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検査カフェへいらっしゃい


検査カフェへいらっしゃい

 健康診断を受けていますか。病気になる前に不調を見つけ、治療を受けたり生活習慣を改めたりして、健康に1年を過ごしたい。

 気になる項目 券売機でポン さっと採血

 チャンポンやラーメンの食券でも出てきそうな自動券売機だが、メニューは料理ではない。「血糖値」「コレステロール」「貧血」といった項目だ--。

 熊本市の熊本大病院には、気軽に血液検査を受けてもらおうと設置された「検査カフェ」の券売機がある。「病院の食堂にあるのと同じです」。中央検査部技師長の池田勝義さん(53)が説明すると、検査に訪れた同市の主婦、千村美樹さん(42)は「へえー」と驚いた。

 千村さんが買ったのは「血糖値が気になる方 800円」の券。昨年9月の人間ドックで初めて糖代謝に異常が出たため、気になっているという。

 券を受付に出し、申込書に氏名や住所のほか、「医療機関で診察を受けていますか」といった問診に対する答えを書き込む。次に検査室で採血。券の購入から10分程度で終わった。

 1週間後に郵送された結果報告書には、「血糖レベルが基準値をわずかに上回っており、注意が必要」とあり、甘いものやでんぷん質を取りすぎないようにして、適度な運動をするようアドバイスされた。「気になる項目だけ調べられるし、料金も思ったより安かった。糖尿病にならないよう生活習慣を改善したい」と千村さんは話した。

     ◇

 カフェは、熊本大教授で同病院中央検査部長の安東由喜雄さん(57)が、「健康について知る場を提供したい」と考案した。2009年2月の設置以降、利用者はリピーターも含めて延べ約1640人。「アメリカは検査費用が高い」と帰国の際に来る人や県外からの観光客もいるという。

 検査データは、臨床検査専門医や検査技師らが週1回開く判定会議で検討する。異常が見つかる人は約6割に上る。前立腺がんや重い貧血と分かり、治療につながったケースも。「病気が進行する前に食い止めて、医療費の削減にもつなげたい」と安東さんは話す。

 メニューは13種類

 検査カフェのメニューは13種類。「健康が気になる方 1800円」は、企業や自治体の健診と同じで、基本的な18項目。脂質異常や肝臓、腎臓の機能低下、病気による貧血などがないか調べる。

 「お酒の飲みすぎが気になる方 1200円」は、肝臓や胆のうの機能に絞った5項目。「痛風が気になる方 500円」は尿酸など3項目だ。このほか「中性脂肪 200円」「心電図 1400円」など12種類のオプションもある。

 受け付けは月曜から金曜午前10時-午後4時。健康保険証や予約は必要ない。結果を受け取った後、説明を受けたい人は、毎週火曜午前10時半-正午の「検査『知』外来」を予約できる。問い合わせは生理機能検査室(096・373・5694)へ。

 自治体の検診 上手に活用を

 自治体の健診やがん検診も、上手に活用したい。

 市町村が行う特定健診は、国民健康保険に加入している40-74歳の人が対象。福岡市は500円、熊本市や佐賀市は1000円など低価格で、身体測定や血液、尿などの検査が受けられる。

 対象外の加入者のために、熊本市は「30代健診」(自己負担額1000円)を行っている。人間ドックの割引にも使える。午前8時-午後9時、年中無休のひごまるコール(096・334・1507)へ。

 福岡市は今年度まで、「ヘルスアップスクール」(同2700円)で18-39歳の人に健診や体力測定、運動指導をしている。託児付き。各区保健所へ。

 佐賀市は、特定健診では検査項目が足りないという人のために、集団がん検診などを組み合わせた「ミニドック」(同3000円)を設けている。山口県宇部市では、定員250人が1万2000円程度で脳ドックを受けられる。

 窓口が分かりにくいため、市役所などで健診ガイドなどの資料をもらい、説明を受けるのも良さそうだ。

 私の検診

 ◆「リパーゼ」も測って/九州大病院の准教授で膵臓専門医の伊藤鉄英さん(53)

 職場の検診に加え、膵臓で作られる「リパーゼ」という脂肪分解酵素の量を独自に調べています。これが基準値より多くても少なくても、膵臓に異常がある可能性があるからです。

 一般的な検診では、炭水化物を分解する「アミラーゼ」という酵素しか測りませんが、それでは膵臓の状態は必ずしも分かりません。リパーゼを検診項目に加えた企業では、膵炎が見つかり早期治療につながった人もいます。油ものを食べると胃がもたれる、お腹や背中の左側が痛む場合は、病院でリパーゼを測ってもらってください。

 過度の飲酒やストレスは膵臓を痛めます。やけ酒はいけません。私自身、飲むのは早めに切り上げて好きなカラオケに行き、日付が変わる前に帰宅するようにしています。

 ◆半年に1度胃カメラ/福岡市のNPO法人「がんを学ぶ青葉の会」代表の松尾倶子さん(65)

 15年ほど前にスキルス性胃がんと診断され、胃の5分の4を切除しました。会社の検診で年に1度胃カメラ検査を受け、異常なしだったのに、進行がとても早かったようです。

 現在は半年に1度、かかりつけの内科で胃カメラと、血液検査で腫瘍マーカーの数値を調べています。レントゲンやCTなどによる被爆を恐れて検査に消極的な人もいますが、私は必要なら受けるようにしています。

 病気をきっかけに、油や塩分の少ない粗食を心がけ、ジョギングをしています。ただ、会食の時は気にせず何でも食べ、悪天候の日や気分が乗らない時は無理してまでは走りません。気楽に構え、「こうしなければ」と自分を締め付けないようにしています。



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大企業安定志向反省なし

明治維新下級の武士たちが大活躍したのは、日頃の金銭感覚を通じて、世の中の動向を見極める目が養われていたとによる。

中級の武士たちがとらわれていた空疎な儀礼や習慣に囚われることなく、時代が要求するものをいち早く察知し、それらを取り入れたことで、両者の地位が逆転。

現代でも一部似通ったこと。

日の丸親方、大企業安定志向が効力がなくなり、そこにいる中間層は雪崩を打って下層に落ち込んでいる。

しかし明治維新のように、下級層が上昇するかといえば、それはなく、相変わらず下層のままで、上流と下流の二極分解している。アメリカのように、将来日本も5%の特権階級が富の95%を握り、下層の95%が富の5%しか握れない状態になる。

ーー
まあ、そんなことを言って、長いものに巻かれようとしているのだけれど
巻かれきれないで、あがいている

支配階級がアメリカにシフトしているような気がする


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積みあげる幸福

日々積み上げてゆく
明確な生き甲斐をもつこと

できれば毎日積み上げていくタイプのものがいい
日記などは好例だろうと思う
仕事の日誌でもいい
カルテは公表できないので別であるが

先輩の先生で
留学している途中に
それまで書きためていたカルテが全部処分されてしまったという例がある
それもなかなかつらい

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大伴家持 ザ・デプレッシブ・ヒーロー

春まけて 物悲しきに さ夜ふけて 羽ぶき鳴く鴫(しぎ) 誰が田にか住む
夜くだち 寝覚めて居れば 川瀬尋め 情もしのに 鳴く千鳥かも

春の野に 霞たなびき うら悲し この夕かげに 鶯鳴くも
わが宿の いささ郡竹 吹く風の 音のかそけき この夕べかも
うらうらに 照れる春日に ひばり上がり 情悲しも 独りし思へば

家持をうつ病と認定していいような気がします。

春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ乙女
もののふの 八十娘女らが 汲みまがふ 寺井の上の かたかごの花

このあたりも、実に響きが宜しく絵が香る。
「かたかごの花」なんていう響きが好きだ。

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依存型うつ病

ある本の紹介文。

 近年ますますうつ病は増加の一途を辿っています。特に増加数を見てみると、男女ともに30~40代がピークとなっており、働き盛りの若い世代にうつ病が増加していることになります。加えて、近年のうつ病で注目すべき点は、若い世代を中心にうつ病の症状が変わりつつある点です。これらは「非定型うつ」や「軽症うつ」と呼ばれていますが、特徴は、「どこがうつ病なの?」と思わせる行動をとることです。
 通常うつ病とは「憂鬱な気分が続く」「悲観的な考えをする」「眠れない、食欲がない」などがありますが、彼らはよく眠り、比較的食欲も旺盛で、飲み会や趣味の集まりにも参加しますが、ちょっとしたことで感情が沈みこみやすく、会社には行けない、仕事はできないなどの症状を示します。彼らをよく観察すると、人に対する依存心が強く、人が自分をどう見ているか、どう評価するかに異常に過敏だといいます。
 本書では、このようなタイプのうつ病を「依存型うつ病」と呼び、若い世代に多いこの依存型うつ病の特徴や、それを生み出す時代背景や社会的要因にも触れています。
 また、うつ病の治療や、うつ病にならない心構えについてもまとめました。熟練の精神科医が書いた、現代型うつ病を知るのに最適な一冊となっています。

ーーーーー
私の定義で言えば
自己愛型性格を基礎とするうつ病である。


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心と視覚 不安とストレス

(患者を生きる:1185)目 心と視覚:6 情報編 不安取り除き、ストレス減らす


 目の症状と心は密接に関係する。
 目の痛みや違和感を訴えて眼科を受診した人で、うつなどが見つかる人が増えている。
 井上眼科病院(東京都千代田区)の若倉雅登院長らは、2006年4月から3年間に診察した患者のうち、精神神経科やメンタルクリニックに紹介した30人を追跡調査した。
 受診時の症状としては、目の痛み、目が開かない、違和感がある、ピントがあわない、霧がかかったようで見づらい、などが多く、紹介先での診断は、原因不明の痛みが続く疼痛(とうつう)性障害が13人、双極性障害(そううつ病)とうつが合わせて7人。統合失調症もあった。精神神経科の専門医と協力しながら、抗不安薬を処方した例もあった。
 「本人は目の症状を強く自覚していて精神神経科や心療内科にかかることが少ない。過剰な不安がさらに症状を悪化させている場合も少なくなく、要注意」と若倉医師はいう。
 心身医学的なとらえ方を眼科にも広げようと、杏林大眼科非常勤講師の気賀沢一輝(きがさわかずてる)医師や若倉医師らが中心となり、07年に「心療眼科研究会」が発足した。以来、講演や症例検討を中心とした研究会を年1回開いていて、09年は眼科や精神科の医師、看護師、視能訓練士ら約140人が参加した。
 治療では、脳腫瘍(しゅよう)や脳梗塞(こうそく)など他の病気がないこと、眼底検査や視力検査で器質的な問題がないことを確認したうえで、心理的要因が絡んでいないかどうかを判断し、取り除いていく。目の症状だけでなく、心と体の訴えを総合的に受け止めることが重要だという。
 最近、子どもに増えているのが、心因性の視力低下だ。慶応大の小口芳久(おぐちよしひさ)名誉教授(眼科)によると、小学生が大半で、男児より女児に多く、最近は低年齢化の傾向がある。
 76~81年に受診した106人を対象とした調査では、約半数が「自覚はないが、学校の検診で視力低下を指摘された」と答えた。ストレスの原因は、「学校」が3割以上と最も多く、「学校と家庭」「家庭」がそれぞれ2割前後。原因がわからないものもあった。親に甘えたい気持ちを我慢していることがストレスになっている場合もある。
 「一過性で自然に治ることが多く、過度の心配は逆効果。ただ、本人はなかなか気づきにくく、放っておくと視力が改善しにくい場合もあるので、周囲が気を配ってほしい」と小口名誉教授は話す。

ーー
こういう話題ではかならず井上眼科病院(東京都千代田区)ですね。
 


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強迫性障害 不安や恐怖に慣れて治す

(体とこころの通信簿)強迫性障害 不安や恐怖に慣れて治す

 おかしなことと自分では分かっている。しかし、嫌なイメージや考え(強迫観念)が頭に浮かび、それに伴う不安や恐怖を打ち消すための行為(強迫儀式)を繰り返す。気がつくとかなりの時間とエネルギーを使ってしまっている。それが強迫性障害(OCD)という病気だ。
 愛知県の主婦Aさん(50)が娘の異変に気づいたのは、娘が5歳の時だった。服のボタンを留めても「曲がっている」と言って何度もやり直す。テーブルに置く茶わんとはしの位置が気に入らず、気に入るまで置き直す。
 こだわりの対象は次々に広がった。トイレに入ると、気に入ったふき方ができるまで出てこられない。そのうち、「汚いから」と、トイレの前や干した洗濯物の近くを通れなくなった。服の袖の通し方がおかしかったからと、10回以上、手を通し直しても納得がいかない。
 そうしたこだわりのすべてにAさんは巻き込まれた。行動の繰り返しに付き合わされ、確認を求められるのだ。「洗濯や風呂にかかる水道代、トイレットペーパー代もバカにならなかった」とAさんは振り返る。結局、娘は小中学校9年間のほとんどの期間、登校できなかった。
    
 20年以上、OCDの治療に当たっている「なごやメンタルクリニック」(名古屋市中村区)の原井宏明院長は症状をこんな風に説明する。
 患者の心の中に、何かの「引き金」、例えば排泄(はいせつ)物によって、「病気になるのではないか」という心配(強迫観念)が生じる。手を洗うなどの「儀式」を行うと、一時的に苦痛はやわらぐが、長続きしない。儀式をすればするほど、強迫観念が深刻になってしまう。
 これを繰り返しているうちに引き金の種類やきっかけが増え、儀式も念入りになる。完全な儀式でなかったというだけで強迫観念が生じる悪循環になる。「何も頭に思い浮かばないようにすれば楽だ」とベッドに引きこもってしまう人もいる。
     
 OCD患者は100人に2、3人とされる。うつ病より少ないが、統合失調症よりは多い。サッカーのデービッド・ベッカム選手が病気を告白したことでも知られる。
 SSRIと呼ばれる抗うつ薬による薬物療法が有効とされる。ERP(エクスポージャー〈暴露〉と儀式妨害)と呼ばれる行動療法も、様々な研究で効果が認められている。
 ERPは、恐れや不安を呼び起こす体験に患者が自らをさらし、その状態でも「儀式」をしないように努める治療法だ。
 トイレの水のように、患者が一番恐れている汚いものに、あえて触って手を洗わずにいる。これを繰り返し体験し、慣れてしまうことを目指す。患者が自発的に取り組むことが必要だ。「治療を受けさせるのでなく、自らすることが大事だ」と原井さんは言う。
 行動療法を経験した患者が中心となり、2004年に熊本県で患者と家族による「OCDの会」が発足した。会の活動は東京、名古屋、広島に広がっている。原井さんは、治療への意欲を高めるために、行動療法で治った患者に会を通じて会うことを勧めている。

 


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富裕層向けビジネス

 じゃあどうやったら富裕層を相手にうまくビジネスやれるかっていう話だけど、我々自動車を扱う仕事っていうのは、「お客様って結局は人に付く」ものなんですよ。飲食関係のビジネスをやっている人に聞くと7割くらいが人に付くって言うけど、自動車なんかもっとそういう特性があるんです。お客様が気に入ると、「この営業マンからしか車を買わない」とか、「担当を替えるな」とかよくありますよ。

 うちのお客様でポルシェを探していた方が、「ごめん、南原さん今回は浮気しちゃった」って来ましてね。で、何を買ったか聞くと、ホンダのオデッセイを買っちゃったって。散々打ち合わせをしてポルシェのこの仕様はああだこうだって細かく言っていた人が、気晴らしにホンダに行ったら新人の店員さんがすごく良かったからそっちを買っちゃったとかね。

 ああ、車はどれでもいいんだなって、結局はお客様は人に付くものなんだなって思いました。お金持ちの人ほど人に付いていく。当たり前のことなんだけど、もちろん会社に対する信頼感がなければ人にも付かないし。

 車を簡単に売るだけじゃ誰も信頼してくれないですよ。僕自身は、結構信頼されてる方だと思うんです。なぜかと言うと、例えばメルセデスを買いたいという方がいるなら、その方の知らない情報をたくさん提供します。

 「いま買ってもいいけど、あと1年後にはモデルチェンジしたのが出ますよ。それでもいま買いますか?」とかね、普通のディーラーが直前にならないと教えないような情報も教えてあげるんです。「そのオプション付けても、年に1回くらいしか使わないよ」とか、ただ売るだけじゃなく相手にとって有益だと思う情報を提供するようにしています。そういう体験を一度すると、もう他のディーラーからは買えなくなくなっちゃいますよね。長いお客様だと30年くらい付き合っていますからね、

 もう家庭の事情なんかもよく理解しているわけです。たまに奥様から電話が掛かってきて、「車こすっちゃったんだけど、旦那が帰ってくるまでに車を直して!」とかね(笑)。もうとりあえず板金屋に全部の仕事を中断させてその車を先に回せって言って修理させたりとか。もちろんその分コストはいただきましたけど、それはちゃんと見合った分だけのことでしたからね。旦那さんに見つからずに、私と奥様だけの秘密ね、なんて言って対応したこともありましたし。

 オートトレーディングはニヨンサンロクゴ(24365)部隊って言われているくらいですから。24時間365日動く準備ができてます。

 イギリスでもシンガポールでもアメリカでも、日本人の金持ちっていう感覚って諸外国の富裕層に比べたら何でもないんですよ。そのケタの違いをまず認識した方がいいですよね。日本なら高い車を持っているって言ってもせいぜい5000万くらいでしょう。海外に行ったら10億くらいのクルーザーを持っている層がいっぱいいるんだから。富裕層ビジネスって一口に言うけど、日本のマーケットの富裕層とリアルな世界の富裕層の定義の違いをまずは認識することが必要ですよね。

 もちろん日本にも大金持ちっていう人はいますけど、そういう人たちは表に出たがらないですよね。

 実は僕らもいろいろと手を打ったんですよ。DMも打ったし。パーティーをやったりとか。でもやっぱり一番多いのは紹介なんですね。

 いつも心掛けているんですよ、自分はどうしていきたいのかを。まずは踏み出す方向を決めること。それから踏み出すために体を前に傾けていること。それがきちんとできていれば、そういった出会いを掴めるんですよ。僕はよく引き寄せ力があるって人から言われるんだけど、本当に、必要な時に必要な人が来るんですよ。たまたまどっかの誰かにそれを言ったら、覚えていてくれた人が引き合わせてくれたりとかしますから。



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人は相手の善意ではなく自己愛(セルフ・ラブ)に訴える

人は相手の善意ではなく自己愛(セルフ・ラブ)に訴えるのだ


政治経済学の誕生

 さらに重要なことは、誰もが自分の保存を第一の目標とする権利があるというこのホッブズの原理は、政治哲学の分野にとどまらず、経済学の分野でも基本的な原理となったのである。資本主義社会の発展とともに、経済というものの考え方が基本的に変化してゆくのである。

 経済学(エコノミクス)という語はギリシア語の家政術(オイコノミケー・テクネー)からくる。オイコスは家であり、経済学は家の管理と支配の術の意味だった。家の主人が女たちに手仕事をさせ、奴隷たちに労働させ、家計を管理するための術である。この伝統は中世を通じてそのまま維持された。近代の初頭になっても、経済学は君主の家計の意味からそれほど逸脱していなかった。

 それがやがて重商主義の時代になると、君主の家計が国家全体の家計に拡大され、経済学は政治経済学(ポリティカル・エコノミー)と呼ばれるようになる。しかし誕生当初の経済学は、君主が国家を運営するための術という意味をまだ帯びていた。重商主義とは、国家を一つの家計とみなして、収入を増加させ、支出を減少させるという国家の家計の術、国家の富を増大させる術だったのである。

重商主義

 家計の収支が主として貨幣の出入りで計算されるように、国家の富も貨幣の増減で計られていた。だから輸出を増大させ、輸入を減少させるならば、国家に残る貨幣の量は増大する。輸出を増大させ、輸入を低減させるには、殖産興業が必要であり、国民が豊かになる必要がある。しかし重商主義の目的は国民そのものであるよりも、国家の備蓄の増大であった。節約することでも、植民することでも、関税をかけることでも、収入は増大させることができるからである。反対に国民がみずからの欲望に忠実で奢侈であり、浪費すると、どれほど生産しても国家は貧乏になると考えられた。

 このことを、イギリスの重商主義の理論家のトーマス・マンは次のように説明している。「大いなる配慮と慎重さをもって、常に、輸入し消費する外国商品よりも多くの国内商品を輸出し、……その差額を財宝として国内に持ち帰る」[1]ならば、国は豊かになるだろう。これにたいして「内外の商品を過度に浪費するため、反対の過程が行われるところでは、かかる浪費を賄うために必ず貨幣が輸出されねばならず、かくて人民の生活状態を退廃せしめ、そのため富裕な数多の国が極度に窮乏に陥るのである」[2]。だから「財宝を増大せしめ勤勉とそれを維持する節倹とは、一王国の財宝の真の監視人となる」[3]のである。

スミスと自己愛

 この重商主義の経済学を批判し、国家による貿易の管理が無効であり、人々がみずからの欲望にしたがうままにすることが重要であることを訴えたのがアダム・スミスである。まずスミスは国家の富とは輸出と輸入の差額として残る貨幣の量ではないと主張する。「国民の労働によって生まれる生産物によって、国民の生活が豊かになること」こそが重要なのだとかどうかが問題なのだと指摘する。国の豊かさとは、国民全体の豊かさのことなのだ。

 スミスはこう語る。「どの国でも、その国の国民が年間に行う労働こそが、生活の必需品として、生活を豊かにする利便品として、国民が年間に消費するもののすべてを生み出す源泉である」[4]。そして「世界のすべての富はもともと、金や銀ではなく、労働によって獲得されている」[5]。だからいかにして国民の生産性を高めるかを目指すべきであり、たんに貿易で差額を獲得することを目指すべきではないのである。

 スミスは労働の生産性を向上させるための重要な要素として分業を挙げている。『国富論』の第一章の「分業」で描かれたピン工場の実例は有名だ。一〇人ほどの小さな工場で、分業することで一日に四万八〇〇〇本以上のピンを生産していた。そしてスミスは分業しなければ、「ピン製造の技術を身につけていないとすれば、一日に二〇本を作ることも、とてもできない」[6]だろうと指摘していたのである。

 そしてこの分業を成立させ、市場での交換という方式で、人々が生活に必要なすべての品物を手にいれるためには、国家による命令も、面倒なメカニズムも不要なのである。ただ人々の「自己愛」(セルフ・ラブ)に訴えかけるだけでよいのだ。スミスは、他人の助けを必要とするならば、相手の善意に頼るのではなく、「相手の自己愛に訴える方が、自分が求めている行動をとれば相手にとって利益となることを示す」[7]のが近道だと断言する。すべての市民が自己愛のもとで行動することで、さまざまな職業の分業が成立し、市場で必需品を入手できるようになるだろう。

 国民がパンを毎日食べることができるのも、ワインを飲むことができるのも、それは国が命令したからでも、他者が善意で生産しているからでもない。他者もまた自己愛に動かされて、こうした商品を生産しているのだ。「われわれが食事できるのは、肉屋や酒屋やパン屋の主人が博愛心を発揮するからではなく、自分の利益を追求するからである。人は相手の善意に訴えかけるのではなく、自己愛(セルフ・ラブ)に訴えるのである」[8]

マンドヴィルの論理

 これをさらに極端に表現したのが、スミスと同時代のイギリス人のマンドヴィルである。彼は人間の欲望はつきることがないが、この欲望を滅ぼすのではなく、生かすことが社会全体を潤すことになると考えた。「悪の根という貪欲こそは/かの呪われた邪曲有害の悪徳。/それが貴い罪悪「浪費」に仕え、/奢侈は百万の貧者に仕事を与え、/忌わしき鼻持ちならぬ傲慢が/もう百万人を雇うとき/羨望さえも、そして虚栄心もまた/みな産業の奉仕者である」[9]。奢侈と浪費は悪徳であるが、それが人々の雇用を作り出し、国を富ませるのである。

 重商主義の理論では、節約は善であり、浪費は悪である。しかし個人的な悪徳である浪費や奢侈は、資本主義の社会においては新たな消費を生み、生産を刺激し、雇用を創設する。個人的な悪徳は、全体的には公共の善をもたらすとマンドヴィルは主張する。「このように部分はすべて悪徳に満ち、/しかも全部が揃えば一つの天国」[10]だというのである。

 この逆説は衝撃的であり、多くの人々の議論を呼んだ。しかし人々が節約し、消費を控えれば、生産が冷え込み、社会全体にマイナスの効果が発揮するのが資本主義の実際のありかたであり、彼の逆説は資本主義の社会構造を見事に言い当てていたのはたしかである。ただしこれが逆説なのは個人の消費を「悪徳」と定義するからであり、資本主義社会における個人の通常の活動としてみなしてしまえば、どこにも逆説は存在しなくなる性質のものだった。

新しい欲望の概念の必要性

 このように資本主義社会のありかたが解明されてくると、人間の自己愛と欲望を否定することは、社会の存続を否定することになるのが明確になってくる。私利と対立する公益という問題構成そのものが変わってくるのである。ここから新しい欲望の理論が誕生することになり、欲望はもはや、自己のうちの欠如を欲望する主体の欲求としての「エロス」の概念では考えられなくなる。欲望する主体は、他者の必要性を認識するようになるのである。こうして欲望のうちに二人称および三人称の契機が登場する。

 ただ、この新しい欲望の概念について考察する前に、この一人称としての「わたしは愛する」という欲望の構造について、もう少し考えておきたいことがある。それは「自己愛」という概念はたんに私利や私欲と同じものと考えることはできないからである。そのことを明確に示したのがルソーだった。ルソーは自己愛と利己愛を明確に区別するのである。

自己愛と利己愛

 ルソーは原始状態においては、野生人にはごく穏やかな自己愛が存在していると考える。これは文明社会のうちの虚栄心としての利己愛のようなものではない。誰がも自己を愛さなくては生きてゆけないという当然の事実に注目したものであり、この自己愛は、他者の評価によって自己の価値を定めようとする利己愛とは違うものだと主張するのである。ルソーは次のように語る。

 「利己愛(アムール・プロープル)と自己愛(アムール・ド・ソワ)を混同してはならない。この二つの情念は、その性格においても、その効果においても、きわめて異なるものなのである。自己愛は自然な感情であり、すべての動物たちはこの自己愛のために自己保存に留意するようになる、人間においては、理性に導かれ、憐れみの情によって姿を変えられることを通じて、自己愛から人間愛と美徳が生まれる。これに対して利己愛は、社会の中で生まれる相対的で人為的な感情である。それぞれの個人はこの感情のために自分をほかの誰よりも重視するようになる。そして人々はこの感情のために他者にあらゆる悪をなすことを思いつくのであり、さらに名誉心の真の源泉でもある」[11]

 自己愛は、自己保存の原動力であり、美徳の源泉である。これにたいして、利己愛は、文明のうちで発生するものであり、悪徳の源泉である。ただし文明人は、社会のうちで他者の評価の集中する場として生きているのであり、もはやこのような素朴な自己愛だけで生きることはできない(もちろん自己愛なしで生きることもできないのだが)。それでもこの素朴な自己愛は、現代人のうちで働いていて、重要な役割をはたしているのである。次回はそのことを考えてみたい。資本主義的な欲望とは別の道筋で、二人称と三人称の愛情につながる道が、ここからも開けているからである。

 



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黙っていれば美人だよ

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すましていれば
結構整ってるのに

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すぐこんな風
本当に父親と母親の混合物
まあ、日本のおばさんに会いに来てくれて
ありがとう



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知人の娘

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よくまあ韓国からわざわざ
お母さんによく似ている
仕事があったので次の日を約束
マスコミ関係で
今回は日本に取材

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次の日
丸ビルとんかつ屋でご馳走
何しろ私はとんかつ屋しかいかないから
明日帰るって
美人なんだから気をつけなさい

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ヨーグルト実験 バイアグラより効くかも

いろいろなヨーグルトで実験しているが、
やはりカスピ海ヨーグルトとかケフィアヨーグルトは作りやすい。

医療用のビフィズス菌のようなものも何種類かあるので試してみると、
ひとつだけ、チチヤスヨーグルトのような、全然粘りのないものができて、
それはそれでよいと思ったが、
ほかはヨーグルトにはならなかった。

グルメファンというヨーグルトは香りもこくもいいのだが
要するにもとの牛乳がいいようだ。

何がどのように効果を発揮しているのか分からないが、
ヨーグルトを続けて食べていると体に変化は確かにあるような気がする。

最近は京急ストアで、かつおのたたきの一本ままを買ってきて、
何回かに分けて食べている。
なぜだかとても元気になるような気がする。

バイアグラを飲んで鼻が詰まっているよりも、
ヨーグルトとかつおのたたきを主食にしていたほうが
効率がいいかもしれない。

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70歳まで働ける社会

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70歳まで働かざるをえない社会
年金受給年齢を変更しますというわけだろう

Catherine も びっくり

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