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子供よ 神による最終の正義を信じなさい

子供よ
この世は厳しい
この世は理不尽だ
お前は何も悪いことはしていないのに
なぜ苦しむのか
神様は理由があってお前に
病気を割り当てたのか
わたしには神様の気持ちが分からない
わたしはお前に説明もできない

でも子供よ
お前は不幸せではない
健康で横柄なものたちのように他人を食い物にしていない
つつましく生きればよい
他人のものを欲しがってはいけない
そこに幸せはない
お前はこの先も苦労するだろう
人並みの幸せが割り当てられていないのかと嘆くだろう
いかにもそうだ
不公平だ

だがお前にわかって欲しい
お前の父は享楽に耽ったりするものではなかった
ただまじめに働いて人生を終わった
それでいいと思っている
報われないとも思わない
働く場所があるだけでよかった
その日の労働を終わって静かに感謝する、その反復である
それでいい
そして
神による最終の正義を信じなさい

神による最終の正義が実現されるならばこの世は生きる価値がある
その正義が実現されないなら生きる価値はないと父は思う
最終的な正義が実現されるかどうかわたしには分からない
実現されると想定して生きるしかない
実現されないとしても、それ以外の生き方はない

神が最終の正義を実現しないなら
この世にも神にも
わたしは関係がなかったということだ
ただその場合にも
わたしとお前は父と子だ
それは変わらない
考え抜いた上での信念をこうして伝える

つらいだろうが
それでも
日々の勤めを果たしなさい
報われなくてもそれで当たり前だと思いなさい
神の国が実現すればそれでよし
実現しないならわたしたちは短い悪夢を見たというだけだ
それはそれでよしとしようではないか
わたしにお前がいてくれてよかった
それだけで充分によかった

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