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統合失調症のニューロン新生障害仮説-5

●ニューロン新生と脳の高次機能
●ニューロン新生と脳の高次機能については、カナリアの雄が生殖シーズンに新しい歌を学習する際に、脳の特定部位でニューロン新生が生じているということが古くから知られていた。

○カナリアって、すごいね。シナプスを付け替えるだけではなくて、ニューロン新生してしまうなんて、なんて不経済なことをしているのだろう。
でも、よく見つけたね、こんなこと。

●哺乳類では、細胞分裂阻害剤をラット脳内に投与すると、海馬依存的トレース記憶が著しく低下することが2001年に示された。
●ニューロン新生が海馬依存的な空間認知学習やうつ状態に影響を与えることもマウスを用いて示された。
●MBD1(methylated DNA binding domain 1)はDNAのメチル化に関係し、この遺伝子ノックアウトマウスではニューロン新生が有意に低下しているとともに、水迷路テストなどの空間学習記憶が劣っている。

○細胞分裂阻害剤もMBD1も、シナプス形成・再形成ではなく、ニューロン新生を阻害していることが示されたわけだ。

●海馬特異的に放射線照射を行うと、増殖が盛んである神経幹細胞のDNAが損傷を受けることにより、ニューロン新生に障害が生じる。

●このようなマウスでは抗うつ剤フルオキセチンの抗うつ効果が非常に減弱する。
(原著ではこの部分が抑うつ効果となっているがたぶん校正ミス。)



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