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ANA

 2008年4.0ヶ月、2009年2.5ヶ月、2010年2.0ヶ月。かつては7ヶ月の時代もあったANA(全日本空輸)の年間一時金は、2年で半分に激減した。2008年までは6月にも業績に応じた一時金が出ていたが、それもなくなり、2009年には45歳以上を対象とする希望退職を200人募集してリストラも開始。残業代の単価まで引き下げられ、各種手当て類も軒並み切り込まれ、総合職社員の生活はラクではなくなってきた。
【Digest】
◇2年で180万円も減った年収
◇未だ聖域のパイロット
◇3万円で世界一周できる
◇入り口と年次で決まる給料
◇目立つコネ入社
◇専門職のキャリアパスに転換
◇内向きな仕事が多い
◇宗教的、軍隊的な強制力
◇仕事はグダグダ
 
◇2年で180万円も減った年収
 その結果、経営側から見ると、社員の人件費が劇的に削減された。有価証券報告書に記載される一般従業員(総合職と特定地上職)の平均年間給与は、2008年846万円(43.4歳)→2009年799万円(43.4歳)→2010年666万円(43.0歳)と、なんと2年で180万円(21%)も減少。外資並みの業績連動ぶりなのだ。
 ANAはインフラビジネスなので、業績の如何にかかわらず給料が安定した企業だと一般には思われがちだが、それは人事部のイメージ戦略と、巨額の広告費に懐柔されたマスコミが作り上げたイメージに過ぎない。実際、イメージ投票になっている学生の人気ランキングでは、常にトップ争い。たとえば楽天の「みんなの就職活動日記」による新卒学生人気企業ランキングで2010年まで4年連続の総合一位となっている。


 
ANA(総合職)のキャリアパスと報酬
 「本当はゼロにしたいけど、採用ストップすると景気が悪いと思われてイメージダウンになるから」。ある社員は、2010年入社の採用で総合職を25人だけ採ったことについて、人事部の人間がそう言っていたのを聞いている。前年が85人、前々年は70人だったが、赤字転落(2010年3月期)するなかでリストラ(希望退職200人募集、2010年3月期に特別退職金44億円を計上)を進め、本来は新規採用どころではなかったという実情は、学生にはほとんど知られていない。

 JALの倒産で「棚ボタ」による客が流入し、さぞかし経営がラクだろうと思われたANAだが、リーマンショック後の世界的な需要低迷やLCC(格安航空会社)との競争で2010年3月期に863億円の経常赤字に転落。2011年度からのLCC参入を表明するなど手を打ってはいるが、内実はドロドロである。

◇未だ聖域のパイロット
 特に社員にとっての不満は、業績悪化のなかでも聖域として守られている、時代錯誤なパイロットの“神様扱い”、そして赤字転落してもなお、それを改めるための決断力も交渉力もない「事なかれ主義」の伊東信一郎社長ら経営陣に向けられている。

 「あいつら全員、死ねばいいと思ってますから」。ある総合職社員が、本気で憤る。「パイロットと話しても、ワインと愛人の話ばかり。賃金をカットしたって、CAやトクチ(特定地上職)と遊ぶ金や、愛人を囲う費用がなくなるだけで、何も困りません。奴らの給料さえ正常化すれば、社員の平均年収1千万円の魅力的な会社にすることもできるんです」

 なにしろ、パイロットの年収は、この2年間で、2199万円→1981万円と、10%しか下がっていない。同時期に21%も下がった一般従業員(総合職、特定地上職)や、もともと低い489万円から12%下げられたCA(客室乗務員)から見たら、諸悪の根源はパイロットの過剰待遇にあるのは、疑いのない事実だ。

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日本企業というものは深刻だ





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