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精神科医療に関する長妻厚労相答弁、「誤解招く」と批判

精神科医療に関する長妻厚労相答弁、「誤解招く」と批判 日本医師会・三上常任理事

2010/08/23(月) 

日本医師会の三上裕司常任理事は11日の定例会見で、4日の参議院予算委員会において長妻昭厚生労働相が民主党・桜井充議員の質問を受けて行った自殺対策に関する答弁についての見解を発表した。

三上常任理事は、長妻厚労相が答弁で「うつ病についての薬漬けの問題」「認知行動療法という薬漬けによらないような方法」と発言したことに対して、「“薬漬け”との発言は医療機関でのうつ病への対応について国民の誤解を招く」との懸念を表明。「大多数の医療機関で向精神薬の処方や自殺対策への適切な対応がなされているにも関わらず、精神科医療に対する不安を助長し、医療機関の信頼を失うことになりかねない。精神科の医療機関にかかりにくい国民の認識がある中で、より抵抗感が強まってしまう」と批判した。

また、軽中度のうつ病などに対する認知行動療法の有効性を認めた一方で、「重度のうつ病になると向精神薬での治療が不可避。うつ病への対応は、個々の患者の特性に応じた精神科医の判断による最善の治療が行われるべきで、いたずらに認知行動療法へ誘導することは現場の混乱を招きかねない」と述べ、内科医などのかかりつけ医による早期発見と精神科医専門医の連携の重要性を訴えた。

三上常任理事は、長妻厚労相が「自殺者のかなりの部分が向精神薬を過剰に摂取していたデータもある」と発言したことにも触れた。長妻厚労相が言及したデータについて三上常任理事は、「平成21年度厚生労働科学研究費補助金『心理学的剖検データベースを活用した自殺の原因分析に関する研究』」と「自殺予防と遺族支援のための基礎調査」を指しているとし、これらの研究対象は76人という限られた自殺既遂者を対象とした調査であり、「過量服薬」について向精神薬の種類や具体的な量など詳細な定義がされていない点も問題視した。



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