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話題も前回会ったときからの連続性を確保

採録

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 平成八年の人口動態統計速報では、出生数がかろうじて一二○万人台を回復した。ところが離婚件数の方は二○万七千件と、統計史上最高を更新し続けており、「家族の危機」を訴える声は一向に衰えていない。しかし、離婚の増加は本当に危機なのだろうか。

 労働市場の場合、離職者が増加して、その人たちが再就職できないようなら問題だが、成長産業への再就職が円滑に進むのであれば、むしろ経済を活性化させるためプラスの効果を持つ。 

 そこで、人口動態統計の確報を使って、女子離別者の再婚件数を離婚件数で割り、「再婚確率」を計算してみると、平成七年は六五%と前年より一ポイントの増加。十年前の昭和五九年の再婚確率は六一%だったから、再婚確率は着実に高まってきているのだ。

 また、より興味深いのは年齢別の再婚確率だ。

 二○歳台の再婚確率が減少傾向なのに対して、三○歳台以上の再婚確率は大幅に上昇している。特に四○歳台前半は、昭和五九年の三六%から平成七年の五六%へと、実に二○ポイントもの大幅上昇なのである。

 中高年層においても、「貞女は二夫にまみえず」という倫理観が薄れつつあるのだろうが、実は人口動態統計から、もうひとつ興味深い数字を導くことができる。離婚から再婚に至るまでの平均年数である。

 若い層はあまり変化していないのだが、四○歳台前半女性の再婚までの平均期間は、昭和五九年の三・五年から、平成六年は四・八年、平成七年は五・○年と大幅に延びてきている。つまり、中高年の再婚が増えたと言っても、離婚してからすぐに結婚するのではなく、じっくりと新しいパートナーを見極めた上で再婚に踏み切っているのだ。

 古くなったモノには、二つの運命がある。中古品としてたたき売られるか、アンティークとして毎年価値を増していくかである。中古車扱いされれば、八年落ちで査定はゼロだが、クラッシックカーとみなされれば、値段は下がらない。
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ハブと言って思い起こされるのは「悪女」である。彼女たちの恋愛市場のなかでの位置づけは、紛れもなく「ハブ」だからだ。しかも、一度ハブとして認知されると、ヒトもモノもカネも集まってくるのも経済のハブ機能と同じだ。

 ところが、魅力的な女性が全員悪女になっているのかと言えば決してそうではない。悪女には魅力と同時にキャパシティが必要なのである。例えば、同時に三○人もの男性を虜にし続け、下着以外で身につけるモノは全て貢ぎ物と豪語するある悪女は、どの相手と会うときにも必ずその相手からの貢ぎ物で全身を飾る。話題も、前回会ったときからの連続性を確保し、間違っても他の男と会ったときの記憶が混じったりはしない。

 普通は、そこまでできないから、せいぜい本命とキープの二人を相手にするにとどまってしまう。つまりキャパシティが小さいのだ。
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 公的年金の財政再計算の際には、大きな制度改革が避けられないと言われている。少子化が一層進み、老齢年金の給付と負担のバランスが崩れるからだが、実は公的年金は老齢年金の機能とともに、生命保険的な機能も併せ持っている。

 遺族給付や障害給付がそれに当たるが、この部分の仕組みには、制度設計者の結婚観が垣間見えて面白い。例えば、国民年金の加入者が亡くなった場合、遺族基礎年金が支給されるが、配偶者でそれを受給できるのは、一八歳未満の子のいる妻ということになっている。つまり、子どもがいなかったり、子どもが一八歳以上になってしまうと遺族基礎年金は支給されないのだ。

 それではあまりに可哀相だというのか、夫の死亡時に三五歳以上だった子のない妻や、子が十八歳になった時点で三五歳以上の妻に対しては、四○歳から六五歳になるまでの間、月額五万円弱の中高年加算が支払われる。

 夫が死亡した時、あるいは遺された子の養育を終えた時に、三五歳以上だと年金が支給されるという仕組みは、女性が一人に戻ったときに、三五歳まではやり直しが可能だが、それ以上だと難しいと判断されたためにできたのだろう。

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 経営者にはオカルトにはまっている人が多い。“気”や風水まで含めれば、私の知る限りでは過半数の経営者がそうしている。

 その原因ははっきりしている。経営者ほど孤独と不安を抱える人種はいないからだ。若いうちは、「あの部長がアホだから、仕事がうまく行かないんだ」などと同僚と連帯感を強めることもできるが、出世の階段を昇るたびに味方の数は少なくなっていく。また、真面目な経営者であるほど、「明日も従業員と家族の生活を守っていけるだろうか」という不安にかられる。そうした孤独や不安を癒してくれるのが、人知を超えた神秘の力なのである。

 ところがオカルト信奉ほどの数はいないものの、別の方法で不安を紛らせている経営者たちも多く存在する。異性信奉である。

 経営不振に陥ったある経営者は、愛人の清算を迫る債権者たちにこう言ったそうだ。

「俺が会社をここまで大きくしたのは、この生活をしたいからだ。もし、愛人を捨てろと言うなら、会社を続ける必要などない」。


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