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障害者・障碍者・障がい者

「碍」(呉音「ゲ」・漢音「ガイ」)は、正字が「礙」と書くことからもわかるように「石を 疑う」、すなわち「道を塞ぐ石を前に思案する」状態を意味する。従って「障」 がそうであるのと同様に「バリアフリー」の「バリア」を意味する文字であり、 その意味自体は至って中立的なものであると評価される。「障碍」は元来、呉音 で「ショウゲ」と読み、これは仏教用語で「悟りを開くために乗り越えなければ ならない試練」を意味し、英語で「神に与えられた試練」の意味より派生した 「challenged」の意訳としても適切であると評価される。


 対して「害」(呉音 「ガイ」・漢音「カイ」)は「碍」には無い「積極的に災いをもたらす主体」の意味を有する。そもそも「碍」と「害」が同音であるのは漢字文化圏の中でも呉音と唐音が混同された日本のみであり中国及び台湾、韓国では「碍」と「害」は 発音が異なり代用字たり得ない。一例を挙げると「書きかえ」では「妨碍→妨 害」の置換が指示されているが、中国語では「妨碍」は「進路に物を置いて通行 を妨げる」のに対し「妨害」は「進路に立ちはだかって通ろうとする者に危害を 加える」と、それぞれ似て非なる意味を持つ熟語として並存しているところである。


 古来より存在した「障碍」に対し、現在使用されている「障害」は明治期に英 単語「disorder」の訳語として考案され、主に医学用語として用いられていたと見られている。


日本以外の漢字文化圏における「障害者」に相当する単語は、中国 では「残疾人」、台湾では「障礙人」、韓国では「障碍人」であり、この中で 「障碍人」は近年の国際交流の中で日本においても目にする頻度が高まっている ことは注目に値する。いずれの国・地域においても、日本特有の「障害」なる表 現は現在に至るまで使用されず、全て「障碍」が用いられている。

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なるほど、そうなのか。
礙を碍と省略して、さらに音の一致を理由に害に変更したという歴史だとのこと。


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