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柔道整復師問題、「ここ数年が戦いの最終局面」

柔道整復師問題、「ここ数年が戦いの最終局面」 
日本臨床整形外科学会シンポ、「日医声明は脅迫電話で頓挫」 

 日本臨床整形外科学会が11月7日、都内で開催したシンポジウム、「国民の健康と医療制度を考える - 事業仕分けと療養費 - 」で挨拶した日本臨床整形外科学会理事長の藤野圭司氏は、「ここ1、2年、風向きが変わってきており、柔道整復師の療養費に大きな問題があるという認識が広がってきた。マ スコミ報道などもかなり増えており、問題点が正確に指摘されるようになった。柔道整復師側もどのように解決していくかという形に変わってきている。ここ数年がこれまでの戦 いの最終局面になってくるのではないか」との見通しを示した。

 「整形外科を取り巻く社会保障の政策環境」と題して講演した、慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏は、「柔道整復師の施術療養費の伸びを見ると、この不況下で、これほど 成長している産業はない」と指摘。その上で、(1)1998年の福岡地裁判決で、柔道整復師の養成施設を指定しなかった厚生労働省が敗訴、(2)療養費が適切に請求されて いるかをモニタリングするコストが、今の制度では高くつく――という二つの疑問があるとし、「なぜ医療保険の所轄官庁である厚労省が、養成施設の数量規制を実施できないの か。また骨折・脱臼では緊急以外は医師の同意が必要だが、いったい誰がこれをモニタリングするのか。利用者に制度を理解させたり、保険者が監視するにもコストがかかる。し たがって、療養費の制度そのものが悪い。スタート時点で問題のある制度を作ったために、社会制度全体に悪影響を及ぼしている」と問題提起した。 

 権丈氏のほか、日本医師会会長の原中勝征氏の講演に続き、下記の6人によるシンポジウムという形で展開されたが、日本医師会常任理事の葉梨之紀氏は、「今年4月に新執行 部発足後、すぐに柔道整復師問題を検討した。日医としては声明を出すべきだとし、素案を作成、理事会に諮るところまで進んだが、原中勝征会長に脅迫電話が入り、今はそのま まになっている」と明かし、この問題の難しさを示唆した。素案では、不適切な療養費の請求の一因とされる「受領委任払い制度」の見直しなどに言及していたという。 

 コラムニストの勝谷誠彦氏も、テレビ番組で柔道整復師問題を取り上げた際には、同様に脅迫的な言葉を受けたとしつつ、「役人の行動原理は、事を荒立てたり、自らに責任が 来ることを嫌うこと。監督官庁と取り締まる役所が一緒であることにも問題であり、取り締まることは前任者の不正を暴くことになる。“大マスコミ”にも問題があり、役人が怒 ることはなかなか書かない」などと指摘。その上で、「冷静に考えたら、おかしいことばかり。お笑いから始めなと、国民もあまりに洗脳されて、振り向いてくれない。『お笑い 柔道整復師』という新書を出したらどうか。家族3人で同時に接骨院に行くとか、何箇所も同時に骨折するとか、事実を書くだけで、爆笑モノ。それくらいの発想で国民にアピー ルすべき」などと話し、問題意識を持つ医療者が行動する重要性を強調した。 

【シンポジスト】 
葉梨之紀・日本医師会常任理事 
権丈善一・慶應義塾大学商学部教授 
勝谷誠彦・コラムニスト 
藤田泰宏・日本臨床整形外科学会理事 
掘瀬幸弘・天満屋健康保険組合(「保険者機能を推進する会」の柔道整復部会) 
伊藤康典・弁護士 


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