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ネット社会の万能感

ネット社会で空想的な万能感が肥大していると指摘されている。
確かにそういう傾向だとは思うが、
万能感なのだろうかと疑問には思う。

クリック一発でいろいろな欲求が満たされる
便利なネット社会である。
あるいは自分が出会いたい言葉、画像、人間に、
しばらく何かしているとたどり着ける、
昔ならできなかったことができるようになった
画期的なネット社会である。

しかしそれを使っていて
万能感と実感したことはない。

当たり前にできるはずのことができているだけで
万能と感じるはずもない

omnipotencyというような言葉なのであるが
皆さんは万能感などを感じているだろうか。

ひとつの呪文で現実のあらゆることが解決する、
呪術的思考というものは昔から根強くあり、
宗教的思考の一部はそのようなものを取り入れている
儀式もそのような形式の一部だろう

しかしコンピュータがそのような意味での万能感を提供してくれているとも思わない
ゲームの中では何か実現できるのかもしれないが
万能のスイッチがあれば当たり前に起こることが起こるだけだ

有能感は増大しているだろうか
それも怪しい
誰にでもできることができても
自分を有能だとは思わないだろう
他人と比較するから有能感が生じるのだろう

世代間での差はあるかもしれない
ネット社会のある部分で流通している情報に親は疎いかもしれない
当然疎いだろう
そんな時、親よりも自分は優れていると思うだろう
そしてその反映で親は劣等感を感じ
そのことを最近の若い人は空想的な万能感を抱いていると
表現してしまうのかもしれない

正確に言うと
親が持っている情報とは違う
しばしば役に立たない間違った情報で
子供だけが知っている情報があり
それを知っている自分を
間違って有能だと思い込んでいる事態であり
たとえば間違ったダイエット法などがある

子供が親の言うことを聞かず
悪い仲間の情報に支配されることは
昔からあったことで
新しいことではない
しかしこのように大規模に徹底的に起こったこともないはずである

しかしながら
ネットは食べ物をくれないし生活費をくれないのだから
親の優位は決定的なのだけれど
それをありがたいと思わずに
生きていける現代の便利生活が
実際本当にありがたいもので
子供が多少変な具合になっていても
親としてももう昔には戻れないのだろう

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