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「傾聴」が元気引き出す

「傾聴」が元気引き出す
KEYWORD傾聴|ボランティア

聞き上手というボランティア

 

カウンセリングの手法を身につけ、お年寄りの話を聴く「傾聴ボランティア」が根付いてきた。同じ世代の人の話に耳を傾ける高齢者のボランティアを養成する講座も盛況だ。話を聴いてもらうことで生きる意欲がわく。ボランティアを行う側も充実感が得られる。

千葉県船橋市の傾聴ボランティアグループ「みみずく」には約250人が登録、施設や個人宅を訪れ、さみしさや悩みを抱えた高齢者の話し相手となる活動を続けている。船橋市福祉サービス公社が7年前から、60歳以上を対象に養成講座を開いており、登録しているのはその修了生。

飯塚加津子さん(69)もそのひとり。月2回、特別養護老人ホームをボランティア仲間と訪問している。テーブルでくつろぐ高齢者から一人一人、話を聴く。同じ話を繰り返す人も多いが、その点を指摘することはせず、穏やかに聴く。「なかなか話をしてくれなかった人がある日、生き生きと話してくれることもある。やりがいを感じます」

「みみずく」には、「親の介護をきっかけに福祉に興味を持った」「地域に貢献したい」「人と接するのが好き」など様々な動機の人が集まっている。養成講座では、40時間かけ、高齢者の心理、カウンセリング手法などを学ぶ。毎年、定員を上回る応募があるという。

日本では約10年前にボランティア養成などが始まった。日本での活動の草分け的存在であるNPO法人「ホールファミリーケア協会」理事長の鈴木絹英さんは「人は話を聴いてもらうことで、自分が認められたと感じることができる。生きる意欲も高まる。ただ、話を聴くことには、技術も必要」と話す。

基本は、話を聴く相手の尊厳を大切にすること。寝たきりであっても、認知症であっても、人生の先輩として敬う気持ちを忘れない。そして、相手を否定せずに、聴くことに徹する。今の生活に対する愚痴、他人の悪口などを口にすることも多いが、「おつらいんですね」などと気持ちを受け止めることが重要。安易に励まさないなど、注意すべき点もある=表参照。

一方、傾聴ボランティアを行う側の高齢者にとっても、利点はある。社会に貢献しているという充実感が得られたり、ボランティア仲間ができたりするからだ。船橋市でボランティアを行う男性(73)は「自分の考えを押しつけず、相手を理解しようとする態度が身につく。自分が変わったと感じる」と話す。

受講に特別な資格は必要ないが、論文などの事前審査がある場合も。講座は、ホールファミリーケア協会など民間団体のほか、社会福祉協議会などが開いている。広報紙などで告知している。

傾聴する時の注意点

・話の途中で口を挟まない。質問されない限り、自分の経験を話すことは控える。

・「元気を出して下さい」「きっとだいじょうぶですよ」などの安易な励ましや根拠のないなぐさめは逆効果。辛抱強く話を聴く。

・「(家族などと)話し合ってみたら」というアドバイスは控える。出来るなら、すでにそうしているはず。聴いているうちに、相手が「話し合ってみよう」と言い出したらいい聴き方。

・同じ話でも「前にも聴きました」とは言わない。話し手にとって、とても大事なことだと思って聴く。

傾聴ボランティアについての情報入手先

・ホールファミリーケア協会(http://www5d.biglobe.ne.jp/~AWFC/ 電話03・5297・7108)

・東京ボランティア・市民活動センター運営のホームページ「ボラ市民ウェブ」(http://www.tvac.or.jp/

・各自治体、社会福祉協議会など

(記事提供:読売新聞)



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