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幾人もの尊い心

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それでもおな耐えろという
なおも復讐をとどまれという

たぶん私ひとりならばとどまることはできなかったに違いない
しかし幸いにも私を理解し共に苦しむ人々がいる

大げさな言葉を使うならこれが奇跡なのだと思う

自分のことではないのに
苦しんでくれるこの現象を
どう理解したらいいのだろう

苦しみなどは考えてみればただそれだけのものだ
極端な話、忘れやすい心には何ほども残らない
ある施設では苦しみの果てに風船バレーなどで時を過ごしているのである

一方私に与えられるこの共感は何だろう
温かなこの固まりは何だろう
なぜ私などがそのようなありがたいものの恩恵にあずかることができるのだろう
なぜこの魂の浄化を実感できるのだろう

ここに至るには幾人もの物語がある
幾人もの尊い心がある
そして現在がある

苦しいことではあった
しかしそれを補って余りある啓示であった
人間であることはよいことだ
生きることはよいことだ

人の憎しみの一方に人の愛があり
私は深く神に感謝する
涙さえふさわしい

苦しみもいまは何ほどのこともなく
ただ朽ちてゆく枯れ葉のように認知されているだけだ

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