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骨折と歩行訓練と全力疾走

うつ病の場合、
だいたいもういい頃ですね、
出社訓練、時短勤務などで徐々に慣らしていきましょう、
と方針を立てていても、
途中でまたうつ状態が悪化して、朝に出かけられなくなったりする。

すると会社には十分に配慮してもらっていて、環境はいい、
お医者さんには復職可能といわれていて、薬も飲んでいる、
それでもやっぱり復職一ヶ月でいけなくなるなんて、
自分はどんなに性格が弱いんだろう
なんていうように自責することになる

そう思うのも無理はない
だけどそこの考え方を少し訂正して欲しい

ーー
骨折と歩行訓練と全力疾走でたとえてみる

骨折してしばらく療養するとする
骨がくっついてきましたねというのはレントゲン写真などでおおむね分かる

平地で歩行訓練をして
落ちた筋肉を回復して毛細血管の再構成を促す

そのあとで全力疾走ができるようになる

骨がくっついたから
歩行訓練が大丈夫だとは言えない
骨だけで歩くわけではないから

やはり少しずつ実地に歩いてみて筋肉をつけていく
場合によっては筋肉痛も起こる
それは再度の骨折ではないから安心していい

ーー
精神的な診断もそのようなもので
うつ状態そのものはもう大分いいですねとは言っても
職場で平気でいられるかといえばそうでもない

それは骨折が治ることと、歩行訓練ができることの間のギャップと同じことだ

時短勤務は平地歩行訓練なのだが
会社によっては大変な斜めの坂であることもあるし
土砂降りの中での勤務だったりもする

骨がくっついていても、
急な坂を登るには筋肉が必要だし
大雨だったら傘が必要で
それは骨折から生じる、筋肉の萎縮とかに関係しているし、
また、全く関係のない、会社環境に関係している

お医者さんはその細かい会社の現状にまでは立ち入ることもできないし
平均的なところで判断せざるを得ない

すると、再度の骨折ではなく、筋肉痛のような場合もよく起こる
精神的な領域ではどちらもうつ状態と見えるので紛らわしい

ーー
骨折したときのギブスに似たものが薬だ

うつ病の薬だからといって
ぎんぎんに元気があふれて来るわけではない

抗うつ剤を飲んでたいていの人が経験するのは
眠気なのだ
だいたいぼーっとすると言う

抗うつ剤を飲んで眠くなるなんて矛盾している
ドリンク剤の強烈なやつが欲しいなんて言う人は
治療を誤解していると思う
薬で底上げできるわけではない

骨がくっつくのは自分の力でくっつくのだ
接着剤があるわけではない
ギブスで固定して、骨がおかしな方向に曲がってくっつかないようにする
そしてあとは、自分の力で骨がくっつくのを待つのである

神経も同じで
神経細胞同士がきちんとくっつくまで
しばらくの間
薬をギブスのように使う

きちんとくっつけば、薬をやめても、何ともない

骨折のギブスが依存症になるなんてことは考えられないから
最近の薬剤での依存症というものはあまり考えられない

しかしそれでも依存症がいるだろうというのは
骨折したときのギブスの依存症になってしまう人が多分いるだろうというのと同じ程度のことだ

ギブス依存症とは何なのかと不思議に思うだろうが
依存症とはそのくらい不思議なものである

ギブスをしていた方が安心なんですというなら
当面はギブスをしていても特に支障はないだろうとも考えられる
その程度のことだ


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