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インフルエンザと陰謀と妄想

小学3年男児(8)が、インフルエンザ脳症を起こして死亡した。男児は3日に発熱などの症状が出た後、急激に容体が悪化。4日、市内の病院に入院したがインフルエンザ脳症を発症して多臓器不全に陥り、6日夜に死亡した。男児が通う小学校では集団感染の報告はなかった。

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このようなニュース。
人の命を大切にしている社会で、このような死があること。

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インフルエンザは風邪じゃないと言われ始めてしばらくたつ。
はじめは英語の教科書で、Fluと書かれていて、
風邪じゃないから注意とあるのを見たように思う。

そもそも現代社会で、このようなタイプの感染症が防げないものなのだろうか。
少なくとも、命を失うことがないように出来ないものなのだろうか。

流行の予測までできるというのに。

流行していないときも、どこかでじっと潜伏、
つまり待ち伏せしているということなのだろう。

トリインフルエンザが話題になって、その後大きな被害にならないですんでいるが、
豚と鳥はもともとの宿主で、ここで突然変異して、
凶悪なものが人間をも困らせるらしい。

しかしそこまで分かっているなら、何とかできないものなのかなあと思うが。

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伝染病については、陰謀説がついてまわる。エイズやエボラ出血熱は人口調節のための陰謀だとする説である。
エイズウイルスはアフリカにおける黒人の人口を減少させるのが目的だとか、新型肺炎SARS、鳥インフルエンザは、中国の急成長やアジアの人口増加を危惧する勢力による細菌テロだという。
狂牛病のプリオンに関しても同様の陰謀説がある。

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陰謀説は微妙に話のつじつまが合うようで合わないようで、おもしろいところがある。
少しだけ考えても、フリーメイソン、イルミナティ、ロスチャイルド、ロックフェラー、三億円事件、大韓航空機爆破事件、ジョン・F・ケネディ暗殺、アメリカ同時多発テロ事件などについて、ときに深遠な、ときにトリビアルな陰謀説がある。日本人拉致問題や南満州鉄道爆破事件については、最初陰謀説がささやかれ、後に実際に起こったことだと確認されていて、こうした実例を見ると、いろいろな陰謀説も、無視できない感じはする。

インフルエンザを陰謀だとは言わないが、ここまでいろいろ分かっているのに、毎年のように流行して、死者まで発生するのはなぜだろう。

いずれにしても、インフルエンザ対策は、本腰を入れさえすれば、もう少し何とかなるような気がするのだ。
インフルエンザで死んでしまうよりは、学校や塾を休んだほうがいい。

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陰謀といえば、有名なのがある。
ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(“War Guilt Information Program”、略称“WGIP”)というもので、これは受け売りだけれど、文芸評論家の江藤淳が『閉された言語空間』(文芸春秋・1989年)に書いているらしい。
第二次世界大戦終結後に連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)による日本占領政策として行われた宣伝。江藤は「戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画」とし、「日本の軍国主義者と国民とを対立させようという意図が潜められ、この対立を仮構することによって、実際には日本と連合国、特に日本と米国とのあいだの戦いであった大戦を、現実には存在しなかった「軍国主義者」と「国民」とのあいだの戦いにすり替えようとする底意が秘められている。」と主張している。また「もしこの架空の対立の図式を、現実と錯覚し、あるいは何らかの理由で錯覚したふりをする日本人が出現すれば、「ウォー・ギルト・インフォーメーション・プログラム」は、一応所期の目的を達成したといってよい。そのとき、日本における伝統的秩序破壊のための、永久革命の図式が成立する。」とも主張している。

江藤によれば、“WGIP”によってすべては「軍国主義者」の責任であって、米国には何らの責任もないという論理が成立可能になる。大都市の無差別爆撃も、広島・長崎への原爆投下も、「軍国主義者」が悪かったから起った災厄であって、実際に爆弾を落した米国人には少しも悪いところはない、ということになる。

また一方で、やはり有名な説。

安岡正篤の記憶によれば、日本において、第二次世界大戦終結後、GHQが日本の占領政策を実行するにあたり、基本原則としての「3R」、重点的施策としての「5D」、補助政策としての「3S」を策定した。 この「3S政策」により、日本では性風俗が開放され、映画やエンターテイメントが興隆し、プロ野球をはじめとするスポーツが国民行事となった。スクリーン(映画)、スポーツ、セックス(性産業)またはスピード(クルマ)は大衆の欲望動員による娯楽であるが、それらに目を向けさせることにより、民衆が感じている社会生活上の様々な不安や、政治への関心を逸らさせて大衆を自由に思うがままに操作し得るとされる。

この政策と「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」により、日本のマスコミや教育現場が当時のGHQによる検閲を経て、現在に至るまで「自己検閲」を続けることによって日本の弱体化を図ったものとされている。

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さて、陰謀説を考え付く側の脳の問題であるが、
妄想とその体系化という興味深い問題がある。
被害妄想という成分が広く心に染み付いているからこそ、
陰謀説も流布するのだろう。

壁のしみはほとんど任意の図形に解釈できそうなものであるが、
多くは人の顔だったりする。

どのような解釈も可能なようでいて、被害妄想的に解釈する心の傾きが人間にはある。



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