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壊れたピアノを弾く

ピアノでは、低音域を除き、各音に3弦ずつ使われている。調律の前に、フェルトで、3本のうちの2本の弦を押さえて響かないようにする。最初に中央ハの上のイ音を音叉など基準音を用いて合わせる。以後、中央のオクターブについて、色々な2音程間のうなりを用いて音を合わせる。十二平均律に合わせる場合、うなりをなくすのではなく、規定のうなりの数になるようにする。次に、中央のオクターブの音からオクターブ関係を用いて、すべての音について音を合わせる。最後に、フェルトを入れ替えたりはずしたりしながら、3本の弦が同じ高さになるまで調律する。近年ベートーヴェン以前のピアノ曲を演奏する際、中全音律等の古典調律法が一般的に採用される。

ピアノの調律も、今日では電子チューナを使った方法が一般的になりつつある。電子チューナを使うと、200本以上ある弦を迅速かつ正確に調律できるだけでなく、高音部のピッチをわずかに高めにしたり、同じ音の3本の弦のピッチをわざとわずかにずらすことによりうなりを生じさせて音にふくらみを持たせるなど、従来調律者の経験と感性に頼ってきた「味付け」まで機械の表示あるいは指示を参照しながら行うことができる。

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壊れたピアノで思い出の歌
片手で弾いてはため息ついた
(時の過ぎゆくままに)

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壊れたピアノを弾くのは
微妙に合わない薬を飲むようなものだ



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