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喜ばしきおびたださについて

お前のおびただしさに驚き
お前のおびただしさをのみ味わうとしたら
それではわたしは失格なのだ

まずお前の羞恥を承知して羞恥を最大に味わいつつそして徐々にやわらげつつ
それでも次第にそのおびただしさをお前が自覚してゆくように
時間をかけて愛し合う

おびただしさを通路として羞恥をお前が感覚の中で最上のものと味わうように導く
それがわたしの役割りなのだ
お前の変化を微細に頭の中のカルテに細大漏らさず書き記しながら
観察するわたしは観察されるわたしを含めて描出し
そのときわたしは観察されるお前とつながったひとつのものとして
あなたはわたしでわたしはあなたで
あなたとわたしは一つで二つで
そのようなものとしてその満ち満ちたおびただしさの中で
観察する目は溶けてゆきますます貫いてゆく

花びらの中で
日の冷たさの中で
つぼみのほのかさの中で
温かさへの期待の中で

偉大な古代の彫像としてあなたを崇拝するのだ
古い儀式のように
激しいタンゴ・アルゼンチーノのように

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