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見わたせば花も紅葉もなかりけり裏の苫屋の秋の夕暮れ

藤原定家
和歌の見本としてよりも
美意識の典型として学ばれる。

私にとっては人生の教訓そのものでもある。
人生を振り返ってみれば
何もない
それは戦慄するような寒々しさなのだが
やはりなにもない
しかし
むしろそれでいいのだ
寒々しさの中にすべての季節は宿り営みは続いている
青春は終わったとはいえ
回顧の感覚の中にすべてはいまだに宿っているのである

それさえ根こそぎ奪うのが
アルツハイマー型痴呆である。
見わたせば花も紅葉もなかりけり裏の苫屋も秋もまたなし
となる。

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