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弁証法的行動療法 DBT(Dialectical Behavior Therapy)

(※広く支持とあるが、私見としては、別段そうとは思わない。どこが弁証法的なのかと思う程度。中身はよくあるポジティブ系の分かりやすい項目を並べただけと思われる。
普通の考え方を分解して、ステップごとに提示しているので分かりやすい部分はある。しかしこの分解の仕方が特に優れているとも思えないし、必然的だとも、網羅的だとも思えない。)

ーーーーー以下紹介

弁証法的行動療法
 
・DBT(Dialectical Behavior Therapy)は行動心理学者であるMarsha M. Linehanが1987年に開発した外来治療プログラムで、現在欧米において境界型人格障害に対する有効な治療法として立証され、広く支持されている。


 

DBTの目標および作用
1.能力を高める(スキル・トレーニングによる)

   ①マインドフルネス(Mindfulness skills)  ←中核となる技能

   ②対人関係を有効に保つ技能(Interpersonal Effectiveness Skills)

   ③情動調節技能(Emotion Regulation Skills)

   ④苦悩に耐える技能(Distress Tolerance Skills)

2.動機を高める

3.獲得した技能を日常生活においても普遍化できるようにする

4.効果的に治療を行うための治療者の能力と動機を高める(コンサルテーション・ミーティングによる)

5.治療環境を構造化する

 

①マインドフルネス
  禅の瞑想法を用いて、心や身体の状態を「あるがまま」に認識し、他の思考過程を遮断する。

  心・・・Emotion Mind/Reasonable Mind/Wise Mindに分け、Wise MindがEmotion Mind Reasonable Mindのバランスを上手にとっている状態。

  バランスを上手にとるための方法

善悪の判断を下さず
一度に一つのことを
効果的に
観察
描写
関与
  すること

 

対人関係を有効に保つ技能DEARMAN
    Describe:状況の客観的描写

    Express:意見・情動の表出

    Assert:相手に行動をおこさせるための自己主張

    Reinforce:行動がよい結果をもたらすことの強調

stay Mindful:心を集中させた状態でいる

    Appear confident:確信に満ちていることの表明

    Negotiate:自分と他人の要求に折り合いをつけるための交渉

 

対人関係を維持するためのGIVE
be Gentle:節度ある態度

act  Interested:相手に関心を持っているように振る舞う

Validate:相手を承認する

use an Easy manner:和やかな態度

 

自尊心を保つためにはFAST
  be Fair:公正であること

    no Apprologies:むやみに謝罪しない。

  Stick to values:自分自身の価値観をしっかりと持つ

  be Truthful:誠実であること

 

情動調節技能(Emotion Regulation Skills)

感情の性質を理解する
感情のメカニズムを理解する
今ある感情を観察する
その感情を描写する
ネガティヴな感情を減少させていく
ポジティヴな感情を増加させる
ネガティヴな感情を減らし、ポジティヴな感情を増やしていくための行動療法的技法(PLEASE MASTER)

treat PhysicaL illness 身体疾患の治療
balance Eating バランスの取れた食事
avoid mood-Altering drugs:気分を変動させる薬物を避ける
balance Sleep バランスの取れた睡眠
get Exercise 運動する
build MASTERy 統制力を養う
 

苦悩に耐える技能

短期間の苦悩に耐えるための「危機を乗り切るための戦略」
長期間の苦悩に耐えるための「現実を受容するためのガイドライン」
危機を乗り切るための戦略(4つ)
気をそらすWise Mind ACCEPTS
自己緩和(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の全てにおいて感覚を鎮める)
その瞬間の体験を変える(IMPROVE)
良い点、悪い点の両方を考える
 

Wise Mind ACCEPTS
 Activities:とにかく行動する

 Cotributing:何かに貢献する

 Comparisons:自分より苦しい立場にいる人と比較する

 opposote Emotions:正反対の気持ちを起こさせる行動をする

 Pushing away:しばらく放っておく

 other Thoughts:他のことを考える

 intense other Sensations:他の激しい感覚をおこさせる

IMPROVE
 Imagery:リラックスできる場面をイメージする

 Meaning:苦悩に意味づけをする

 Prayer:神や他の崇高なものに委ねる

 Relaxation:身体をリラックスさせる

 One thing at a time:一度に一つのことをする

 a brief Vacation:短い休暇や休憩をとる

 Encouragement:自分を励ます

 

現実を受容するためのガイドライン
自分の息づかいを感じ
微笑(Half-smiling)して受け入れる
 

【文献】

Linehan MM. Dialectical behavior therapy for borderline personality disorder. Theory and method.
Bull Menninger Clin. 1987 May;51(3):261-76. 
Linehan MM, Armstrong HE, Suarez A, Allmon D, Heard HL. Cognitive-behavioral treatment of chronically parasuicidal borderline patients. Arch Gen Psychiatry. 1991 Dec;48(12):1060-4.
Linehan MM, Heard HL, Armstrong HE. Naturalistic follow-up of a behavioral treatment for chronically parasuicidal borderline patients. Arch Gen Psychiatry. 1993 Dec;50(12):971-4. Erratum in: Arch Gen Psychiatry 1994 May;51(5):422.
Linehan MM.Dialectical behavior therapy for treatment of borderline personality disorder: implications for the treatment of substance abuse.NIDA Res Monogr. 1993;137:201-16. Review



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