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統合失調症のニューロン新生障害仮説-4

●生後脳におけるニューロン新生
●脳を構成する細胞である、ニューロンやグリアは、もともと神経管の内側の脳室帯に存在する未分化な神経幹細胞が増殖・分化することによって賛成される。

○これが最近ではES細胞の研究で人工的にできるようになっている。

●このようなニューロン新生は胎生期に爆発的に起こる。生後脳においても、側脳室前方上衣下層(SVZ:subventricular zone)および海馬歯状回顆粒細胞下層(SGZ:subgranular zone)などの特定の部位で生じている。

●マウスやラットの成体脳では一日あたり、SVZでは約8万個、SGZでは約9千個のニューロンが生まれる。これらのうち多くは一週間以内に細胞死を起こす。
●SVZで生産された新生ニューロンは、rostral migratory stream(RMS)とよばれる長い経路を分裂しながら、さらに前方の嗅球へと異動し、約4週間かけて最終的に顆粒細胞および傍糸球体細胞に分化する。
●SGZで産生された新生ニューロンは、ただちに顆粒細胞層へ移動する。
●これら新たに産み出されたニューロンは、実際に神経ネットワークに組み込まれて機能する。

○なるほど。そのような流れがあるのか。

●ニューロン新生には血管内皮から分泌される神経栄養因子BDNF(brain-derived neurotrophic factor)が関与するという報告がある。
●EGF,FGF,Shhなどの分泌因子がニューロン新生に影響を与える。

●リチウムは、Wntシグナル経路およびイノシトール3リン酸経路の要として抑制性に働くGSK3βというキナーゼを阻害する。リチウム投与によって、ニューロン新生が増加することがラットを用いて報告されている。

●リチウムは海馬の神経前駆細胞のニューロンへの分化を選択的に促進することが分かった。

●マウスを適度な刺激のある環境(玩具のある広いケージや、毎日異なる臭い刺激を与えるなど)で飼育すると、ニューロン新生が増加することが知られている。

●逆に、ニューロン新生は過ストレス状態において低下する。


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