいつ討てるのでございましょう・・・」 お岩が傘張りをしている伊右衛門に気兼ねしながら言った。「・・・必ず討つと申しておるではないか」 お岩は敵討ちに真剣さを見出せない伊右衛門に対し、折に触れて愚痴をこぼす。

そんなある日、伊右衛門は町で侍たちに因縁をつけられていた娘を助けた。伊藤家の娘お梅(池内淳子)の家で歓待を受ける伊右衛門。お梅は伊右衛門に対し、助けられた恩以上のものを感じていた。

伊右衛門の夫婦仲は冷え切っていた。毎夜、博打に明け暮れる。家の中の金目のものをお岩から奪っていく。お岩は仇を討とうともせずに遊びほうける伊右衛門が恨めしかった。

直助の口利きでお梅との逢瀬を重ねる伊右衛門。そんな折り、直助が言った。
「旦那、そろそろ、お岩さんをばらしちゃどうです」 「何!」伊右衛門が形相を変えた。「二人を斬った旦那が、そう驚くこたぁねえ。少しぐらいあこぎなことをしなきゃ、この世間は渡っていけませんぜ」 直助は真からの悪党だ。
「・・・妙案があるのか」 「そうこなくっちゃ、あんまの宅悦にお岩さんの間男をさせるんですよ」 「拙者に岩は斬れん・・・」 「南蛮渡来の毒薬を飲ませるんです」

伊右衛門がお岩に着物を買ってきた。何時にない伊右衛門のみやげに喜ぶお岩。「これは良く効く薬だ。飲むが良い」 「今夜は、何から何まで・・・」伊右衛門の親切に嬉し涙にむせぶお岩であった。

伊右衛門のくれた薬を有り難く飲むお岩。その時、両国の花火がけたたましい大音響で響いた。 伊右衛門が町へ出かけた。

そして、伊右衛門に言い含められたあんまの宅悦がやって来た。宅悦は時々お岩の体を揉みに来ている内にお岩に惚れてしまっていた。伊右衛門の借金のかたに公認の浮気ができれば宅悦としては願ったりだ。
お岩を揉む宅悦はお岩の体に手を出した。激しく抵抗したお岩にしり込みする宅悦。「・・・これは、旦那さまが何もかもご承知のこと・・・」 「それは、誠か!」 お岩は驚愕した。
その時、突然、お岩が苦しみだした。「水、水・・・」 宅悦が急ぎ水を持ってきた。「あ、その顔!」 宅悦がお岩を見て叫ぶ。「え!」
鏡を見るお岩。鏡の中の自分の顔が化け物のように崩れ初めていた。梳かした櫛に髪の毛がごっそり抜け落ち血が流れ出した。 怯える宅悦。
子供の泣き声がする。「坊や・・・、一緒に死んでおくれ・・・」お岩は伊右衛門の企みを悟り、身の不幸を呪った。「極悪非道の伊右衛門・・・この恨み、はらさでおくものか・・・」

そこへ伊右衛門が帰ってきた。死んでいるお岩の顔を見て、さすがの伊右衛門もすくみあがった。慌てふためき逃げる宅悦を斬って捨てた。
やって来た直助とともに、お岩と宅悦を戸板の両側に打ちつけた。そして、戸板を川に流した。

伊右衛門とお梅の祝言の日。その初夜、蚊帳の中で待っていたのは、お梅ではなく顔の崩れたお岩だった。「伊右衛門どの~」 「おのれ!血迷ったか!」 伊右衛門が刀を振り下ろすと、倒れたのはお梅であった。
そして、駆けつけた父親をも殺してしまう。

川で釣りをしていた伊右衛門の前に戸板が流れ着く。戸板にはお岩と宅悦が表裏に打ち付けられていた。戸板が伊右衛門を襲う。刀を振り回す伊右衛門。

一方、お袖と住んでいた直助のもとへお岩の亡霊がやって来た。お岩を見た直助は震え上がりながら告白した。「お父上の本当の仇は伊右衛門だ」

与茂七は生きていた。滝壷に落ちた後、近くの住民に助けられたのだった。
お岩の亡霊は与茂七とお袖を伊右衛門と直助のいる寺へと導いた。
寺では伊右衛門がさんざん難癖をつける直助を斬り捨てたところだった。

「父の仇!覚悟!」お袖と与茂七が寺へ駆けつけた。そして、伊右衛門は二人に討たれる。「岩・・・許せ・・・」 民谷伊右衛門の最後の言葉であった。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=w0gkl_8CgvY&feature=related



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花火の夜の悲劇

花火の話がないかと思って
検索していたら、
四谷怪談のお岩さんが
悪い薬を飲むのが花火の夜だ。
伊右衛門が他の女と仮祝言を上げる夜、
お岩が死ぬ夜。

*****
http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/yotuyakaidan.htm
こちらは映画。
伊右衛門のくれた薬を有り難く飲むお岩。
その時、両国の花火がけたたましい大音響で響いた。 
伊右衛門が町へ出かけた。

http://jp.youtube.com/watch?v=PrTs_YEyhSQ&NR=1

http://jp.youtube.com/watch?v=JLIPZm7-GwE&eurl=http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/yotuyakaidan.htm

*****
http://jp.youtube.com/watch?v=U342tFC9yIQ&feature=related
こちらはアニメで、
物語はいろいろと改変が加えられているが、
オープニングの三味線とアニメとラップはなかなか印象深い。

*****
運命は破壊的で圧倒的であるとして、
それを理解することができる人間というものもすばらしいと思う。

運命のことはもう仕方がない。

*****
http://jp.youtube.com/watch?v=rKa8W-bQ0lw&feature=related
こういうのをみると、
もうすべてを捨てている感じがする。
フラメンコダンサーなんかもそうだったような気がする。

http://jp.youtube.com/watch?v=1I-iigL2a_Y&feature=related
このうねる感じ
ゆっくり広がる感じ

悲劇はゆっくり始まる

http://jp.youtube.com/watch?v=1i1FznZT7fU&feature=related
これなんかだと
三味線としての迫力はあるが
悲劇の力はどうだろう
正月のおめでたさが覆っている

*****
http://jp.youtube.com/watch?v=n5soMoU_djs&feature=related
こっちの方がなんだか
憑いているものがあるようにも思う
http://jp.youtube.com/watch?v=2Jqr_2hU4tY&feature=related

http://jp.youtube.com/watch?v=kYkrZxBjn-Y&feature=related

*****
越中おわら風の盆だと
http://jp.youtube.com/watch?v=DNVNsT_306A&feature=related
こんな感じ
http://jp.youtube.com/watch?v=t7YuqHK6ftI&feature=related

http://jp.youtube.com/watch?v=w0gkl_8CgvY&feature=related



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アニメ版四谷怪談 四谷左門

http://mvnavi.blog114.fc2.com/blog-entry-802.html
アニメ版四谷怪談

お岩さんは四谷左門という人の娘で、
それで四谷怪談というのだけれども、
現代に四谷シモンという人がいて、
左門とシモンはただ事ではない。

http://jp.youtube.com/watch?v=w0gkl_8CgvY&feature=related

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うらめしや

Oiwaが「うらめしや」と言うところを
フランス語では
C'est cruel.
と文字にしている。

http://mvnavi.blog114.fc2.com/blog-entry-802.html

スペイン語版に比べて長いようで
スペイン語版は省略があったようだ
フランス語版のほうが内容がよくわかる

成仏はニルバーナとなっている

たたりはmalediction(のろい)
la malediction d’ondine
Malediction & Prayer
などと使うようだ


Iemonはホークスの和田に似ている
戸板に貼り付けられる男は大リーグの田口に似ている

*****
お岩は産後の肥立ちが悪くても貧しくても愛されなくても耐えていたが
嫉妬に焼かれた

*****
地獄は満杯である

http://jp.youtube.com/watch?v=w0gkl_8CgvY&feature=related



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『新釈 四谷怪談』

『新釈 四谷怪談』
小林恭二著 集英社新書、700円
虐げられた江戸の全女性のためになされた受難と復活の物語

御家人は、身分的には武士でも俸禄が極めて低く、内職や借金をしてやっと暮らせる「ワーキングプア」のような生活を強いられていた。家計のやり繰りに苦しむ妻たちは、荒れる夫の飲酒や暴力にも悩まされていた。そんな女性たちが、すがるように信仰していたのがお岩さんだった。

江戸後期にしてようやく都市の人口再生能力が上がり、地方からの流入者が暮らす江戸の街に共通の言葉ができあがった。その結果、それまで一部の特権階級が独占していた文学や演劇が庶民にも浸透し、教育も普及、下層民にも「江戸市民」としての自我が芽生えた。

*****
御家人の貧乏暮らし、さらに抑圧される女性の苦しみ、そのような下部構造をとらえているというのだ。
なるほどそうかもしれない。
文学の受容はいつでも現代の言葉によってなされる。

しかし私にとって興味深いのは、お岩が、貧乏にも暴力にも病にも耐え、子どもが泣いても耐えていたのに、化けて出ようと決意しのは、嫉妬の故だったという点だ。あの女だけは許せないというこの一点である。

http://jp.youtube.com/watch?v=w0gkl_8CgvY&feature=related



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