小川国夫「アポロンの島」2
愛知県で銃を持って立てこもった人物がいて、
警官が一人命を落とした。そんな事件が起こっていた。
憲法改正の手続きに必要な法律、国民投票法が議会を通過した。
私の身辺も落ち着かない。仕事も私生活も
思わしくないことばかりが続くのだった。
心の安らぎはどこにもない。
そんな中で偶然「アポロンの島」を手に取り、
読み始めたものの、
切れ切れの映画フィルムを見ているようで、
まとまった印象には至らない。
読んでいても文字がイメージに変換されず
つるつると滑ってゆく。
しかしなぜか部分部分のイメージには喚起力があり、
自分の内部の記憶が掘り起こされた。
思いがけない記憶が回想され、しばらくのあいだ
自分の過去を振り返ってみたものだった。
かなり変わった読書体験であった。
小川国夫「アポロンの島」
文章の質によるのだろうか
いろいろなことを思い出させられている
過去の連想があふれかえっている
どうしたことだろうか
いぶかしいほどだ
あの四畳半の部屋で本を読みふけった頃のこと
素人じみてはいたがそれでも集中力はあり志があった
カップ麺もよく食べた
湯を沸かしたのは保温もない電気ポットだった
当時はこたつに入っていた
熱い道を歩いていたあの日のこと
汗は噴き出していたが気分は楽だった
どうにかなるだろうといつも考えられた
寒い日、雪が降り、私は飛行機を一つ遅らせた
長靴を履いて鳥肉を買いに行った
自転車を漕いで砂利道にはいるとハンドルが取られた
しかしそのようにして自分の足で遠くまで行けることは幸せだった
記憶の細部に言葉は届かないが
それでも私は回想の時間をたっぷりと楽しんだ
私の中に確実に堆積して蓄えられていたのだ
読書しながらこんなことを次々に思い出すのも珍しいのだった
筋肉は脂肪に変わる
身体のどこにも力を入れずに
過ごすコツがわかった
その結果ますます脱力して
筋肉は脂肪に変わる
この季節は
じっとしていると
汗もかかず
寒くもなく
いつまでも無重力の中にいるようだ
ゴールデンウィークの頃は
やりきれなく思えたあの草の香りも
最近は強くない
筋肉が活動停止したら
脳も活動を停止した
多分脳も脂肪に変わるだろう
他力本願 信仰の道
いよいよ私に残されているのは
他力本願
信仰の道しかないのだと感じているのだ
市井に紛れて生きて
他力本願を生きる
そんなこともできない現代である
仕事しなくちゃな
巨人第40戦目
またまた楽勝
何も書くこともないくらいだ
しかしまた普通波テレビ放送がなかった。
仁志が上原から2ランホームランを打ったはずだけれど、
スポーツニュースでは映像が流れなかった。
スポーツニュースではメジャー情報の方が
大切に扱われている感じになっている。