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医療観光
医療観光:経産省が後押し 外国人向け実証調査開始
2009年8月7日 提供:毎日新聞社
医療観光:経産省が後押し 外国人向け調査開始
経済産業省は、外国人が日本の医療機関で健診や治療を受ける「医療観光」を後押しするため、病院や旅行業者などによる実証調査を秋にも始める。通訳や海外への情報提供など、受け入れに伴う課題を洗い出し、「医療観光」の環境整備に役立てる。
健診などの医療サービスと、温泉やゴルフといったレジャーを組み合わせた「医療観光」は、外国人客の有力な誘致策として韓国やシンガポールなどが力を入れている。
例えば韓国は、医療法を改正して外国人の治療費割引を可能にするなど、政府が全面的に誘致を後押ししており、08年は日本人を中心に約2万5000人を受け入れた。12年に10万人規模に拡大させる戦略だ。
経産省によると、日本は高い医療技術がありながら、受け入れ態勢の不備や海外での認知度の低さから積極的に取り組む病院は少ないという。独自の医療プランで誘致に乗り出した病院や旅行会社も一部あるが、国外でのPRなど医療サービス以外での難しさに苦労している。
経産省は、外国人客の受け入れが増えれば、サービス産業としての医療の活性化につながると判断。国立がんセンターや東大病院など東京都内の主要病院が参加する研究会を発足させ、実証調査の実施を決めた。
9月にも、複数の医療機関による共同事業体と、旅行業者などでつくる支援センターを設立。国内の患者の診療に影響を与えない範囲で、中国やロシアなどから富裕層を中心とした外国人客を実際に受け入れ、課題を検証したうえで年度内に報告書をまとめる。
経産省は「医療はサービス産業の一つの柱となりうる。実証調査を国際市場開拓につなげたい」と話している。
普通に生きて普通に幸せになる社会を作る
基本無料の生活
精神病の軽症化と自殺増
男は戦争だ 自己実現と自己消滅
唯一信じられるもの
錯覚・イリュージョンであるというのが
前回の戦争やソ連崩壊の帰結だったと思う。
今回はまたリバタリアンの破綻とかけ声で、
明示的な価値観の体系が一つつぶされた。
こんな中でますます、唯一信じられるものは、自分の自己愛だけとなっている。
ささやかでもいいから裏切られないものを大切にしていきたいと考えるわけだ。
安易に自我を拡大して集団と同一視して戦うのはやめたということになる。
賢いことである。やや夢がないのだが。
時代はこのように次々にイデオロギーやイリュージョンを脱色していくようだ。
脱宗教化がずいぶんと進行している日本はその意味で先進国だと思う。
なぜ生きるか、死んだらどうなるか、誰も答えを求めず、
宗教に頼らず、無神論も唯物論も頼らず、疑いながら、
特にどれにも頼ることなく生きられることを示している。
これは人間の未来形であると思う。
イデオロギーも集団も宗教も神も信じないで
自己愛の中に閉じこもって生きていられるのだと
証明している。
時々古い遺伝子が顔を出すようで、集団主義的な言論はあるが、
特殊な人たちという位置づけである。
その人たちを訂正する必要もなく、
そのことに大多数が影響されることももちろんない。
そのように遠い対人関係である。
国家主義的な言動は大多数を巻き込むことができる点で便利なものだったのだが、
最近はそうでもないようだ。
豊かな社会はそういうものなのだろう。
イリュージョンに命を捧げた人も歴史上多かったわけだが、
そんなことを目指していない社会は健全だと思う。
ヒーローもヒロインもすぐに脱価値化されて、人は幻滅する。
それはそれでいいのだと思う。
いいようなことを言っていたが、実は私腹を肥やし、権力にしがみつく人間だったと暴かれて、
お話は終わる。
台湾ではそれが現在進行形だ。
小早川伸木
「小早川伸木の恋」
便秘w@
今回は、便秘についてお話しします。便秘は風邪同様にありふれた疾患ですので、便秘でつらい思いをしている患者さんを上手に治療することは、総合診療医にとって、とても大切なことです。
昨年、高知大学に、大学法人としては初めて骨盤機能センターが開設されました。センター長で特任教授の味村俊樹先生は、英国のSt. Mark's病院で便失禁や便秘といった排便障害を学んだ日本の第一人者で、着任後、排便障害で悩んでいる患者さんが四国全県から大勢来院するようになりました。そのため、私も改めて便秘に注目するようになりました。
普段の診察の中で意識的に便秘を話題にしてみると、便秘で困っている患者さんがかなり多いことに気が付きました。どうやら患者さんは、忙しい私を見て便秘の悩みを打ち明けるのをあきらめ、「便秘くらいなら」と、市販薬で済ましていたようです。
なかには、せきを切ったように便秘の悩みを話し始める患者さんもいて、味村教授が指摘されるように、人間にとって排泄はとても大切なものだと改めて認識しました。特に安易な下剤の使用は、薬によっては乱用につながるおそれがあり、ある程度、医師が便秘の治療に積極的にかかわる方がよいと考えるようになりました。
日常診療では、便が硬い場合、まず、酸化マグネシウムなどの塩類下剤を投与し、十分な効果が得られなければ、大腸刺激性下剤であるセンノシド(プルゼニド)などを処方するという治療が一般的だと思われます。西洋医学的における便秘治療の手段は、それほど多くありません。
一方、漢方では、大黄甘草湯、大建中湯、桂枝加芍薬湯など、数多くの方剤があります(表1)。これらを上手に使い分けることで、便秘に対して病態別にきめ細かく治療できるようになりますので、とても有用だと感じています。
私は、漢方薬で便秘を治療する場合、体が丈夫である(実)、体が弱っている(虚)、熱がある(熱)、冷えている(寒)、乾燥している(燥)、湿っている(湿)といった漢方の尺度と、西洋医学的な弛緩性、痙攣性、ストレス性といった分類の両者を用いて、患者さんの便秘の状態を把握しようと努めています。
高齢者の便秘には麻子仁丸が第一選択
高齢者は、西洋医学的にみると弛緩性便秘が多く、漢方では、体が弱って(虚)いて乾燥し(燥)、冷え(寒)を伴っている人が多いと思われます。高齢者の便秘に対しては、まず麻子仁丸を第一に考えますが、診察してみて乾燥が特に強いと感じたら、潤腸湯に変更します。腸を潤す薬(湯)というとても良いネーミングなので、処方する場合は患者さんに方剤名とその意味を話し、プラセボ効果も狙います。
腸の冷え(寒)が強いと思われた場合は大建中湯を考えます。腸も筋肉ですので、寒い日に手がかじかんで動きにくくなるのと同様、腸も冷えれば動きが悪くなるという発想なのか、温める治療を行います。漢方の考え方はとてもシンプルです。
若年者では痙攣性の便秘もみられる
一方、若年者は体が丈夫(実)で熱がある(熱)人が多いので、大黄甘草湯を第一に考えます。腸に熱がある場合は、大黄の入った方剤を用いますが、おならが臭い場合は、腸に熱があると考えてよいかと思います。おならの臭いはぜひ問診で確かめてください。
若年者で便が硬い場合は、大黄甘草湯に芒硝(マグネシウム塩)が追加された調胃承気湯を、また、お腹にガスがたまり、不安などの精神症状がある場合は、厚朴(半夏厚朴湯を思い出してください、気うつの薬でしたね)が入った大承気湯を選択します。
若年者には、痙攣性やストレス性の便秘もみられます。痙攣性便秘は、腸の平滑筋の緊張が主病態ですので、芍薬甘草湯に桂枝、生姜などを加えた桂枝加芍薬湯を第一に考え、おならが臭ければ(腸に熱があれば)、大黄の入った桂枝加芍薬大黄湯を処方します。
こむら返りのように筋肉が痙攣しているときに処方する芍薬甘草湯は、非常に有効性が高いため、広く知られています。芍薬には筋弛緩作用があり、胆石発作、尿管結石など筋肉が痙攣する疾患にはとても有効です。
ストレス性便秘の場合は、漢方の抗ストレス薬である柴胡剤の中で、大黄の入っている大柴胡湯を用います。
若い女性は、女性ホルモンの関係で便秘をしがちです。月経とのかかわりがあるため、桃核承気湯や大黄牡丹皮湯といった末梢循環不全を改善する(お血を治療する:駆お血薬)方剤を処方します。女性は、初潮の始まるころから便秘が増えます。一般に、排卵時には便秘がひどくなり、月経時には緩和するとされています。
男性でも、運動や入浴で緩和される腰痛、肩こり、痔など、末梢循環不全(お血)によって起こる症状を伴った便秘の患者さんには、桃核承気湯や大黄牡丹皮湯が有効です。
漢方は生薬を追加して作り上げられた
図1に大黄を中心とした西洋薬と漢方薬の生い立ちを示します。西洋医学は一般に、生薬を分析して有効成分を抽出し、単一成分の薬として用います。ここでは、大黄から有効成分センノシドを取り出し、プルゼニドとして臨床に用いています。
漢方では逆に、生薬を組み合わせることによって効果を高め、あるいは副作用を減らすように工夫しています。
大黄に甘草を追加して、副作用の発現を減らした方剤が大黄甘草湯です。甘草の有効成分はグリチルリチンで、じんましん時に注射するミノファーゲン(一般名はグリチルリチン酸モノアンモニウム)の有効成分がこれです。
便が硬く、大黄甘草湯で効果不十分な場合に備えて、便を軟らかくするために塩類(芒硝)を加えたものが調胃承気湯です。これに、血の循環を良くするために桃仁などを加えたものが桃核承気湯と呼ばれます。
このように漢方薬は、長い歴史の中で多くの経験に基づいて、生薬を一つひとつ追加して完成してきたのではないかと推定されます。
今回は、登場した方剤が多いので、覚えるのは大変ですが、表2に簡単にまとめて見ましたので参考にしてください。便秘を病態で分けて治療すると風邪の時と同様、とても面白く感じます。この記事で挙げた方剤を一つひとつ試してみてください。では、以下に便秘の2症例を提示しておきます。
【症例1】
患者さんは5年前に大腸癌で手術歴のある痩せ型の78歳男性です。朝から下腹部痛が出現したため、午前10時ころ、当科を受診しました。手術をしてから便秘になり、便秘薬が徐々に増加しえ、最近ではセンノシド(プルゼニド)を8錠服用していました。昨晩10時ころ、プルゼニド8錠を服用して就寝したところ、明け方4時ころから、急に下腹部痛が出現しました。
術後イレウスや感染性腸炎なども考慮し、血液検査やレントゲン検査を行いましたが、特記すべき所見はなく、下剤による腹痛と診断しました。高齢者で手術の既往があることから、冷えによる便秘と考え、大建中湯(TJ-100)6パックを毎食前(分3)で服用するように処方しました。多くの漢方方剤の1日量は3パックですが、大建中湯は飴が成分として入っているため、1日量が6パックと他の漢方方剤に比べ、どうしても多くなってしまいます。
漢方では、プルゼニドのような刺激性の薬は、身体を冷やすものと考えられています。もともと冷えのある患者さんが薬でさらに冷え、朝方4時という、気温も体温も冷えている時間帯になって、冷えによる腹痛が出現したものと考えました。
そのため、下剤を減らして腹巻を着用させ、冷たい飲み物、甘いもの、生野菜などといった腸を冷やすものを控えるように養生の指示も追加しました。
患者さんは、治療開始2週間目にプルゼニドの量を半分の4錠まで減量でき、1カ月後にはプルゼニドを時々服用する程度まで便秘が改善しました。プルゼニドの乱用は大腸メラノーシスの原因となり、注意が必要です。その後、かかりつけの近医で漢方を継続処方してもらえるようになり、当科は終診となりました。
【症例2】
2例目の患者さんは、便秘の精査目的で近医から紹介された70歳の女性です。50歳ころから徐々に便秘が出現し、治療が開始されました。プルゼニドは症状に合わせて増量し、4錠を内服しても排便が困難ということでした。大腸内視鏡検査でも異常が認められないことから、精査と漢方治療目的で当科に紹介されました。血液検査、心電図、胸部レントゲン、腹部CTにて異常を認めませんでしたので、漢方治療を開始しました。
腹部診察で腸音が普通に聴取できたこと、漢方診察の問診でおならが臭いとの情報が得られ、舌が赤く(熱)、乾燥(燥)していたことから、痙攣性便秘で腸に熱があり乾燥していると考えて、麻子仁丸(TJ-126)3パックと、桂枝加芍薬大黄湯(TJ-134)3パックを1日3回毎食前にお湯に溶かして内服するように処方しました。また、2日以上排便がみられない場合は、プルゼニド2錠を頓服するようにしました。
漢方治療の効果は2週間で現れ、以後同じ処方で1カ月に1回、外来に通院してもらっていました。しかし、通院開始1年目ころから徐々にふらつき、転びやすくなった、しゃべりにくくなったと訴えるようになり、頭部MRIを施行して神経内科へ紹介したところ、多系統萎縮症と診断されました。
その後、徐々にADLは低下し、現在(さらに1年後)、車いすで通院していますが、漢方治療で排便状態は比較的良好です。ただし、麻子仁丸を潤腸湯(TJ-51)に変更し、大黄による腸の冷えを抑えるため、大建中湯を追加しています。
病状は進行していると思われますが、興味深いことに、プルゼニドは頓服しなくてもよくなっております。車椅子生活にまでADLが低下すると、排便行為が困難になることが多いものですが、この患者さんは少なくとも排便に関しては今のところ苦痛が少なく、患者さんからはとても感謝されています。