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丸い石

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共通テーマ:日記・雑感

最初の女が一番いい女だった

先輩は書きました

*****
最初の女が一番いい女だった

二番目の女が二番目にいい女だった

だんだんつまらない女になっていって

最近になると腹がたつばかりだ

どうしてかなと考えてみた

バブルの頃はいい女が多かったのかなとか

そんなことはない

年をとって自分がつまらない男になったから

ふさわしい程度のつまらない女しかそばにいなくなったのだと

深く認識した

若者は最初の異性を大事にすべきだ

だんだんつまらなくなっていく


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オフラインストレス障害

こんな記事もあり
ーーー
あなたに「オフラインストレス障害」の症状はあるか?

ネット中毒もしくは IAD(Internet Addiction Disorder:ネット中毒性障害)の話は良く聞くだろう。中国、そして米国全土にも、患者救済のための宿泊施設や更生診療所が設置されている。

通常の生活(仕事や人間関係など)に支障を来すほどインターネットを利用しすぎるとネット中毒と診断される。ネット中毒は実在の病名だ。例えば、Newsweek ではネット中毒で住む家を失った男性に関する記事を伝えている。

一方、筆者はこれと関連するある疾患に気付いた。定着した病名はまだない。ここではとりあえず「Offline Stress Disorder」(OSD:オフラインストレス障害)と呼ぶことにする。これは、インターネットを使わないこと、もしくはインターネット回線が利用できないことを知って精神的もしくは感情的に不安定な状態になるという病気だ。

どこが違うのだろう? OSD は、通常の生活に対する支障の有無にかかわらず存在する不安感である。必ずしも人を衰弱させるものではない。そして、はるかに一般的なものだ。

例えば、筆者の周辺には深刻なネット中毒患者は1人もいないはずだ。しかし、筆者の知人の半分は OSD にかかっている。実際(もしあなたが技術に関心のある有職者ならばという話にはなるが、この Web サイトをご覧になっているのだからそうだろう)、あなたもネット中毒ではないだろうが OSD にはかかっているかもしれない。

また、これは筆者が想像で述べていることでもない。Virgin Media が1,000人の英国民を対象に実施した調査によると、その3分の1は携帯電話やインターネットが接続不能になるとストレスを感じるという。そして3分の2は、インターネットにアクセスできることが分かっていると「より安心できる」と回答した。

また、英国人よりも米国人の方が困窮している。2008年に Solutions Research Group (SRG)が実施した調査(PDF)によると、定期的ではないものの、アメリカ人の41%がインターネットに接続できないことで不安を感じ、さらに27%が「強い」もしくは深刻な不安を訴えている。

この調査は回答者に対し、インターネットに接続されていないことで感じる気持ちを説明するよう求めた。彼らの回答には「狼狽」、「パニック」、「自由の喪失」、「放心状態」、「無力」、そして「空虚」というものまであった。

筆者もちょっとした独自「調査」をしてみた。ソーシャルネットワークの友人に OSD 症状の有無を尋ねたところ、多くがこの障害があることを認めたのだ。ある友人は、前日の嵐でインターネットにアクセスできなくなった際に「空虚」や「締め出された感じ」があったという。また、もう1人は「目の前の世界が急に消滅する恐怖」を感じたという。

友人の1人で、IT 系ラジオ番組でパーソナリティーを務める Carey Holzman 氏には、自分が OSD であることを発見した面白い経緯を聞いた。「バーニングマンのイベントを見に行ったとき、ネットに接続して連絡を試みるのに必死になり、より良好な電波を求めて RV 車のルーフにまでよじ登った。ノート PC を手に持って RV 車のハシゴを上るのは言葉で言うより容易ではない。そのとき、自分が病気だと認識した…(笑)」というのだ。

筆者はここ最近 OSD のことで頭がいっぱいだ。そして、思いも寄らない人がこの病気にかかることに気付いた。

当然、OSD からはニュース速報や最新トレンドを知ることが仕事だったり喜びだったりする技術マニアやニュース中毒者(筆者は図らずも両者である)などの人を思い浮かべる。

しかし2年前から、筆者は技術嫌いの人々でさえも OSD になることに気付いた。オンラインであることを不安に感じていた人々が、今はオフラインであるときに同じ気持ちになってしまうのだ。

これは2つのトレンドが原因だと思っている。iPhone と Facebook だ。ただ、理由はそれぞれに大きく異なる。

● iPhone が OSD を引き起こす理由

携帯電話でインターネットにアクセスすることは何年も前から可能だった。iPhone が違うのは高解像度の大画面と iPhone アプリケーションの魅力の組み合わせだ。iPhone は Facebook や Twitter アプリケーション、もしくは数千種類の iPhone アプリを使うことでインターネットからのデータ取得をかなり容易にする。

iPhone で最も魅力的な「アプリ」の1つが App Store アプリそのものだ。iPhone を持ち運ぶ人ならだれでも、8万種類(今週にはもうすでに数が変わっているかもしれない)のなかで知らない iPhone アプリがいくつかあっても間違いなくそれを喜んで使うだろう。

言い換えれば、iPhone は(何よりも)接続用マシンになったのだ。われわれは、四六時中接続されていることに慣れてしまい、この環境への順応が接続できないときの不安につながっているのだ。

● Facebook が OSD を引き起こす理由

筆者は約1年前、この分野に関する「Social Networking:What Are‘Friends’For?」(SNS:「友だち」は何のため?)という記事を書いており、そのなかで、Facebook などのソーシャルネットワーキングサイトの最大のメリットは、人間関係の質ではなく量を高めることだと述べた。

現実の世界では、せいぜい数百人程度しか真の関係は築けない(相当な社交家でも200人程度だろう)。なかには10人、あるいはそれ以下としか付き合いがない人もいる。

しかし、Facebook では数千人の「友だち」と連絡を取り合うことができる。おっ、元同僚のところに最近双子が生まれた、弟夫婦が「Couples Retreat」を観に行くようだな(きっと後悔するぞ)、高校時代の友人がマラソン出場に向けてトレーニングしているぞというように、ホームページをチェックし、友人のプロファイルをたまにざっと閲覧するだけで、だれがだれと何をしているのかがすぐに分かる。

ごくありふれたことが人と人を結びつける。ソーシャルネットワークは、われわれが生まれながらに持つ強い願望である社会における結びつきを数に増殖させる。だがその結果として、その雑談に参加できなくなったときにストレスを感じる人もいるのだ。

あなたは OSD にかかっているだろうか? もしそうならば、それによりどのような感情になり、どのようなことが起こるだろうか。ぜひ教えていただきたい。

さて、申し訳ないが iPhone で Facebook をチェックしなければならないのでここで失礼する。どうしても今すぐでなくてはならないのだ。


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ネットに時間を使いすぎると人生が破壊される。


ネットに時間を使いすぎると人生が破壊される。人生を根底から豊かで納得のいくものにしてくれる良書25冊を紹介   186


ネットに割り当てる時間配分を間違えなければ、ネットは人生を豊かにし、自分の未来を切り開く力をくれます。

しかし、ネットに多くの時間を使いすぎると、人生を根幹から豊かで納得のいくものにしてくれる良書を読む時間を失い、自らの人生を破壊し、未熟なまま老いてしまう危険があります。



「優れた書籍」と「はてなの人気エントリに上がるような記事」との落差は、ギアナ高地の断崖絶壁どころではありません。





もちろん、分裂勘違い君劇場のような、薄っぺらくて、矛盾だらけで、勘違いしまくってて、長いだけでろくに内容のない記事ばかり掲載するうんこブログは、優れた書籍とは、比較すること自体がもはや犯罪です。



しかし、分裂勘違い君劇場より1000倍優れている梅田望夫氏や小飼弾氏の本やブログといえども、図書館や書店に並ぶ良書の前には、やはり、ゴミより幾分マシだという程度の価値しかないのです。

優れた書籍のレベルとは、それほどのものなのです。



たとえば、これから到来しつつある「大変化の時代」に対する洞察については、梅田氏や小飼氏の洞察のレベルは、トフラーやドラッカーの足元にも及びません。いや、足の裏の皮にすら達しないかもしれません。それらを真剣に吟味・咀嚼しながら読みおわると、梅田さんの本を読んで、「Webは世界を変える!新しい時代が来る!僕たちの時代だ!」などと興奮していた頃が懐かしくなるかもしれません。



豊かな生き方、人生の切り開き方についても、梅田氏や小飼氏の見識は、マズロー*1やデールカーネギーの見識に比べれば、やはり比較になりません。人間に対する洞察、人生の意味と価値についての洞察については、ニーチェの放つ凄まじい思考の圧力に比べると、圧力計の誤差の範囲内です。

 
人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ

作者: A.H.マズロー, 小口忠彦 
出版社/メーカー: 産能大出版部 
発売日: 1987/03/10 
メディア: 単行本 
購入: 5人 クリック: 25回 
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道徳の系譜 (岩波文庫)

作者: ニーチェ, Friedrich Nietzsche, 木場深定 
出版社/メーカー: 岩波書店 
発売日: 1964/10 
メディア: 文庫 
購入: 3人 クリック: 12回 
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それらを読むと、梅田氏の本やブログを読んで、「ぼくたちは人生は自分の力で切り開ける!好きなことをやって生きていけるんだ!」と無邪気に思っていた頃を遠い目をして思い出すかも知れません。*2



もちろん、梅田氏の著作は、読む価値がある優れた書籍です。ただ、彼の最初の著作であるWeb進化論をせいぜい2~4時間程度かけて読めば、それで十分でしょう。それ以上の時間をかける価値はありません。トフラー、ドラッカー、マズロー、デール・カーネギー、ニーチェを自分の血肉になるまで咀嚼した後なら、そのことが理屈抜きに分かるようになると思います。

 
ツァラトゥストラ (中公文庫)

作者: ニーチェ, 手塚富雄 
出版社/メーカー: 中央公論新社 
発売日: 1973/06 
メディア: 文庫 
購入: 1人 クリック: 110回 
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善悪の彼岸 (岩波文庫)

作者: ニーチェ, Friedrich Nietzsche, 木場深定 
出版社/メーカー: 岩波書店 
発売日: 1970/01 
メディア: 文庫 
購入: 2人 クリック: 5回 
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また、社会、経済、カネ、格差について語る小飼氏の記事や書籍を読む時間があれば、まずはマンキューの教科書を血肉になるまで咀嚼し、クルーグマンの一般向け書籍、トフラー、ドラッカー、ニーチェを読みまくった方が、はるかに良いと思います。そのあと、日本経済について知るための、さまざまな日本の経済学者の書いた本を読んで、日本経済についての見識を深めていくのが良いと思います。あらゆる権力を徹底的に批判し尽くしたニーチェを精読・咀嚼せずにに格差を語れば、話が表層的になってしまうのも不思議はありません。彼は、強者と弱者、正義と真理、善と悪に潜む背後の汚物をとことんまでえぐり出し、解体しつくし、それを乗り越えて価値を創造しようとしたのです。そのプロセスを踏まずに格差を語るから、話が浅はかになるのです。

 
ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる

作者: P・F・ドラッカー, 上田惇生 
出版社/メーカー: ダイヤモンド社 
発売日: 2002/05/24 
メディア: 単行本 
購入: 13人 クリック: 59回 
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グローバル経済を動かす愚かな人々

作者: ポールクルーグマン, Paul Krugman, 三上義一 
出版社/メーカー: 早川書房 
発売日: 1999/01 
メディア: 単行本 
購入: 5人 クリック: 6回 
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また、社会や経済についての小飼氏の議論は、概念や言葉の定義が現代経済学の専門用語との互換性がないために、まったく発展性がありません。たとえば、彼の使う「インフレ」という言葉の定義は、経済学者のそれとは違います。彼の定義する、おカネの価値も、経済学者のそれとは違います。だから、彼が経済学者と議論しても、ろくに話がかみ合いません。小飼弾氏のブログや本をいくら読んでも、経済の専門概念や用語を使って書かれた、見識の深い経済学者達の本を読めるようにはなりません。

それに比べると、マンキューの教科書はすばらしく発展性があります。そこで語られている概念や用語は、世界中の優れた経済学者たちの展開する議論と共通のものですから、マンキュー経済学を読むことで、世界中の優れた経済学関連の書籍を読むための堅牢な土台が構築され、あとは読めば読むほど見識が深まっていくのです。

 
マンキュー経済学〈1〉ミクロ編

作者: N.グレゴリーマンキュー, N.Gregory Mankiw, 足立英之, 小川英治, 石川城太, 地主敏樹 
出版社/メーカー: 東洋経済新報社 
発売日: 2005/09 
メディア: 単行本 
購入: 11人 クリック: 20回 
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マンキュー経済学〈2〉マクロ編

作者: N.グレゴリーマンキュー, N.Gregory Mankiw, 足立英之, 小川英治, 中馬宏之, 石川城太, 地主敏樹 
出版社/メーカー: 東洋経済新報社 
発売日: 2005/09 
メディア: 単行本 
購入: 5人 クリック: 4回 
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また、トフラーやクルーグマンが行う経済学批判が極めて本質的なものであるのに対し、小飼氏の行う経済学批判は、そのほとんどが、すでに過去にさまざまな経済学者によって行われてきた陳腐なものか、単なる経済学の無理解と偏見の産物か、的外れの批判のいずれかであり、とくに見るべきところはありません。

経済学の効用、限界、問題点については、小飼氏よりも、経済学者たちの方が、はるかに深く理解しています。

 
富の未来 上巻

作者: A.トフラー, H.トフラー, 山岡洋一 
出版社/メーカー: 講談社 
発売日: 2006/06/08 
メディア: 単行本 
購入: 2人 クリック: 41回 
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富の未来 下巻

作者: A.トフラー, H.トフラー, 山岡洋一 
出版社/メーカー: 講談社 
発売日: 2006/06/08 
メディア: 単行本 
購入: 1人 クリック: 20回 
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それに加えて、小飼弾氏はあれほどの本を読みながら、哲学というものをまるで理解していません。


なぜ哲人たちが、死に恐怖しつつも死に挑戦しないか、私にもわかる。少なくともわかるような気がする。

<略>

哲人は他者の生を押しのけてまで得る「不死」を、「非モテ」は他者の愛を押しのけてまで得る「モテ」をそれぞれ嫌悪しているというわけだ。私はそれをHumility、謙虚と呼んでいる。立派な見識であるとも思う。

こういう意味での「謙虚」であらねばならない、ということを前提とするなど、哲学者としてはありえないことです。謙虚であることを好むために、謙虚な結論を出すように論理を展開するとしたら、そんなものは哲学でも何でもありません。哲学というのは、徹底的に容赦のない思考です。あらゆることに対して容赦がないのです。自分に対しても、他人に対しても、悪に対しても、善に対しても、強者に対しても、弱者に対しても、希望に対しても、絶望に対しても、幸福に対しても、不幸に対しても、人間の最高価値に対してすら、容赦なく徹底的に分析・追求するのです。哲学自身ですら、その追究の対象から逃れる特権的地位にはいられないほど容赦がない思考なのです。

哲学とは、道徳的とか、謙虚とか、役に立つかとか、そういう一切の制約の外側で、ゼロリセットで思考することです。倫理にも実用性にもしばられず、一切のタブーを設けず、「ほんとうのところはどうなのか?」を徹底的に突き詰めるのが、哲学的思考なのです。哲学者は、人間の倫理や常識を超越して思考するから、哲学者なのです。結果的に謙虚な行動という結論が出たとしても、あくまでそれは突き詰めた結果たまたまそこにたどり着いた結果に過ぎず、哲学者が道徳的に気高いためにその結論に達したわけではないのです。



これは、哲学の基本中の基本で、これらの徹底した思考よって生み出されてきた多くの成果が、われわれの社会の根幹を支え、形作っています。それは、あらゆる学問、文化、社会制度を根本のところで支えているのです。彼は何千冊もの本を読みながら、そのいちばん肝心なところを理解していないのです。そういう人が、人間と社会についての洞察や見識をいくらブログ記事や書籍に書こうが、それがなかなか深い物になりにくいのは、当然のことでしょう。彼の本やブログより、優先して読むべき書籍があるのは、当然のことなのです。



それから、小飼弾氏の本の読み方は、単に本を精読・咀嚼しない、というだけでなく、自分を破壊しない、出血しない読み方なのではないかと想像します。だから、小飼氏は、いくら本を読んでも、小飼氏のままなのではないでしょうか。ひたすら知識が増え、視野が広がるだけの読み方です。ひたすら、土台の構造はそのまま直線的に進歩発展していくだけの読み方です。本の内容が自分の内臓に突き刺さり、大出血を起こしながら、死闘を行うような読み方をしないのです。土台からぶっ壊され、建物の根本構造が変形してしまうような読み方をしないのです。だから、多くの場合、本は、小飼氏の精神世界をすっと通り過ぎ、いくつかのインスピレーションをもたらすだけのものに過ぎなくなってしまうのではないでしょうか。

それが、何千冊本を読んでも、小飼氏の人間と社会の理解がこのようなものである理由なのではないかと想像します。




それから、マズローを知らない方々のために、マズローの簡単な紹介を。

マズローが目指したのは「第三の心理学」です。マズロー以前に心理学は2つありました。精神病の人を研究する心理学と、客観的データを統計処理して平均的な人間の行動の法則性を解き明かそうとする、行動科学的な心理学です。

すなわち、病人の心理学と、平均的な人間の心理学ががあったわけです。

しかし、陸上競技において、速く走る方法を知りたいなら、病人を研究するでしょうか?平均的な人間を研究するでしょうか?

そうではないでしょう。オリンピック選手の走り方を研究するべきなのではないでしょうか。

すなわち、マズローの行ったのは、最高に健康な精神の研究です。人間性の最高の高みの研究なのです。

人間の中に眠る、最高の可能性を限界まで引き出し、花開かせる研究なのです。

 
マズローの心理学

作者: フランク・コーブル 
出版社/メーカー: 産能大出版部 
発売日: 1972/01 
メディア: 単行本 
購入: 1人 クリック: 1回 
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完全なる経営

作者: アブラハム・マズロー, 金井寿宏, 大川修二 
出版社/メーカー: 日本経済新聞社 
発売日: 2001/11/30 
メディア: 単行本 
購入: 4人 クリック: 11回 
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もちろん、トフラー、ドラッカー、マズロー、デール・カーネギー、ニーチェ、クルーグマン、マンキューだけではまるで十分ではありません。それらは、入り口に過ぎないのです。たとえば、科学とニセ科学についてなにかの記事を書く前に、大森荘蔵は読んでおいた方がいいと思います。



また、これらの多くは、それほど難解な本でもありません。デール・カーネギーはずいぶん昔から世界中で愛読されている自己啓発本の定番ですし、マンキューの経済学の教科書は、高校を出たばかりの少々出来の悪い文系の大学生でも十分に読めるでしょう。トフラー、ドラッカー、マズローも、とくに専門知識無く読むことができます。クルーグマンの一般向け書籍も、楽に読めます。

 
人を動かす 新装版

作者: デールカーネギー, Dale Carnegie, 山口博 
出版社/メーカー: 創元社 
発売日: 1999/10/31 
メディア: 単行本 
購入: 41人 クリック: 178回 
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道は開ける 新装版

作者: デールカーネギー, Dale Carnegie, 香山晶 
出版社/メーカー: 創元社 
発売日: 1999/10 
メディア: 単行本 
購入: 12人 クリック: 69回 
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もちろん、もっとずっと軽い本でも、アルファブロガーの記事や本なんぞより、はるかに良質な本がたくさんあります。



たとえば、いきなりニーチェを読む気力が湧かないなら、竹田氏や永井氏のニーチェ解説本から読み始めてもいいと思います。ニーチェの原文の翻訳を直接読んでもそれなりに分かりやすいし、やっぱり訳本を直接読んだ方が、解説本では得られない深い味わいを得られます。というか、解説本は、ニーチェそのものではなく、竹田氏のニーチェ解釈、永井氏のニーチェ解釈であって、ニーチェそのものとは別物として読んだ方がいいと思いますが。

もちろん、ニーチェばかりにこだわると偏ってしまうので、さまざまな哲学エッセーを読むことで、より深く自分の人生に納得し、人間と社会の奥深さを、日々豊かに味わうことができるようになります。

 
ニーチェ入門 (ちくま新書)

作者: 竹田青嗣 
出版社/メーカー: 筑摩書房 
発売日: 1994/09 
メディア: 新書 
購入: 6人 クリック: 20回 
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これがニーチェだ (講談社現代新書)

作者: 永井均 
出版社/メーカー: 講談社 
発売日: 1998/05 
メディア: 新書 
購入: 3人 クリック: 15回 
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ポジティブで建設的で健康な考え方が好きな人なら、竹田氏や西氏の書いた哲学エッセーが向いているかもしれません。

ポジティブな考え方には反吐が出る、徹底した絶望を逃げずに直視したいという人なら、中島義道氏がいいでしょう。

建設的だの役に立つという考え方などクソ食らえという人は、永井均氏の本が肌に合いそうです。



自分が存在するとはどういうことか?生きているということはどういうことか?死ぬとはどういうことか?自分とはなんなのか?世界とはなんなのか?その答えを自分はすでに知っているという思いこんでいる人には、永井均氏の転校生とブラックジャックは、いったい何を問題としているのかピンとこないと思います。しかし、そうでない残りの人たちにとっては、この本は、生と死と世界の意味についての高密度な思考を楽しめるかもしれません。

 
転校生とブラック・ジャック―独在性をめぐるセミナー (双書・現代の哲学)

作者: 永井均 
出版社/メーカー: 岩波書店 
発売日: 2001/06 
メディア: 単行本 
クリック: 6回 
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主観は客観をいかにして認識できるか、という問題に結論がついている、主観は客観を認識できないのだ、と思いこんでいる人は、大森荘蔵を読めば、主観-客観という問題設定そのものが、思考の錯覚だったと気がつき、世界が違って見えるようになるかもしれません。

 
知の構築とその呪縛 (ちくま学芸文庫)

作者: 大森荘蔵 
出版社/メーカー: 筑摩書房 
発売日: 1994/07 
メディア: 文庫 
購入: 3人 クリック: 2回 
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幸せを求めて一生懸命な人たちの自己欺瞞にうんざりしている人なら、中島義道氏の「不幸論」はうってつけです。自分は不幸なのだから、不幸な自分をごまかして幸せになったと思いこむより、血の出るほど不幸を直視して生きる方が、はるかに豊かな人生を味わえるという可能性に気がつくかもしれません。

 
不幸論 (PHP新書)

作者: 中島義道 
出版社/メーカー: PHP研究所 
発売日: 2002/10 
メディア: 新書 
購入: 2人 クリック: 6回 
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「哲学実技」のすすめ―そして誰もいなくなった・・・ (角川oneテーマ21 (C-1))

作者: 中島義道 
出版社/メーカー: 角川書店 
発売日: 2000/12/01 
メディア: 新書 
クリック: 11回 
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また、哲学エッセーばかり読んでいても、人生が貧しくなります。

優れた文学やノンフィクションは、理屈っぽい哲学を、軽々と超越する何かがあります。

哲学は人間の精神の骨格を作り上げますが、文学やノンフィクションは、その人間の精神の骨格を、脈動する血肉で満たします。

いや、それ以上の何かです。



たとえば、トリイ・ヘイデンはすばらしいです。

精神障害児や知恵遅れの子供たちを教える特殊学級で教える教師の体験記(実話)ですが、著者の天賦の文才も加味して、全精神を乗っ取られるほど話に引き込まれます。障害児の世界からは、通常の人間世界以上に人間の本質が伝わってきます。

とくに「よその子」は、魂を引き裂かれるほど感情移入しました。涙が止まりませんでした。読後、しばらく茫然自失しました。

 
よその子―見放された子どもたちの物語 (トリイ・ヘイデン文庫)

作者: トリイヘイデン, Torey L. Hayden, 入江真佐子 
出版社/メーカー: 早川書房 
発売日: 2004/10 
メディア: 単行本 
購入: 3人 クリック: 6回 
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<トリイ・へイデン文庫>シーラという子--虐待されたある少女の物語 (ハヤカワ文庫 HB)

作者: トリイ・ヘイデン, 入江真佐子 
出版社/メーカー: 早川書房 
発売日: 2004/06/10 
メディア: 新書 
クリック: 2回 
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ジャックロンドンの「どん底の人々」は、1902年のロンドンの貧民街の潜入レポートです。

野放しの資本主義がどれほどすさまじい暴力装置、いや、屠殺装置となるのかが生々しく伝わってきます。

100年以上前のルポルタージュなのに、つい最近のことのように、筆者の行動を追体験できます。

 
どん底の人びと―ロンドン1902 (岩波文庫)

作者: ジャックロンドン, 行方昭夫 
出版社/メーカー: 岩波書店 
発売日: 1995/10 
メディア: 文庫 
クリック: 2回 
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それと、祖母・母・娘と三代が、中国の近現代の激動の歴史を生き抜いた自叙伝として

生き生きとした描写が面白く、歴史のうねりを感じさせるのが「ワイルド・スワン」ですね。

 
ワイルド・スワン〈上〉

作者: ユンチアン, Jung Chang, 土屋京子 
出版社/メーカー: 講談社 
発売日: 1993/01 
メディア: 単行本 
クリック: 2回 
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ワイルド・スワン〈下〉

作者: ユンチアン, Jung Chang, 土屋京子 
出版社/メーカー: 講談社 
発売日: 1993/01 
メディア: 単行本 
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たとえば、我々は、仕事でも、生活でも、ネットでも、誰がどう悪くて、何がどうして正しいのか、対立したり批判したり同意したりすることがありますが、この善悪の価値判断基準はどこから来たものなのでしょうか?何が正義で、何が悪であるかを究極的に決めているものの正体は、なんなのでしょう?

これについて、善悪の価値判断基準は、全て文化の産物に過ぎない、と主張する人もいますが、進化人類学の本をいろいろ読んでいくと、それが浅はかなものの見方であることがだんだん分かってきます。

正義も悪も、多分に進化論的プロセスの産物であるところがあり、我々の本能レベルに組み込まれている情動や感覚と切り離して考えることはできません。我々の道徳観念は、数百万年に及ぶ進化の過程で獲得されてきた形質が核となっている部分が、想像以上に大きいのです。そして、類人猿や狩猟採取民族の行動、文化、社会を観察・分析し、進化の産物としての人間性、倫理、文化、人間関係、社会を研究する学問が、進化人類学です。

その進化人類学の入門としては、立花隆氏の「サル学の現在」や、フランス・ドゥ・ヴァール氏の著作が優れています。

 
サル学の現在 (上) (文春文庫)

作者: 立花隆 
出版社/メーカー: 文芸春秋 
発売日: 1996/01 
メディア: 文庫 
Amazon.co.jpで詳細を見る 
 
政治をするサル―チンパンジーの権力と性 (平凡社ライブラリー)

作者: フランスドゥ・ヴァール, Frans De Waal, 西田利貞 
出版社/メーカー: 平凡社 
発売日: 1994/06 
メディア: 新書 
Amazon.co.jpで詳細を見る 
 
利己的なサル、他人を思いやるサル―モラルはなぜ生まれたのか

作者: フランスドゥ・ヴァール, Frans De Waal, 西田利貞, 藤井留美 
出版社/メーカー: 草思社 
発売日: 1998/01 
メディア: 単行本 
購入: 1人 クリック: 1回 
Amazon.co.jpで詳細を見る 


きりがないので、この辺でやめておきますが、ここで紹介したのは、読む価値のある本の、ほんの一部に過ぎません。

言いたいのは、ネットに時間を使いすぎると、それらの価値ある本を読む時間を失う、ということです。




アルファブロガーというのは、証券化バブルにそっくりなところがあります。アルファブロガーバブルです。

証券化バブルは、証券化された金融商品を人々がその金融商品の実体的な価値をしっかり吟味せずに値段をつけ、転売を繰り返したために、実体経済と大きく乖離した値段が付けられ、バブルとなって崩壊しました。

アルファブロガーバブルはこれに似ている側面があります。アルファブロガーの見識のレベルを人々が十分に吟味しないままそこに群がるから、アルファブロガーバブルが起きてしまうのです。*3



バブルが終わってみれば、アルファブロガーは、普通の人とさほど変わらないことがわかると思います。

彼らはダメ人間ではないですが、超人でもありません。

彼らは善人でもなければ、悪人でもありません。

ただただ、普通の人なんです。



そうして、「普通の人」として、彼らを見てみれば、彼らはなかなか良くやっているということが分かります。

「普通の人」としては、じつにすばらしい記事を書くし、すばらしい本を書く。

すばらしい「普通の人」なんです。

アルファブロガーバブルが起きず、人々のネットと読書とリアルな仕事と生活の時間配分さえ適切になるのなら、

彼らはネットを豊かにしてくれる、ネットには欠かせない存在なのです。



もちろん、分裂勘違い君劇場というブログは、一貫性がなく、勘違いしたことばかり書いている、

アルファブロガーの1000分の1の価値もないうんこブログですから、

そんなブログに何を書かれようが、彼らは歯牙にもかけないでしょうが。



ともあれ、ネットに時間を使いすぎていると思われる方は、

この際、ネットの時間を減らし、良書を読む時間を増やしてみてはいかがでしょうか。



おそらくその方が、ネットの記事も今までの何倍も深く楽しく読めるようになり、

世界が全く変わって見えることと思います。

人生も、はるかに深く豊かで心から納得のいくものになっていくかもしれません。



あと注意点ですが、私は、上記に挙げた書籍の内容が正しいとも思っていませんし、賛同もしません。また、正しいと思ったり、賛同したりすることもお勧めしません。あくまで、人生の刺激や肥やしとして利用価値がある、という話です。たとえば、以下のような問題点があります。

・初心者にはニーチェは有害だ(ニーチェは、過激な煽り、挑発、レトリックが満載で、誤読を招きやすい)。

・マズローは疑似科学だ(科学理論としてはインチキだ)。

・竹田氏のは哲学ではない(哲学としてはインチキだ)。

・永井均のニーチェ理解は浅薄だ。

・中島義道氏は、死と絶望に対する感受性が強すぎて、普通の人がついて行けない。

・立花隆氏の科学本は、いいかげんな記述が良く出てくる(彼のインターネット関連の本は本当に酷い)。

・デールカーネギーは、よくある自己啓発本の元祖で、まともな教養の本じゃない。

・経済学は実際の仕事や生活にはほとんど役に立たない。



しかしながら、これらの本は読み方次第です。

マズローの本は、科学ではなく、単に「よりよい生き方をする人間」に対する示唆を与えてくれる本だと考えれば、すばらしい人生の肥やしになります。ケインズの「一般理論」が誤謬と矛盾に満ちていても、そこに多くの示唆的なアイデアやものの見方がちりばめられているのと似ています。そこに書かれている理論の正しさが重要なのではなく、そこにちりばめられている人間に対する洞察が、さまざまなインスピレーションを与えてくれるのが重要なのです。

また、竹田氏の本は、哲学ではなく、哲学風味の人生に対する考察だと考えれば、やはり分かりやすくて良い本です。

立花隆氏の科学理解は、本職の科学者に比べると浅いですが、そのぶんはるかに分かりやすく、入門書としては優れています。

永井均氏が浅薄かどうかは、その人の好みによります。

デールカーネギーは、よくある自己啓発本ですが、自己啓発本の中では、かなりすばらしい部類に属すると思います。

経済学は、仕事や生活の役には立たないですが、それによって世の中をより深く味わうことができるようになります。



というわけで、これらの点には、十分に注意して読まれますよう。



ちなみに、これらの本のリストは、あくまで「梅田氏や小飼氏の本やブログを読む」ということに対する「対案」として挙げた一般向け・入門書的リストなので、単純にお勧め図書を挙げるとしたら、また別のリストが出来上がります。また、僕自身の愛読書リストも、これらとは別になります。

*1:マズローは心理学の本としてではなく、人間性についての深い思索の本として読むのが良いと思います。科学というより、思想書。

*2:もちろん、マズローにしろ、トフラーにしろ、ニーチェにしろ、陳腐・トンデモ・危険な部分もたくさんありますし、鵜呑みにすると、むしろ有害にすらなりえます。自分なりのやり方で慎重に咀嚼・吟味してゆく必要があります。

*3:もちろん、このアナロジーが当てはまらない側面もある。証券化バブルは、転売によって値がつり上がっていくことでおきたが、アルファブロガーバブルは、転売ではなく、多くの人がブックマークするので、それが人気エントリに上がり、それによってさらに多くの人がブックマークするという雪だるま効果などによって起きた。




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セロトニントランスポーターと幼児期別離体験と牛若丸

抗うつ薬であるSSRIが作用する部位が
セロトニントランスポーターと呼ばれている部分で、
そこにタイプがあって、S型とL型と分類され、最近ではSS型とかもう少し細かい分類に進んでいる。

シナプス間隙にいったん放出されたセロトニンを
シナプス前細胞内に再取り込みするときに
このセロトニントランスポーターが働く
ここをブロックすれば再取り込みができなくなり
結果としてシナプス間隙のセロトニン量が増える
この状態が続くと
シナプス後細胞のセロトニンレセプターは減少するだろうし(ダウンレギュレーション)
またセロトニントランスポーター自身も数が変化するかもしれない

セロトニントランスポーターを作る部分の遺伝子が
セロトニントランスポーター遺伝子であり
それにはS型とL型とがあり
遺伝子は微妙に違うが、できあがったセロトニントランスポーターの働きには違いがないと言われる
違いは多分どのくらい能率よくセロトニントランスポーターを作るかとか
どの程度の量を作れば生産がやむかとか、そのあたりに違いが出るらしい

S型の人はセロトニントランスポーターの産生がL型の人よりも少ないだろうといわれている

SS型とLL型ではストレスにさらされたときのうつ病の発現度に違いがあり
SS型ではストレスに応じてうつ病発現が多く
LL型ではストレスにかかわらずうつ病発現は一定であるとの報告がある
ストレスに弱い人の体質というものは実際どのようなものなのかの一部が示されたわけだ

S型ではSSRIの効果がL型よりもよくないだろうとも言われている。

セロトニントランスポーター遺伝子多系の研究で、
民族ごとの違いなども興味深い点である
日本人はS型が多いだろうと言われている

セロトニントランスポーターのタイプと
幼児期の別離体験をクロスさせて分類して
後年にうつ病が発生するかどうかを見ると
セロトニントランスポーターS型、かつ、幼児期別離体験ありの群が
うつ病発症の率が高いとの研究がある。

そうならば
日本人で小学校入学くらいまでに母親と分離された人などはうつ病になりやすいだろうと言える。
戦争などでそのような別離体験をした人が
戦後復興期・経済高度成長のさなかに
軽躁状態を生きてきて
30歳か40歳になってうつ病になるというのは筋が通っている

牛若丸の早期別離体験が
日本人の心を深く揺さぶるのも
S型体質と関係がありそうである。

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双極性障害の再発予防、リチウム+バルプロ酸の併用が有効

双極性障害の再発予防、リチウム+バルプロ酸の併用が有効:BALANCE試験
双極性I型障害|リチウム|BALANCE試験|メンタルヘルス


2010/02/11(木) No.J001042
長期的な治療を要すると考えられる双極性I型障害患者の再発予防には、リチウム(商品名:リーマスなど)とバルプロ酸(同:デパケンなど)の併用がバルプロ酸単剤よりも有効なことが、イギリス・オックスフォード大学精神科のJohn R Geddes氏らが行った無作為化試験(BALANCE試験)で示された。双極性障害は寛解が得られても多くが再発、慢性化し、世界的に15~44歳の障害の原因として最も重要な疾患の一つとされる。炭酸リチウムとバルプロ酸セミナトリウムはいずれも単剤で双極性障害の再発予防薬として推奨されているが、十分な効果が得られない患者も多い。再発例には、エビデンスがほとんどないにもかかわらず両薬剤の併用療法が推奨されているのが現状だという。Lancet誌2010年1月30日号(オンライン版2009年12月23日号)掲載の報告。
単剤と併用を比較するオープンラベル無作為化試験

BALANCE試験の研究グループは、リチウムとバルプロ酸の併用療法がそれぞれの単剤療法よりも双極性I型障害の再発予防に有効か否かを検討する、オープンラベル無作為化試験を実施した。

イギリス、フランス、アメリカ、イタリアの41施設から16歳以上の双極性I型障害患者330例が登録され、リチウム単剤群(血漿濃度0.4~1.0mmol/L、110例)、バルプロ酸単剤群(同750~1,250mg、110例)、両薬剤併用群(110例)に無作為に割り付けられた。

患者と医師には治療割り付け情報が伝えられたが、予後イベントの評価を行う試験管理チームには知らされなかった。最長で24ヵ月間のフォローアップが行われた。主要評価項目は「緊急の気分障害エピソードに対する新たな介入の開始」とし、intention-to-treat解析を行った。

併用がリチウム単剤より優れるかは確証できない

緊急の気分障害エピソードで介入を受けた患者は、併用群が54%(59/110例)、リチウム単剤群が59%(65/110例)、バルプロ酸単剤群は69%(76/110例)であった。

併用群は、バルプロ酸単剤群よりもエピソードに対する介入が有意に低減した(ハザード比:0.59、p=0.0023)が、リチウム単剤群との比較では有意な差は認めなかった(ハザード比:0.82、p=0.27)。リチウム単剤群はバルプロ酸単剤群よりも介入の低減効果が高かった(ハザード比:0.71、p=0.0472)。

16例に重篤な有害事象がみられた。そのうち7例がバルプロ酸単剤群で、3例が死亡した。5例がリチウム単剤群で2例が死亡、4例は併用群で死亡は1例であった。

著者は、「臨床的に長期の治療を要すると考えられる双極性I型障害患者の再発予防には、リチウムとバルプロ酸の併用あるいはリチウム単剤がバルプロ酸単剤よりも有効なことが示唆される。このベネフィットは、試験開始時の重症度とは関連せずに認められ、2年間持続した。併用がリチウム単剤より優れるかは確証できない」と結論している。

さらに、「アメリカやイギリスの双極性障害治療ガイドラインでは、長期的治療の1次治療としてバルプロ酸単剤を推奨しているが、リチウムとの併用あるいはリチウム単剤を考慮すべきである。また、リチウム単剤療法中に再発を繰り返す患者にはバルプロ酸単剤への切り替えが推奨されているが、この場合は併用療法がより有効であろう」と考察している。


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電話加入権

電電公社時代は電話加入権が多分10万円とかに設定されていて
会社の資産の一部として印刷されていたと思う

で、どこに消えたんだろう?
情勢が変化して無価値になったということなんだろうけれど
なんだかごまかされたような気分にもなる

電電公社の電話の権利というものはマーケットで値段が決まるものなのだろうか
NTTに移行して法律が変更されたのだろうか



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