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犬のお巡りさん 音痴について

不動産屋の友人は大切にしたほうがいい
専門情報を早く取れると実に儲かる

わたしの生まれて初めてのアルバイトは
親戚の不動産屋でチラシの図面をつくったこと

そんなわけで話を聞いていたら
最近の物件で
ペットは原則禁止
犬なら許可で、敷金が割り増しで3ヶ月分、
犬以外はダメという

というわけで
我が家の大切なネコちゃんは禁止になってしまう

なぜネコはダメでイヌはいいのかときいたら
要するにネコは汚すし床をひっかくからとか
よく分からない理由だった

うちのネコちゃんはそんな無駄なことは一切しないのだが

イヌの方がいい子だというのも
どうなんだろう
比較すれば確かにイヌは超賢くて
ネコちゃんよりずっと上だけれど
ネコちゃんは
部屋を汚さない程度というなら充分に賢い

ーー
なんてことを思いつつ
8丁目に飲みに行ったら

♪迷子の迷子の子ネコちゃん
あなたのおうちはどこですか

♪おうちをきいても分からない
名前を聞いても分からない

などと歌っている
懐かしいと思って
一緒に歌ったら

なんだか辛い思い出がよみがえった

ある日子どもと歌っていたら
夜に妻から子どもと歌わないで欲しいと相談があった

音痴がうつると、のちのちかわいそうだというのだ

思い出したので
酔っているから音痴だと
言い訳をした
そんなことないわよと言って手を握ってくれた

ーー
自分が音痴だということはよく承知していて
子どもの頃、家族からはさんざんいわれたものだ

妹は、要するにフレーズの最後が半音ずつ上がってしまうので
そばで聴いていると非常に苦しい
という意味のことをもっと衝撃的な言い方で教えてくれた

確かに実家でも妻の家系でも
音楽の才能は普通くらいにあるようで
桁外れに音感が悪いのはわたしだけだ
わたしだけが異常なのだと納得せざるを得ない

幸い子どもたちは特に音楽上の問題は抱えないで済んだようだ

ーー
イヌのお巡りさん
の歌で
最初はネコちゃんが出てきてかわいく困って
最後にイヌが出てきてお巡りさんだという
そして曲のタイトルはイヌのお巡りさんだ
どうしてタイトルがネコの迷子ちゃんではないのか
陰謀だと直感する

ネコはかわいいけれどやっぱりだめ
イヌはかわいいというわけではないけれどしっかりしている

というようなメッセージをこの曲で刷り込まれたような気がする

ーー
自分が音痴だと承知していて
しかも依然として音痴だということは
原理的にあり得ないと妹も妻も考えているようだ

妹と妻は同じ音楽教室で子どもの頃から知り合いだった

そんな人たちは何も分かっていないのだ

わたしは他人が音痴だということも分かるし
コンサートで演奏家が音をはずしたり省略したりするのも分かるし
自分の歌を録音して再生するとやはり音がはずれていると分かる
しかし、それでもなお、音痴なのだ
自分で歌っているときはよく分からない

自己認知に障害があるらしくて
わたしは絵もものすごく下手だ

描いた瞬間に、この線はまずい、と気がつく
しかし、描くときはコントロールできない

描く自分と見る自分は別のようだ

そして歌う自分と聴く自分は別のようだ

歌がうまいとか、絵がうまいとかの人は、多分、
瞬間的な自己認知がうまいのだろう
あるいは一瞬先に自分を認知して
線を調節したり
音を調節したりしているのだろう
スポーツも多分同じ
一瞬先を察知して微調整しているのだと思う

原理的にはわたしにもできそうな気がするが
現実には不可能なままで現在に至る

わたしはその調節が一瞬遅れるので
線も音もスポーツ全般も外してしまうが
結果として外れているということは、認識できているのだ
テニスのボールもゴルフのボールもまともに飛んだことがないのは
そのためだろうと思う

そんな細かい事情も
かわいそうなわたしだから分かることだ

音痴でない人はもっと高い次元で悩んでいるらしい

ある日、わたしの脳の一部が、脳血管障害で機能不全に陥り、
突然音楽の才能が開花したり絵の才能が開花したりすればいいのにと思う

才能がないわけではないのだ
DNAはほとんど同じなのだから
たぶん才能を抑制する回路が発達してしまったのだ
その回路が脳血管障害で機能停止すれば
眠っていた才能が花開く
と思いたい

しかし寝ぼけているときとか酒を飲んだときに
上位脳の機能停止という点では似たような状態になるが
絵がうまくなったこともないし
歌がうまくなったこともない

だからやっぱりだめそうだ

ーー
人間の相性も不思議なもので
わたしは絵のうまい人とか音楽のうまい人と友達になることが多い
なおかつ現実には音楽系の人の方が多い

芸大で右の音楽門と左の美術門で
貧富の差がはっきり出るのも不思議だ

ーー
右脳と左脳の話は上の音痴とか自己認知の話と何か関係がありそうだ

わたしの脳は右脳と左脳がかなり別々に作動しているのだと思う

むつかしくいうと右脳の予測(シミュレーション)結果を早く出して
左脳の補正する回路に回せばいいはず

きちんと協力すれば
音痴を補正できるのだろう

その場合、
考えてみると、わたしは
他人の脳の半分で社会生活を営んでいるのだから
よくやっていると思うわけだ

それならバカでも仕方ないと納得できる


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