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やせすぎモデルの是非で物議

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英紙デイリー・メールによると、この細すぎるモデルを最初に取り上げたのは「Photoshop Disasters」というサイト。「“本当にひどい”写真修正例の歴史を紹介する」(デイリー・メール紙より)として、該当する広告のモデルの写真を掲載した。

続いてブログ「Boing Boing」が、この写真を大きく掲載し、「彼女の頭は骨盤より大きい」と紹介。このエントリーには、ユーザーからも「本当に女性がそう見えると思って、フォトショップ使ったのか?」「これが本物の人間なら、ジョークにもならない」と多くのコメントが寄せられ、“細いモデル”に見せるために、異常な修正をしていることへの批判が殺到、現在も多くのコメントが寄せられている。

この反響を知ったラルフ・ローレン側は2つのブログに削除を要請。しかし、「Photoshop Disasters」はこれを受け入れて削除したものの、「Boing Boing」は警告を受け付けなかった。結局、ラルフ・ローレン側は「女性の体型に対する歪んだイメージで写真を修正し、責任を感じる」と、この写真について謝罪。モデルを細く見せるために加工していたことを認めるという、異例の対応を見せている。

なお、ラルフ・ローレンは「この写真は米国内では承認されず使用されなかったが、間違ってリリースされ日本のデパートで使われた」(米紙ニューヨーク・デイリーニュースより)と説明しているという。

こうした一連の騒動を受け、ニューヨーク・デイリーニュース紙では、問題の渦中に置かれたモデルのフィリッパ・ハミルトンさんのインタビューを掲載。この中で、彼女は「太すぎる」との理由で、4月にラルフ・ローレンから契約を解除されたことを明かしている。23歳の彼女の体型は、公表されているプロフィールでは身長約173センチ、体重54キロで、スリーサイズは84-61-89。このプロポーションではラルフ・ローレンは納得できなかったらしい。

16歳の時からラルフ・ローレンと契約を結んでいたというハミルトンさんは、「彼らは私が太り過ぎで、もうラルフ・ローレンの服を着こなせないからと言ってクビにしたの」(ニューヨーク・デイリーニュースより)と話している。そして、問題の写真については「自分と同じ顔で、とても痩せている女の子を見てショックを受けたわ」(同)とも語り、同時に人々への悪い影響を懸念しているという。

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モードの帝王「太った母さんたち」を敵に回す、やせすぎモデルの是非で物議――ひまだね英語
2009年10月16日(金)16:00
■本日の言葉「object to」(文句を言う、反対する)■
肩の力を抜いたゆるい「暇ダネ」の英語をご紹介するこの金曜コラム、今週は女性美の基準という、いわば永遠のテーマについてです。適度に丸い方がいいのか、すっきりスリムな方がいいのか。「パリ・モードの帝王」がこのほど「丸い女など見たくない」と前者をバッサリ切って捨てる発言をしたことから、またしても物議が。(gooニュース 加藤祐子)

○トップモデルさえ着られない細い服

映画「ココ・アヴァン・シャネル」を先日観たせいもあって目についたニュースです。複数報道によると「シャネル」のデザインを手がけるカール・ラガーフェルドが「ファッションは夢と幻想の世界だ。丸い女なんて誰も見たくない」「ポテトチップの袋を抱えてテレビの前にどーんと座ってる、太ったお母さんたちが、やせたモデルは醜いと文句を言ってるんだ」と発言。12日付英ガーディアン紙の見出しは「Karl Lagerfeld says only 'fat mummies' object to thin models(カール・ラガーフェルド、痩せたモデルに文句を言うのは太った母さんたちだけだと)」と。

これはドイツのファッション誌「ブリギッテ」が今後は、やせすぎたプロのモデルではなく「普通の、現実の」女性たちだけを誌面で起用すると発表したことに対して、ラガーフェルドが「ばかげてる」と反発してのこと。「フォーカス」というドイツ誌への発言です。

ドイツ誌「ブリギッテ」がやせすぎモデルはもう使わないと宣言したのは、編集長いわく「やせすぎモデルで撮った写真を、普通の女性らしく見せるためにいちいち修正しなくてはならないのが、もう面倒だった」「もう何年も前から、モデルの胸や太ももをフォトショップでふっくらさせていた」のだと。そうだったんですか。

ではなぜ雑誌が、そんなやせすぎのモデルばかり撮影に使うかというと、好きでそうしているわけではなく、デザイナー側がそうさせるのだと。ガーディアン紙の別記事によると今年6月には英国版「ヴォーグ」のアレクサンドラ・シュルマン編集長が、シャネルやプラダなどの主立ったブランドに対して「そちらから送られてくるコレクション・サンプルのサイズがどんどん小さく細くなっていて、やせているモデルを使わないと撮影ができない」「胸もヒップもない、骨張ったモデルを仕方がなく使い、後から写真を修整している」「トップモデルでさえすんなり着られないような、小さいサイズのサンプルばかり送らないでほしい」と苦情の手紙を送ったとして、話題になっていました。英タイムズ紙のこちらの記事によると、あのケイト・モスでさえ、デザイナーたちが送ってくるサンプルが入らないのだと。

…………。かつて「emaciated(ガリガリ)」とか「waif-like(浮浪児のよう)」とまで言われてやせ過ぎモデルの代名詞だったケイト・モスでさえ着られないような服に(いかに30代になってお母さんになったとは言え)、いったいどんな市場価値があるというのでしょう。

にもかかわらず強気なラガーフェルド帝王。3年前には、やせ過ぎのモデルがいるのは業界の圧力のせいではなく、本人たちの個人的問題だと言い切って大批判されています。その上で今回のように「丸い女なんて誰も見たくない」なんてことを言えばさらに反発必至なのは、帝王も分かってるはずだと思うのですが。それでもどうしても言いたかったんでしょうか。ガーディアン記事についている読者コメントで、「そりゃあんたは、丸みのある女らしい女は嫌いかもしれないけどさ」というコメントが次々とついているのが笑えます。

(それからちょっと英語ウンチクですが、上記したガーディアン記事の見出しにある「fat mummies」。これを最初に見たとき「太ったミイラ?」と一瞬、頭の中が「???」だらけになったのですが、記事を読んでつい苦笑。正しくは前述の通り「太った母さんたち」という意味。帝王が母国語のドイツ語で発言したのを、イギリス人記者が訳してこうなったのですね。というのも「mummy」には「ミイラ」という意味と、イギリス語の「ママ」という両方の意味があるので。発音も同じです。まぎらわしいです。アメリカ語の「mommy」と同じ。こちらは発音がちょっと違います。短縮型はイギリス語では「mum」ですが、アメリカでは「mom」です。)

○内臓はどこに…日本向けポスターのありえない体型

かくして、テレビの前でポテトチップスを食べてる太った母さんたちを一気に敵に回したラガーフェルドですが、帝王がなぜそんなことを言ったのかはともかくとして、ファッション業界が世界中の女性たちに喧伝する(もしくは押し付ける)「美」のイメージについては、かねてから「ありえない幻想を押し付けるな」派と「誰だって綺麗なものが好きなんだから、いいじゃないか」派の対立が侃々諤々続いています。

「やせすぎモデル」がらみで最近批判されたのはラガーフェルドだけでなく、ラルフ・ローレンも。問題になったのは何でも日本で使われたポスターだそうで、こちらの英タイムズ紙の記事で見られるモデル写真が、すごく批判されたのです。一目瞭然ですが、あまりにあからさまな修正のし過ぎ(記事を開いて写真の二枚目を観ると、このモデルさんの本来の姿が。十分にきれいじゃないですか)。修正し過ぎた写真ばかり集める「Photoshop Disasters」というブログに取り上げられ、その記事が強制削除されたことから、他のサイトにも取り上げられ、ネットで騒ぎが大きくなり、ついに一般マスコミも取り上げたという典型的なネット対応ミス。いや、ネット対応もひどいですが、そもそもこの修正はひどい。だって頭の幅が腰骨より大きいじゃないですか。

英タイムズのこちらによると、ラルフ・ローレンは騒ぎになったこのポスターのモデルを「契約上の義務が履行できない」ことを理由に解雇したのだとか。このコラムの筆者は「つまり、雇用主の途方もないマーケティング幻想を満足させるために主な内臓を手術で取り除くよりは、いや内臓はあった方がいいと、この気の毒なモデルは判断したのだろう」と。

(全くの憶測ですが日本人としてちょっと気になったのは、これが日本のデパートで使われた宣伝スチルだったこと。日本市場にあふれている一部のアニメやマンガのイメージが影響してないか、と。人類としてあり得ない骨格の絵が日本には溢れていますからね。だから日本で売るには、一部のアニメやマンガのあのファンタジックな体型にした方がいいと、そういう判断だったらイヤですね…)

ファッション・モデルに要求される体型がどんどん細くなっていることに関する議論を、いわゆる「size zero」論争と言います。つまりアメリカの婦人服サイズ「size zero (0号)」が入らないとトップモデルになれないのはおかしいのではないか、という論争です。アメリカの0号は日本の5~7号(しかも、おばさんサイズの7号ではなく、トップブランドの7号です)。それを身長175センチ以上で着るというのですから、いやはや凄い。

タイムズ紙によると、ラルフ・ローレンにアニメ体型に修正されてしまったモデルのフィリパ・ハミルトンは身長179センチで体重54キロ(すごい)。アメリカのサイズ4号なのだとか。にもかかわらず「太り過ぎだと解雇された」のだと。そういえば映画「プラダを着た悪魔」では、最初はサイズ6号で「でぶ」扱いされていた主人公が、どんどん洗練されていってサイズ2号になっていました。つまり日本の11号くらいから、9号くらいに。主役を演じたアン・ハサウェイは公称173センチのようですから、そりゃスリムだわ。

○食べずに死んでいくモデルたち

そして、この「やせている(やせすぎている?)=美」というイメージをファッション業界が喧伝している(あるいは押し付けている)ことについて、欧米ではここ数年、批判が盛り上がっては立ち消えて元に戻り、そしてまたこうやって物議をかもして話題になるというサイクルを繰り返しています。

ひとつの大きなきっかけは、ブラジル出身モデルの急死でした。21歳だったアナ・カロリナ・レストンは2006年11月、拒食症(anorexia)がもとで死亡。身長172センチに対して、体重は40キロ。トップモデルになるため、トマトとリンゴだけのダイエットを続けていたのだとか。同じ年の夏にはウルグアイの22歳モデルがやはり拒食症で、ショーの最中に急死。その半年後には同じくモデルをしていた18歳の妹までが、栄養失調によるとされる心臓発作で急死しているのです。

こうしたことから2006年のミラノ・コレクションやマドリード・コレクションは、BMI18以上のモデルしか出演させないと決定(WHO基準では18.5未満が低体重)。アナ・カロリナの死亡時のBMIは13.4でした(WHO基準ではBMI16未満は「重度の痩せ過ぎ」)。そして2007年9月のミラノ・ファッションウィークでは、イタリアのデザイナー「ノリータ」が、拒食症に長年苦しんできて31キロもないという27歳フランス人女性のヌード写真を「No Anorexia (拒食症にNo)」という衝撃的なポスターにして発表し、ものすごく話題になりました。

けれどもロンドン・ファッションウィークはモデルのBMIを制限せず。そしてラガーフェルドが君臨するシャネルを筆頭に、やせたモデルが美しく着こなすスリムなファッションはまだまだ続き。「size zero」論争も続き(日本では、少女雑誌のモデルたちに憧れる小学生の女の子たちが早くもダイエットを始めるとか、整形するとか、あろうことか母親がそれを勧めるとか、ときどきニュース番組などで話題になっています)。

○商品としての美は常に特権の象徴なのか

なぜトップブランドのデザイナーたちはそこまで、不健康なまでにやせたモデルたちを「美」の象徴として喧伝したがるのか。英タイムズ紙のこのコラムによると、もしかしたら現代の欧米社会では「やせていること=富」だからではないかと。「肥満が貧困と結びついている今の過剰な欧米社会では、痩せていることこそ究極の特権、エリートの象徴なのではないだろうか」と。

なるほど、と思いました。一部の特権階級以外は誰もが肉体労働をして、そしてなかなかお腹いっぱい食べられないことが社会のデフォルトだった時代や社会においては、「ふっくらふくよか」「豊満」であることが美徳でした。豊満であることは、肉体労働をしなくていい限られた富裕層に与えられた特権だったから。ひるがえって今のアメリカやイギリスでは得てして「低価格でおなかがふくれる食事=油まみれ、添加物まみれの加工食品」で、ゆえに「肥満している=安くて質の悪い大量加工食品ばかり食べて、フィットネスにお金をかけられない貧困層」という図式が定着しています。

ファッションとはそもそも特権的なものです。金持ちファッションだったら金持ちゆえの特権。貧乏学生のパンキッシュなストリートファッションだったら、それは若さゆえの特権(安くて誰にでも似合う服がファッショナブルでもあるというのは、実は大変珍しい画期的な現象なのだと思います)。そしてそもそも若者の貧乏ゆえの工夫から出発したものだったとしても、それが「商品としての美」として流通システムに乗るようになった時点から、「そのために金を出せる人」のための特権的なものに様変わりしてしまうのが、ファッション・ビジネスの皮肉です。ラガーフェルドの言う「ファッションとは夢と幻想」という言葉は「ファッションとは経済特権」にも置き換えられると思います。「金で買える夢と幻想」なのだと。

「商品としての美=経済特権が生み出すもの」なのだとしたら、その美しさの定義は社会の金持ちが求めるもの。社会の既得権益の仕組みにびったり寄り添うものなわけです。つまり、金持ちほど良質な食事をしてフィットネスに時間と金をかけられるので痩せていて、貧乏人ほど劣悪な油まみれの食事をしていて不健康に太っているという、欧米社会のこの構図が変わらない限り、「やせすぎモデルはよくない」といくらファッション誌が頑張ったところで、そうは簡単に変わらないのかもしれません。ラガーフェルドの個人的な好みはともかくとして。

(ちなみにこういう話を書くと、お前はどうなんだと言われそうなので、ちょっと書きますと、私はモデルでも女優でもないので、健康を維持しつつも、ビールと餃子と焼き鳥を楽しむ生活を大事にしています)

◇本日の言葉いろいろ

・object to = 文句を言う、反対する
・ mummy = ママ、ミイラ
・anorexia = 拒食症


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国際プロジェクトの必然性

国際プロジェクトの必然性
医療法人社団北原脳神経外科病院 理事長 北原茂実

■今こそ立ち上がるとき-世界の現実を知ろう
■日本の医療を皆保険の呪縛から解き放て
■医療・介護は見方を変えれば国を支える基幹産業、戦略産業である
■海外進出が我々にもたらすもの
■高齢化社会の未来は明るい
                                                              
■医療法人法の問題点-利益を上げない組織が本当に世のため 人のためになりうるか


■今こそ立ち上がるとき-世界の現実を知ろう  医療の海外展開は世界の潮流

 医療崩壊が言われて久しいわが国ですが、その原因の最たるものは実は「鎖国」です。

  鎖国の意味は、単に患者や医療者・医療サービスのやりとりを国が制限していることにとどまりません。海外の現状を役人もマスコミも見ようとせず、欧米の医療・医療制度がさも優れているかのような錯覚を国民に持たせて、日本の医療・医療者を悪者にすることによって医療費抑制を図ろうとしていることを指します。

 その浅い似非正義感によって、もくろみ通り医者の地位・収入はさらに低下し、 総医療費は減るかもしれませんが、国民に訪れるのは1億総医療難民化、医療パニックといっても過言ではありません。

 どの先進国も寿命が延びて子供を生まなくなった昨今、世界は医療・介護についても安い人件費を求めて、めまぐるしく流動化しています。

 日本もイギリス型崩壊路線を歩めば(このまま手をこまねいていれば最も類似してくるのはこのタイプです)、日本に命を預けられるようなまともな医療者はいなくなり、国がどんなにがんばってもアジアからの移民がどんどん入ってくるでしょう。

小金持ちの患者はタイ・韓国・ 中国に行くかも知れません。その片鱗は右のサイトを開いてもらえばわかります。

 もう、この辺で日本の医療者自らが国際化に向けて立ち上がらなければどうしようもないところまで来てしまっているのです。

1) 韓国の実情
ついに国家プロジェクトが成立
株式会社が巨大な病院を運営
技術を開発すると同時に効率化を達成


ウリドゥル病院
日本人患者様用 椎間板ヘルニア
施術パッケージ(2泊3日)80万円

2) タイ、シンガポールの実情

医療ハブが120万人を超える外国人入院患者を確保
⇒一大輸出産業に

Bumrungrad病院
phukethospital

3) フィリピンの実情
出稼ぎ医療労働者が外資を稼ぐも国内医療は崩壊
類似の現象はアフリカ諸国にも 

 

イギリス医療供給体制の崩壊
外国人医師・看護師に頼らざるを得ない現実

4) あまりにも資本主義に忠実なアメリカ
その格差をまねる中国

アメリカ:個人破産の半数は高額な医療費が原因

医療を戦略産業と捕らえるキューバ
お金が無いなら知恵をだせ!

■日本の医療を皆保険の呪縛から解き放て
 時代の変化を受け入れよう、問題があるなら何かを変えよう、という動きは必然です。しかし、多くの日本国民や医師会がどうしても固執し、それを守らんがために却って泥沼にはまってしまっているもの、それが「国民皆保険制度」です。

 これが、良い働きをした時代は終わりました。右の図を見るまでもなく、使う人より払う人が少ない保険が成り立つわけがありません。

 今後老人化する 団塊の世代は一学年240万人、対する小学生は一学年120万人、介護も医療もお金・人材ともに間に合うわけがないのです。そして、進む貧富の差、階層化。若者もニートやフリーターが増えて、保険料を払えなくなっています。

 事実、東大阪市では健康保険未加入者は26%に及びます。それなのに、国民の意識は古きよき時代のままです。行き場のなくなった老人患者を、お金も払わずに病院に押し付ける息子・娘の姿は今、日本全国で珍しくありません。

 そして、保険料さえ払っていれば、どんな要求も通ると考えている患者も増えました。高度化・高額化する医療サービスを従来の感覚で当然のように手に入れようとする国民意識を今変えなければ、日本は本当につぶれます。

 パチンコや、葬式、アウトレットモール、ディズニーランドにはお金を惜しまず落とすのに、何よりも大切な命に出し惜しみをすることの愚を、悟るべき時がきたのです。
 
■医療・介護は見方を変えれば国を支える基幹産業、戦略産業である

 これまでイスラエル製品が多かったジェネリックは最近インド製が非常な勢いで伸びています。とうとう日本のメーカーでインドの会社に買収されるところも出てきました。

 一見国産の機器・材料も、生産拠点を中国に移していたり、部品のほとんどをカンボジアで作っていたり、もはや完全輸入産業化しつつあるわが国の医療。起死回生の対策は、単純な製品ではなく技術や制度の輸出しかありません。

 実は、日本の医療費は欧米のみならず北京やバンコクに比べても低価格。MRI一つとっても撮影料は日本のほうが安いのです。

 優れた医療技術、患者に対し平等にていねいに接する態度、間違いが少なく行き届いた管理、こういった日本に居れば当たり前のように思っている医療者の素晴らしさを、システムごと輸出すれば海外に高く評価され喜ばれるのは確実です。

 これまで莫大な費用をかけてきたODA、しかし人を送らずその後のめんどうを全く見なかった政府と国内大手医療機器メーカーの罪は重大です。どこの国も日本製品を買わなくなりました。お役所の常で、誰も責任をとろうとしませんが、考え方さえしっかりしていたら、今、原油高に悩む日本ではなかったかもしれません。

 今後は、同じ轍を踏んではいけません。相手国・人々に喜んで買ってもらえる製品のみならず、技術とサービス、信頼を輸出していきましょう。そして、医療福祉がお荷物の立場から外貨を稼ぐ戦略産業へと変わっていかなくてはならないのです。
 


■海外進出が我々にもたらすもの


 今、当法人は中国を足がかりとして、アジアを中心に海外進出の活動を開始しました。

 具体的な案としては、在留邦人向けの診療所から始まり、大手私立病院との提携、新規リハビリ施設の開設、現地病院への医療コンサルなどです。

 
活動が実を結べば、利益は一法人の自己完結に終わらず、日本の医療を関係者みんなが、現実を見つめなおすきっかけを作ることでしょう。

 また、相手国との良好な関係は真の民間外交になるに相違ありません。事業が成功すれば、一部の富裕層のみならず、アジアの一般的な人々を手助けすることもできるはずです。
・海外の現実的情報が広がることにより、医療を「限りなくタダに近いもの」と思うとんでもない間違いにみんなが気がつく

・日本の医療の良い部分を世界に広げることができる

・医療を産業としてとらえることにより、日本は外貨を稼ぎ、国内外に雇用が生まれる

・各国が高齢化社会を支えるための、知恵と得意分野を出し合える

・時代遅れになった国内の医療制度の改革、自由化、公平化を図れる
■高齢化社会の未来は明るい
 日本の上空をおおう閉塞感、その正体は“自立して人の役に立つ喜び”を見出せない人、奪われた人のなげきです。

 バングラデシュのNGO BRACをご存知でしょうか?貧困層にお金をばらまいても、何も生まれません。自立して稼ぐことにこそ喜びがあり、生きる意欲がわくのです。

 日本の高齢者は、今後自力のある生産消費者として社会を支えるべきです。 医療・福祉の市民運営化・国際化はその第一歩となるでしょう。

 日本の未来は明るい、と私は信じて疑いません。
 
施しは感謝や満足を生まない
   -コンプレックスの裏返しとしての開き直りやつけあがりを生むだけ

・ 「明るく楽しく前向きに」、「独立自尊の精神を」、が国を救うキーワード

・日本の老人は世界より15歳若い!

・供給者と受給者の垣根をなくす-国際化は助け合いと自立を育む

■医療法人法の問題点-利益を上げない組織が本当に世のため 人のためになりうるか

 さて、「稼いでこそのやりがい、誇り、社会貢献」ですが、この考えと真っ向から対立するのが医療法人法です。これがあるがために、病院は企業としての自覚と主体性をなくしてきました。

 病院は利益をあげてはならない、この考えを曲解したのかほとんどの公的病院では赤字経営です。しかし、赤字経営の組織がはたして人々に満足の行くサービスを提供できるものでしょうか?

 これから、多くの病院が、IT化と同じくらいの必然性を持って、国際化に立ち向かわざるを得なくなるでしょう。そのときには医療法人法の改正が必要になってくるかもしれません。

 いずれにせよ、避けられない波をどう乗り越えるか?官民合わせた協力が必要になってくることでしょう。

医療法人社団北原脳神経外科病院 理事長 北原茂実

医療法人社団北原脳神経外科病院



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