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統合失調症のニューロン新生障害仮説-6

●統合失調症との関連では次のような報告がある。
●脳の発生に重要な転写因子のひとつをコードするT/xのノックアウトマウスでは、
攻撃性の増加や交配の低下など社会性の異常が報告されていた。

○攻撃性と交配行動と社会性行動をこのようにまとめて良いものだろうか。
○攻撃性と性衝動は近い部分にあるとの考えが昔からある。そういうものは「性」にカウントしないで欲しいのの意見もあると思う。

●最近になって、海馬におけるニューロン新生が低下していることが明らかになった。

●細胞増殖や分化に関わるWntシグナル経路に含まれる因子のひとつであるDvl1という遺伝子のノックアウトマウスでは、
社会性の異常とともにプレバルス抑制(prepulse inhibition,PPI)の低下が認められる。

●PPIは、刺激に対する過剰な反応を抑制する感覚運動ゲート機構をあらわすものであり、
統合失調症患者やその未発症の同胞でも異常が認められている。

●Dvl1ノックアウトマウスでニューロン新生の低下があるかどうかは調べられていないが、
海馬において、Wntシグナル経路のリガンドのいくつかが発現していることは非常に興味深い。

●すでに、Wntシグナルはニューロン新生に大きく関わることが胎生期では報告されている。
●リチウムのニューロン新生促進作用を考えると、Wntシグナルは発生や癌化の過程で重要な働きをしているだけでなく、
神経幹細胞の増殖や分化に深く関わることが予想される。


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