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少年の日の夏

一生の中核部分をほぼ生き終えて思うのだが
小学生の頃の夏休み
徹底的に無為に過ごした夏休みが
私の人生の原型であり縮図であると思う

さあ夏休みだよと言われて
夏休みの宿題はすぐに終わってしまう
あとは何をしてもいいんだよと言われても
何をしていいのか分からなくて
呆然と過ごす

どうしてあんなに何もしないで過ごせたものかと
いまでは不思議に思うのだけれど
私の人生全体を思えば
まさにどうしてこんなにも無駄に過ごしたのだろうと思うばかりだ

夏休みは縮図であり
人生は拡大図である

ひとつには
私を導く強いビジョンがなかった

先輩がいなかったし先祖の中にもビジョンになる人物がいなかった
夏休みには何が可能であるか
人生で何が可能であるか
何もインスピレーションがなかった

もうひとつは、身近に「道具」がなかった
ほんとに何もない環境で何も思いつかなかった
それはそれで仕方がないと思うが

全体として無駄だったと思う



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