反権力の時代の風を権威受容的に受け止める不思議な光景

小沢一郎側の容疑について官邸と検察はリーク作戦を実行しているが、
どこでどう間違ったものか、
マスコミが報道して国民を教育し続けているにもかかわらず、
民主党内の姿勢を批判する強い世論は起きていない。
漆間巌の捜査関与への疑念や検察の捜査の不公正に対する反発の世論は高まっていて、
全体的には検察不信の世論の方が勢いが強くなっている。
検察に対して国策操作ではないかと謀略の側面を語る方がむしろ知的だと認知されているようだ。
こうなっては検察と官邸としては失敗なのだと思うが、
それは最初からの仕掛けが、失敗しても何も失わないとするもので、
まずくなったらまた別の話題をリークし続けて忘却を誘えばいいだけだろう。
実際、オリックスと小泉・竹中は逃げ切ったのだろうか。
目くらましのために検察を使い、たぶん、拉致問題の大宣伝も持ち出し、
という具合で、ますます謀略論の受容に傾いている。

あくまで無批判で権力受容的な国民が
現状で優勢な・かつ反権力的な・姿勢を受け入れるとき、
何だか反権力的でもあり、しかし結局は体制順応的でもあり、不思議な光景である。