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読書と精神療法

蔵書を並べていて精神療法のことを考えた

もちろん精神療法の全部ではないが
一部は本を読むことに似ている

どの本のどの部分を読めばいいかを
治療者は提案しているという側面があるだろう

患者さんにとって治療者は一種の本であるし
治療者にとって患者さんは本である

全部は読めないけれど
必死に全体を把握しようとする

患者さんが教科書だという言い方が古くからある
まさにそうだと思う

文章になっている教科書と違う患者さんがいたら
教科書は書き換えられる必要がある

ーー
一方で読書と診察は全く違う

診察では文章を読む書くよりももっと総合的な脳と脳の対話が成立している

ーー
本に例えるなら診療は
一冊の本を共同して執筆するのに似ている

ーー
とても浅いレベルの話だと
人間は他人の影響を受ける
必ず受ける
その影響の集積が心理療法なのだと言ってもいい部分がある
(もちろんその先に技法の集積があり理論もある)
影響をコントロールするのが専門家だとも言える

ーー
その場合何が患者さんの利益なのかを
治療者は知っていて、そのことを提案できるという前提がある

自動販売機で自分の欲しいものを買うのとは
構造が違う

欲しいと言われれば何でも売るのではない

逆に嫌なものは買わなくていい


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