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ないはずのものがあるとあるはずのものがない

昔、クラシック音楽は
普通ならないはずのものがある種類のもので
それは大切な時間だった

テープでも聞けたけれど
本物はLPレコードの方が近いんだという気分があった

今、クラシック音楽は
普通ならあるはずのもので、なければ寂しい種類のものだ

ーー
統合失調症の陽性症状と陰性症状がそのような説明になっているのだけれど
音楽もそうだなあと思ったりした

ネット配信の音楽を聴いていると
あまりにも切れ切れで
情緒のまとまりが悪くなってくるような気がする

こんなにもクルクルと気持ちが変わるのもいいものではない

ーー
大事なものがある人生の方がいいなあ

蜜を少しずつなめるような喜び


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