遠い先のことを考えてよかったことは何もなかった
「夜半の寝覚め」より 「同じ心」
中納言、初めての契りのあと、
「……さるべきにや、限りなき心のとどめがたくなりたるも、浅からぬ契りの程とおぼし慰めて。……。ただ今は、いかにもいかにも同じ心におぼしなりね」
「同じ心」がここに出ている。
これは和歌でもよく使う言い回しだ。
「初めてなのに同じ心になりましたね」などと言う。
ここでの状況はまさにそれで、
是非是非わたしと同じ狂おしいほどの心になって欲しいのだということだ。
相手の女はまだ若すぎて、男に対する手管もないのであるから、男としては、「もう同じ心だな」と思っているのだろう。
この物語は、各自の内心の独白を言葉にして作者が書いている。
一体誰の視点からの小説なんだと言われそうだが、
そんなことは関係ない。
絵物語では、屋根だけがすっぽりなくて、
のぞき見し放題の世界である。
「同じ心」の用例をあげる。
*****
はじめての後朝である。女は贈る。
はかなくて同じ心になりにしを 思ふがごとは思ふらんやぞ (中務・後撰集594)
はかないわ。同じ心になってしまいました。
私が思うほどにはあなたは思っていないみたい。
男が返して贈る
わびしさを同じ心と聞くからに 我が身をすてて君ぞかなしき (信明・後撰集595)
わびしいよ。同じ心と聞いたからには、
いま我が身をすてて、ただ I love you.
*****
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古いペン軸がさぞ自分を恨んでいるだろう、と思われもするのだ。今までずいぶんと役に立ってくれたではなかったか。いま自分が仕合せになった時に、それを打っちゃって、塵(ちり)まみれにさせておいてもよいだろうか。このペン軸こそ、来る日も来る日も、自分の人差指に当てがわれていたものだ、……それがもう何年になるだろうか。少なくとも二十年になる。トトナム・コート街の店屋で買ったことを、まだ覚えている。そう言えば思い出したが、あのとき文鎮(ぶんちん)を買って、まる一シリングとられた、……身ぶるいするような贅沢(ぜいたく)であった。ペン軸は新しいニスのつやで光っていたが、今でははげて、全体が茶色の棒きれになっている。自分の人差指には、それで筆だこができている。
古い仲間で、そしてまた古い敵だ! 自分は厭(いや)でも仕方なしに、そして頭も心も重く、手は震え眼はくらむのに、幾度それを取り上げたことだろうか。インクで黒くよごさねばならぬ白紙が、何と恐ろしいものに見えたことだろうか。とりわけ、今日のように、春の青い眼がバラ色の雲の間から笑いかけているような日には、……そして、陽光が机の上に揺れ動いて、花の咲いた大地の香や、山べりの落葉松(からまつ)の緑や、丘の上の雲雀(ひばり)のさえずりが、もの狂おしいほどにも恋い慕われるような日には、なおさらのことであった。
かつては、……それは子供の頃よりもまだ遠い昔のような気がするが……自分は張りきった気持でペンを取りあげたものだ。手が震えたとしても、それは希望を持ってであった。けれども、それは自分を愚弄(ぐろう)した希望であったのだ。なぜなら、自分の書いたものは、一ページでも、後まで残るほどのものがなかったのであるから。自分はいま、平らかな気持でそれを言うことができる。そんな希望を持ったことが、若気のあやまちであった。そして境遇の力が、そのあやまちを長引かせたに過ぎないのだ。世間が自分の真価を認めてくれなかった、というわけのものではないのだ。自分は、ありがたいことに、そんな理由で世間を罵(ののし)らないだけに、賢くなっている。誰かがものを書く場合、たとい不朽(ふきゅう)の作品を書いたとしても、世間がそれを認めないからといって、恨みを抱く理由があるだろうか。誰が、彼に発表を求めたか。誰が、彼に傾聴(けいちょう)を約束したか。誰が、彼に違約したか。