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山本周五郎「おごそかな渇き」

「野分」から
善良で勤勉で謙遜で、いつも足ることを知って、与えられるものだけを受け取り、腰を低くして世を渡る人たち、貧しければ貧しいほど実直で、義理、人情を唯一つの宝にもたのみにもしている人たち、……又三郎にはそれが羨ましいほど充実したものにみえ、本当に活きた人生のように思えた。

このあたりが庶民の暮らしのよき倫理規範であろう。本当に、もしも出来ることであれば、かくありたい。

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「雨あがる」から
妻の名が「おたよ」
知人の祖母の名が「たよ」である。本人はカタカナで書くらしい。知人が漢字を当ててみたところでは、「他与」「多与」がいいだろうとのことだった。
他人に多く与えるこということで、まったくよい名前である。
ちなみに曾祖母の名前は「かや」というのだそうで、伽耶などの文字を当て、朝鮮半島由来の名前ではないかとのことであった。

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短い枚数でここまで活写できるというのも、実にすばらしいことだ。



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